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女神の彼氏は死霊使い?  作者: き・そ・あ
本編 神も悪魔も幽霊嫌い
22/63

19 サキュバス改め、リアに改名しました。

「・・・っと、言うわけで今日から私もパーティーの一員ってことで!、これからよろしくぅー!!」


「だ、そうなんだが・・・。どう思う?」


 俺は家に帰ると玄関を開けてすぐのところに置いてあるソファーに座るルナにサキュバスのことを紹介した。

 ちなみに、サキュバス。という名前は人間界では使えないため『リア』と名乗らせている。


「ど、どうって言われても・・・」


 そりゃ、返事に困るか。

 いきなり朝出て行って、帰ってきたら見たこともない幼女と一緒で、それがさらにはパーティーとして一緒に生活していく。だなんて普通受け入れることはできないか。


「おねえちゃん・・・。私のこと・・・」


 サキュバス・・・、いや、口が滑っても困るからな。これからはリアと呼ぶ事にしよう。

 リアは落ち込んだような、不安そうな表情でうつむいている。


【お前、こういう演技は得意だな】


【やっぱ。色魔たるもの、まずは相手を油断させないと!】


【悪知恵だけは働くんだな】


 ほんと、肝心なところでは抜けてるくせに、人を騙すことは得意なようだ。

 まぁ、騙された俺は何も言えまい。


「ヴァネット!」


「な、なんだ?」


 急に大声を上げるルナに一瞬殴られでもするのかと身構えてしまったが、彼女はリアを抱きしめながら


「偉いわっ!森で迷う兄妹を助け、お兄さんのことは残念だけど、責任をもって妹の面倒はみよう。だなんて、なかなかできることじゃないわ!」


「お、おねえちゃん・・・苦しいよ」


【苦しい!痛いんだけど、どうにかしてくれない?】


【昨日の罰だ。そのまま我慢しろ】


「そ、そうか・・・そうなのか。」


 俺は予想外にルナが褒めてくれたことが嬉しかった。

 俺がこのあたりにいた頃は、捨て子を拾ってくると食い扶持に困ったり、生活苦になるという理由で捨てられた子は死ぬのが普通だったんだがな。今は、違うのか?それとも、ルナがおかしいのか?

 まぁ、どっちにしろルナが喜んでくれたんだ。俺は彼女の喜ぶ顔が見たい。ただ、それだけでいいだろう。


【は・・、ばやぐ・だじげで・・・】


 とりあえず、目の前で意識を失いそうな、足元がふらいているリアを今は助けてやろう。




「あははっ。なんか、妹みたいで嬉しくて・・・ごめんね?」


「うんうんっ!リアもお姉ちゃんと仲良くなれて嬉しいよっ!」


 大きく首を左右に振り、人間の子供のように屈託のない表情で笑うリア。


【ぶっころすぞ・・・。このクソ女。マジで死ぬとこだったろ】


【お前、ルナに手を出したら俺が殺すからな・・・】


 満面の笑顔でルナの言葉に答え、表面上ではルナの事大好き!と言わんばかりの愛嬌を振りまき、仲睦まじく通りを歩いている2人。しかし、リアの内心は黒かった。

 一応、釘はさすが、本人は聞いているのか・・・。

 昼過ぎになり、ルナと俺たちは家を出た。


 仕事はしないといけないからな。今日もギルドで何か仕事がないか覗くことにした。俺とリアは今日2二回目。パーティーとしては初めてだ。なにか、3人で出来る仕事があればいいのだが・・・。

 リアとルナを残すのは不安だ。

 森に置き去りにするくらい危険だ。せめて、どっちかは連れて行きたいが、リアを残しても逃げられそうで怖い。ルナを残しても気になる。

 俺だけ残っても気になって仕方ない。


 ここは、3人で何かをするしかない。

 しかし、3人で橋の補強なんてのもないだろうしな・・・。

 その上、1人は見た目幼女だ。子供が工事現場は無理だろう。


「なにか、3人でできるものがあるといいですね!」


 ギルドの扉の前で、ルナが微笑む。

 素晴らしい。太陽にも引けを取らない輝きだ。


「うむ。そうだな。みなで出来る何かがあればよいな」


「そうだねっ!僕もそう思うよ!仲が良くていいことだね!ハーレムなお兄さん!」


「・・・ティグよ。お前は自由だな。仕事はどうしたのだ?」


「僕くらい有能だと、少しくらい席を外してもいいのさ!おっ?銀髪のお姉さん、元気になった?今朝は二日酔いみたいだったけど?」


「二日酔い??」


「違うの?」


 二日酔い。という言葉が理解できないらしい。

 そもそも、昨日アルコールを初めて飲んだであろうルナにしてみれば初めましての言葉と経験だろう。


「二日酔いとは、昨日のアルコールを引きずってしまうことだ。頭が痛いとか、気持ち悪いとか」


「ああぁ!そうゆうことですか!いいえ、全然二日酔いじゃないですけど?」


「お前、朝全く起きなかったじゃないか??」


「それは・・・その・・・。ちょっと、ヴァネットが・・・」


 なにか言いにくそうにモジモジとするルナ。

 なんだ?なにか言いにくいことでもあるのか?そんなに、俺にはしゃべれないことなのか?


「なんだぁ?もしかして、昨晩は2人で・・・」


 いやらしい笑みを浮かべるティグ。


「ば、馬鹿者!!下衆な勘ぐりはよせ!そのようなこと断じてない!!」


「っ!!・・・」


「あれれーっ??お姉さん、その感じは・・・まさかほんとにぃ!?」


 俺が猫耳に声を上げるのと同時に、ルナは顔面真っ赤になり茹で上がった。


(おいおい、何だその態度は?俺は、何かにはめられようとしているのか?)


 確かに、サキュバスに操られた状態でルナの胸は揉んだが、どうなんだ?それが原因か?

 いや、しかしそれはない。魔族の精神支配を抜けるなど・・・


「い、いや、誤解だ。なぁ?ルナ?なにもなかったろ?」


「は、はい・・・。何もありませんでしたよ?」


「なんか、すっごくあやしぃなぁ。2人で何もないっていうところとかさぁ」


 うわずった声で、明らかに不自然なルナ。


【お前、何か知ってるか?】


【知らないよ!そもそも、私の魔力で意識は封じられていたはずだから記憶に何て残りはしないんだけど・・・】


 しかし、ルナの反応を見る限り明らかに何かを見たような・・・。

 昨日の晩何かを見たことがある。何かを経験したような感じだった。


「猫耳のおねえちゃん!朝はありがとねっ!」


「おお!サキュバス・・・じゃなくて、リアちゃん!無事にパーティーに入れてよかったね!」


「うんっ!猫耳のおねえちゃんのおかげだよ!でね?今日はみんなでお仕事がないかなぁ?って思ったんだけど、・・・リアたちでもできるようなお仕事ないかなぁ?」


「お仕事?それなら僕に任せてよ!!3人にピッタリのお仕事を見つけちゃうよぉ~!!」


【ナイスだ!リア】


【ふふぅ~ん。貸しにしとくわ。】


 こいつ、少し褒めたらすぐに図に乗りやがる。

 まぁ、猫耳の意識はそれたから助かったが・・・。

 ルナの様子が気になるな。


(サキュバスの精神支配から脱出できるほどの、何か?・・・そんなものが人間に?)


 俺は顔の火照りが冷めて、2人に混ざり依頼書を見るルナのことが気になっていた。

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