35 バブルスライム 2
「あいつ・・・ぶっ殺す」
全身ヌメヌメで怒りに燃えるマナ。
みどりに茂る草の上を緑のヌメヌメした液体がゆっくりと垂れていく。
不思議なもので、臭はそれほど内容だ。
ただ、すごい量だな。
「ずいぶんとまぁ、派手にやられたな」
「うきゃうっ!!」
ヌメヌメの上に剣を刺し、ゆっくりと立ち上がろうとするも安定しなく上手く立てないようだ。
膝を立てて尻餅をついてしまう。
(あ、・・・)
その足元にはルナのも見たことないのに・・・。マナのパンツが視界に入る。
一瞬我を忘れて見てしまうも、俺はすぐに視線を外す。
も、もしこいつにバレた日には本当に神罰とか言って攻撃されかねないからな。
「だ、大丈夫?マナ。」
ルナが手を伸ばし、マナの体を支えている。
出し逃げしたバブルスライムは相変わらずボヨヨォ~ンと弾みながら離れていった。
「うん・・・。油断した。まさか、いきなりこんなのが出てくるなんて」
確かに。普通こんなものが出てくるなんて思わないしな。
「その、なんだ。痛かったり、なんか異常は感じないか?大丈夫か?」
「大丈夫よっ!汚れた体がもっと汚れるから触らないで!!」
俺が差し出す手を払いのけ、顔を赤らめ怒るマナ。
「そんな言い方しないの!ヴァネットはあなたを心配してるんだから!なんであなたは仲良くできないの!?天界の時はいい子だったじゃない?」
静かだったルナが、急に声を上げて怒り始めた。
どうした?何がそんな気に入らなかったのだ?
「い、いや。俺は別にかまわんぞ。気にしていない」
なんか、俺をかばってくれているらしいが別に気にしていないし、かえってマナが余計に卑屈になりそうだ。
「いいえ、このさいはっきりと今言います。マナっ!」
「は、はいっ!」
「今すぐヴァネットに抱きつきなさい!!」
『ええっ!?』
なぜだ!?なぜそうなる!?
このヌルグチョ娘を抱きしめるなんて行為をしたら、もれなく俺まで確実にヌルグチョになるぞ!?
それはあれか?俺に対しても嫌がらせなのか?女神なりの嫌がらせかなにかか?
「おねえちゃん、今?ここで?この人間に!?」
「そうよ!今!ヴァネットを汚いとか言わないで!仲間でしょ!?人間とか言わない!!」
なにかのスイッチが入ったのか・・・。熱血女神になったるルナ。
俺はその言葉を聞きながら、マナへ視線を移した。
彼女も、困っていたのか視線が合う。
すぐ、手を伸ばせば嫌がる彼女がそこにいる。なにかヌルヌルした液体まみれのルナに似た黙っていれば可愛い女の子。さっきのパンツが一瞬脳裏にフラッシュバックする。
黙っていれば・・・ルナなのだ。
俺はまぶたに焼き付いたパンツが離れなくなっていた。
「い、いや・・・。俺はだから気にしてないと」
なんか、抱きしめたいと思ってしまう自分がいることに抵抗を感じ、遠慮をしているのだが。
「私、なんか嫌なんです。こうやってせっかく仲間になったのに喧嘩してたりするのって。だから、今ここで喧嘩しないって抱きしめてやってください」
だから、どうして仲直りの形が抱きしめるのだ?
しかも、この場合はどうみてももっと悪化しないか?俺は不愉快だぞ?
「どうしてそうなる!?」
「天界では、割と普通な行為ですよ?信頼できる人を抱きしめるくらい、わけないです。ヴァネットは、私が抱きついたら汚いと感じますか?嫌ですか?」
そりゃあ、ルナを抱きしめることができるなら今この場で抱きしめても構わないが・・・。
「いや、そんなことは思わないが・・・。」
「だったら、この4人は仲間です。和を乱すことは許しません!だから、いますぐ!!」
俺とマナは、引きつった笑顔のままお互いゆっくりと近づき、静かに抱きしめた。優しく、すこしでも体が離れるように・・・。




