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女神の彼氏は死霊使い?  作者: き・そ・あ
本編 神も悪魔も幽霊嫌い
16/63

13 だれかいる?

 俺は、夜中に目を覚ました。


 眠らないでも行動できる俺は、すっかりと油断していたのか迂闊にも意識を失っていた。

 普段であれば瞑想をしたり、周囲の気配を探って近づく怪しいものがいないかを調べるのだが、気がたるんでいるな。


 広場の露店から戻ってきた俺たち。

 ルナは2階に。俺は1階で夜を過ごしている。

 ルナは、初めて食べるものが多いらしく、露店を満喫しているようだった。アルコールも初めてだったのか、最後は立つことができないほどに酔っ払っていた。

 2階のベッドに横にさせ、そのまま俺は下に降りてきた。


 玄関は俺の視界に入っている。

 誰かがこの家に侵入した形跡はない。

 そして、俺たち二人以外がこの家にいる形跡もなかった。

 昼も、今も。

 それが、今になって急に背後を取られたような不思議な感覚が俺を襲った。


「だれか、いるのか?」


 静かな部屋に、俺の声が響いた。

 返事は、当然ながらない。

 誰もいないはずなのだから。

 俺は立ち上がり、ゆっくりと家の中を歩く。

 まずは、1階だ。全ての扉、窓に鍵が掛かっているか調べるも、問題はなさそうだ。

 クローゼットの中、引き出し、台所や風呂場もみたが、誰もいない。


(気のせいか?)


 一瞬、俺の気が緩んだ瞬間に、そいつは動いた。

 わずかな負の感情。間違いない。魔族だ。

 俺は追っ手が近くに来ているのか?偵察なのか?

 相手を捕まえて吐かせることを決意し、相手の存在を探す。

 集中し、相手の魔力を探る。

 確かに、このそばに来ているのは間違いない。

 ルナもいる手前、魔法を使ったり、元の姿に戻ることはできない。

 あくまでも、相手から放出される魔力を感じるしかないのだ。


「どこだ・・・。どこにいる?」


 針に糸を通すような感覚の中、俺は2階に魔族の気配を感じた。

 俺は相手に気配を悟られないように密偵シャドウウォーカーのスキルで階段を上り、気配のあった場所へ向かう。


(・・・ルナの部屋か?)


 俺は静かに扉を開いた。

 薄暗い部屋。

 ルナの寝息だけが聞こえる。

 部屋には月明かりが差し込み、特におかしなところはなかった。

(確かに気配は感じたのだが・・・。変わったところはなしか)

 俺は部屋を一周すると、そのまま部屋を出た。


「おかしい・・・」


 俺が、敵の気配を読み間違えるはずがない。

 この家の、2階のどこかに隠れているはずなんだ。

 再び廊下で精神集中をする。

 かならず、絶対にどこかにいる。

 俺はそう確信し、意地でも見つけてやりたくなった。

 魔王軍最強の男たるもの、得体の知れない相手に遅れを取るわけには行かない。


「っいた!」


 やはり気配はルナの部屋からだった。

 俺は密偵シャドウウォーカーのスキルを使うことも忘れ、扉を開けた。


「・・・」


 いない。

 先程と変わらない部屋。でも、なにかがおかしい。

 俺は部屋の中をゆっくりと調べてみる。

 雲が通り過ぎ、月明かりが部屋に差し込む。


 キィィィィ・・・


 扉が閉まる音がした。

 俺は振り返るも、誰もいない。

 風・・・だろうか。

 部屋には、異常がなかった。俺は、立ち上がり、ルナの寝ている顔を見て、今はこの部屋を出ていこうと決めた。


「・・・ヴァネット?」


 ゆっくりとその体を起こし、ベッドに座りながらこちらを見ている。


「あ、あぁ。すまない。物音が聞こえてな。念の為に見廻りに来た。特に何もなかったから-」


 ルナはゆっくりと立ち上がり、足取りもふらつく中俺の前まで来ると、崩れるように俺に抱きついてきた。


「だ、大丈夫か?」


「・・・」


 無言で首を縦に振る彼女。

 しばらく、どのくらいの時間だろうか。一瞬にも、数時間にも思える間彼女は俺にしがみつくと、ゆっくりと顔を上げた。

 そこに見たルナの顔は、アルコールのせいなのか恍惚としていて、初めて見る女の顔だった。

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