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女神の彼氏は死霊使い?  作者: き・そ・あ
本編 鮮血の姫君
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5 無職ではなく、錬金術師でした

 

「いい加減、許してくれないか?」


 3人の娘が歩く後ろを、俺はリアと並んで歩いている。

 サシャは仕事の時間が終わったらしく、ルナたちともっと話がしたい。らしく、場所を変えるらしい。

 店を出た俺たち4人はサシャを交えて街を歩いていた。

 そんな中、マナとルナに挟まれ楽しそうなサシャと反対に、俺の隣でブスっとした顔のリア。

 ルナたちとは年も近い(見た目の問題で)せいか、サシャは今日知り合ったとは思えないほど楽しそうに話している。


 俺はその後ろ姿を見つめながらリアと歩いていた。

 しかし、なんせ隣にいる者が負のオーラ全開でな。なんとも言えんのだ。

 我慢比べて負けたのが俺だった。


「リア、聞いているか?」


「はいはい、聞いてますよー」


 俺の呼びかけに応えたものの、適当さがよくわかる。

 なぜだろう。魔界にいたときのことを思い出す。

 これが、孤独というやつか。


「さっきはすまなかった。まさかお前の事を言うわけには行くまい。」


「そうですね。大丈夫ですよ?気にしてませんから」


「いや、お前・・・。」


 精一杯の笑顔。というやつだろうか。

 リアは一瞬笑うと死んだような目で俺を見て「ふんっ!」とそっぽを向いてしまった。

 なぜか、胸が痛い。


「そうでしょーねぇ。まさかぁ?私のこというわけにはいかないしぃ?」


「だから謝っているだろう!?すまなかったと」


「なんだか、ここまで尽くしてきたのにがっかりというかぁ」


「・・・」


「楽しそうだね?ハーレムなお兄さん!」


「ティグ!?」


 俺が言葉に困っていると、後ろからいつも問題を持ってくるギルドの受付、自称看板娘の亜人、ティグ

 が声をかけてきた。


「どうしたんだい?今日は1人多いみたいだけど・・・。まさか、どこかで口説いてきたんじゃあ・・・?

 」


「お前は俺をなんだと思っている?あれはギルドそばの喫茶店の娘だ。ルナたちと友達になりたい。と言っていてな。たまたま、だ。」


 なにか卑しい顔で俺を覗きこむような仕草を取るティグに呆れて簡単に説明をすると、なんだか少し残念そうな顔をしていた。

 そんな顔して、こいつ、俺がどんな答えを持ってきたら満足するんだ?


「あ、そういえば・・・。」


「こんにちわ!!猫耳のおねえちゃん!!私の職業って何!?戦士とか、魔法使いとか、神官とか!!何か

 あるでしょ!?なにか!!」


 俺が思い出して聞くよりも早く、リアは自分でティグに詰め寄り自分の職業を聞いていた。

 さすがにその声は前の3人にも聞こえたらしく、こちらを振り返って何事かと見ている。


「えっ??なに?ええぇ??」


 ティグは急に目の前に詰め寄ってくるリアにたじろき、言われている意味が理解できないようだった。


「ど、どちら様ですか?」


「あぁ、サシャは知らないよね。ギルドの受付のティグだよ。物知りで、頼りになるんだよ。」


「へー。あの人が・・・」


「ねぇヴァネット!どうしたの??大丈夫?」


「あぁ!問題ない。リアがティグと話したいらしい。お前たちは先に行ってくれ。俺はこっちに残る」


「わかったー!!」


 ルナは俺たちに大きく手を振り、そのまま人ごみの中へ3人の姿は消えていった。

 ティグはというと、リアからさっきの話を聞かされ、職業がはっきりしないことが納得できない!と言うことで状況を理解したようだった。


「なるほどっ!話はわかったよ!この振られたお兄さんの言うことが納得できない!ってことだね!」


「おい、誰が振られたお兄さんだ?」


「リアちゃん、調合が特技って書いてたじゃん?だから、一応錬金術師ってことになってるけど・・・。」


『れ、錬金術師ぃ!!?』


「こ、こんな奴が!?」


「こんな奴ってどういうことよ!?」


 予想外の回答にリアと声が重なった。


「私、錬金術師だったのねぇ・・・。錬金術師・・・。なんていい響きなのかしら」


 すっかり自分が無職ではないとわかってご機嫌なリア。しかも、錬金術師だなんて、コイツにはもったいない称号なような気もするが・・・。


「ふふぅ~ん・・・。どぉ!?私だって立派でしょ!!」


「う、うん。リアちゃんはすごいと思うよ。錬金術師なんてそういるものじゃないしね」


 道端で「どうだっ!」と言わんばかりの態度で俺の前に立ちふさがるリア。

 なにをどうしたいのか理解に困るティグ。

 たしかに、最初の頃ギルドに登録するときになんか調合が得意だの、サキュバスがなんたらとか、色魔がとかくだらない話をしていたな。

 少し思い出してきたぞ。


「すまない、つまらんことに巻き込んだな。」


「いや、別に面白かったからいいけど。本気で忘れてたのかな。あの子」


「だろうな。」

 足取りも軽く歩くリアを後ろから俺とティグは見ていた。


 この瞬間も人間界のどこかでもしかしたら魔族と攻防があるかもしれんのに、この場所は本当に平和だ。

 しかし、


「なんだ。お前から声をかけたんだ。用がないわけではないだろう?」


「にひひっ!勘のいいお兄さん、よくわかるねぇ?」


「お前との付き合いも今始まったばかりではない。またなにか退治するのか?」


 コイツが絡むと良くない事が起きる。

 前回の幽霊屋敷の時も、元はコイツがいけない。

 イタズラに笑うティグを見て、少し面倒な依頼ではないか?と勘ぐってしまう。


「今回は大丈夫!」


「こんかい、は?」


「いや、失敬、今回も!だよ!」


 やれやれ・・・。


 本人も理解しているなら、少しは依頼の内容もわきまえてもらいたい。

 俺は家まで帰る間に、依頼の内容を聞いて帰ることにした。

 初めは簡単だと思って安請け合いしてしまったが、この時に断って4人でのんびり過ごしておけばよかったと後悔するのは、数日後だった。


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