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不遇だった土魔法、実は戦争の役に立つ~土魔法使いに転生してしまった僕の、思わぬ成り上がり戦記~  作者: リヒト


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 窓にかけられた二枚のカーテン。その二つの間には僅かな隙間が空いていた。

  

「うぅ……ん」


 差し込んでくる太陽の光にうなされているシーアお姉さまの隣で僕は体を起こし、ベッドから這い出ていく。

 

「……眼帯」


 シーアお姉さまと一緒に寝たからだろうか?

 いつもより熟睡出来た僕は今、久しぶりに寝起きが悪かった。ぼんやりとした頭の中で僕はいつものように眼帯を探す。

 だが、どれだけ探しても眼帯は見つからなかった。


「って、あぁ……つけたままだった」


 しばらく探した後に、僕は今、自分が眼帯をつけていることに気づく。

 いつもは眼帯を外してから寝るのだが、今日は隣にシーアお姉さまがいるということで痛々しい傷跡を見せない為に外さなかったのだ。


「ちゃんと寝ぼけているな」


 思ったよりも働いていない頭に辟易しながら僕は着ていたパジャマを脱ぐ。

 

「さむっ」


 下着姿のまま部屋のクローゼットに向かい、軍服へと着替えていく。

 軍服へと着替えた僕は姿見の前に立ち、身だしなみを作っていく。髪を少し濡らして寝癖を直し、簡単に髪をセットしてから軍帽を被る。


「よしっ」


 軍服に皺無し、軍靴に汚れ無し。階級章の位置はバッチリ。

 いつも通りの身だしなみだ。


「……ノア」


 姿見の前で軽くポーズを取って、自分の姿を確認していた僕は背後から、シーアお姉さまから声をかけられる。


「お、起きていたんだっ」


 ……別に、着替えを見られていたとかは良いけど、ポーズを取っていたところを見られるのはちょっと恥ずかしいかもしれないっ。

 僕はまだ十五歳。前世を換算するともうニュースベック大将閣下よりも上でしょ、とは思うが、精神年齢は体に引っ張られるのを前から感じている。


「うん……少し前に、おはよう」


「おはよう」


 スケスケのネグリジェ姿の上半身を起こしたシーアお姉さまに僕は挨拶を返す……うぅん、前々から、というかずっと思っているけど、シーアお姉さまのネグリジェ、ちょっと刺激が強いんだよなっ。

 ちゃんと恥ずかしい。


「……行っちゃうの?」

 

 なんて呑気なことを思っていた僕へとシーアお姉さまは不安げな声を向けてくる。


「そう、だね。今日もまた、ニュースベック大将閣下のところに行かないと。昨日、出来なかった出立の準備をしなくては。王都を出るのも早い方がいいと思う」


 出立は明後日だとニュースベック大将閣下が昨日行っていたが、出来るなら今日から行ってしまった方がいい。

 王都で時間をかけていいことはない。


「……そう」


「ごめんね」


「いや、謝らないで……わかっているから。見送る、覚悟ももう出来たわ。ちゃんと、いってらっしゃいと言える」

 

 シーアお姉さまの表情から悲しみの色は消えない。

 でも、過去二度よりも明るく穏やかな表情を浮かべたシーアお姉さまは真っすぐ、僕を見つめる。


「無事に、帰って来てね」


「もちろん。それじゃあ、行ってくる」


 そんなシーアお姉さまに向けるべき言葉は一つだ。

 初めは、いってらっしゃいという言葉もなかった。

 二度目の時のいってらっしゃいの言葉は、引きつった無理やりなものだった。

 

「えぇ、いってらっしゃい」


 三度目のその言葉は、僕を送り出してくれるものだった。

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