74/83
第74話 通常業務
一週間。
何も。
起きない。
会社。
忙しい。
棚卸し。
返品。
クレーム。
山根さん。
漬物。
「課長、食べる?」
「食べる」
「辛いよ」
「知ってる」
昼。
小野寺。
猫の写真。
白。
黒。
「どっちが可愛いです?」
「分からない」
「逃げた」
「両方」
「無難」
「課長だから」
夕方。
佐伯。
発注。
一桁。
多い。
顔。
青い。
「課長」
「どうする」
「返品」
「無理」
「じゃあ」
一緒に。
考える。
電話。
倉庫。
取引先。
三時間。
損。
少し。
収まる。
佐伯。
「俺の責任です」
「俺の責任でもある」
「課長」
「承認した」
「でも」
「両方」
普通の。
責任。
こういうもの。
夜。
スーパー。
半額。
鯖。
コロッケ。
ビール。
アパート。
風呂。
テレビ。
203号室。
壁。
白い。
私は。
食う。
飲む。
本。
読む。
普通。
以前。
つまらないと。
思っていた。
何も。
起きない。
それでも。
人生。
進む。
澄江。
夫。
娘。
孫。
猫。
向こうを。
見ない。
それでも。
続いた。
「強いな」
誰に。
言う。
分からない。
窓。
遠く。
甲高い声。
女学生が。
笑っているように。
聞こえる。
一瞬。
昔の。
校庭。
廊下。
何か。
戻りそうになる。
私は。
窓を開ける。
向かいの建物。
外壁工事。
作業員。
「そっち持って!」
「はい!」
声。
反響。
している。
それだけ。
窓を。
閉める。
少し。
可笑しい。
自分の耳が。
勝手に。
昔を作った。
翌朝。
会社。
昨日の続き。
それが。
少し。
ありがたかった。




