第77話 分冊
三日。
久世。
来ない。
その代わり。
主任。
三崎物産。
来る。
今日は。
名刺。
ある。
会社名。
知らない。
「島で」
私。
「何持って帰った」
主任。
鞄。
小箱。
出す。
開ける。
紙。
焼け。
青い。
ノート。
半分。
表紙。
同じ。
〈次の人へ〉
私。
「同じ?」
「同じ系列だと思われています」
「思われてる?」
「完全版が存在するかも分かりません」
いい。
その程度。
「何冊」
「分かりません」
主任。
ページ。
開く。
〈分からないものを、分からないまま開け〉
別。
〈意味は後から付ければよい〉
別。
〈人は戻せる〉
私は。
顔。
しかめる。
「危ないな」
「はい」
「でも」
主任。
「誰かには、希望です」
それも。
分かる。
「読んで、何か開けた人」
「います」
「死んだ?」
「います」
「戻った?」
「います」
「やめた?」
「います」
「幸せ?」
主任。
一瞬。
止まる。
「います」
私は。
相原澄江。
思い出す。
全部。
不幸なら。
捨てられる。
でも。
そうじゃない。
「だから困る?」
「はい」
「人は続ける」
「はい」
主任。
ノート。
閉じる。
「客人が来ました」
彼女。
顔。
止まる。
「ここへ?」
「俺を見に」
「何を話した」
「正体は答えなかった」
主任。
深く。
息。
「関わらないでください」
「久世も同じ感じだった」
「久世は、まだ軽い」
「何が」
主任。
言葉。
選ぶ。
「私たちは、ああいう存在を説明するために、過去にいくつも呼び名を作りました」
「使者?」
「それも」
「上位?」
「それも」
「どれが正しい」
「分かりません」
「じゃあ全部仮称」
「はい」
少し。
安心。
する話ではない。
「怖がった方がいい?」
主任。
「怖いと思えるなら、それでいい」
「褒めてる?」
「いいえ」
即答。
「怖くなくなる人もいます」
「慣れる?」
「違います」
主任。
小箱。
押さえる。
「意味を決めてしまう」
神。
敵。
味方。
使者。
暗黒。
「そうなると」
「判断が速くなる?」
「速すぎます」
私は。
客人。
思い出す。
何も。
していない。
ただ。
いた。
怖かった。
「俺は」
「はい」
「怖かった」
主任。
頷く。
「なら、まだ保留できます」
その言葉。
少し。
嫌。
私が。
観測対象。
みたいだった。




