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不遇だった土魔法、実は戦争の役に立つ~土魔法使いに転生してしまった僕の、思わぬ成り上がり戦記~  作者: リヒト


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第三軍

「……あの、こんなに引っ付いてくる必要ありますか?」


「はぁー!?こうでもしなきゃ貴方はどっか行っちゃうでしょーがっ!?」


 第三軍の進軍はすべて計画通りにうまく行った。

 特に障害等もなく、ナーレ川にまで進軍することが出来た。元よりローシャ帝国は兵力の多くをオースティン帝国との戦線に割いていた。

 その戦力がニュースベック大将閣下率いる第二軍との衝突で容易に動かせなくなった今、ローシャ帝国の動かせる戦力は非常に少ない。

 エマ第二王女殿下率いる第一軍を攻め滅ぼそうと再三攻撃を仕掛け、多くを消耗していた部隊から僅かに戦力を引き抜くので精一杯。

 そんな連中、西部戦線で激戦を積んだ軍団に負けるわけがなかった。


「……周りからの視線も痛いんだけど」


 ナーレ川で陣を張る第三軍の為、塹壕を作りに来た僕の隣にはエマ第二王女殿下の姿があった。

 彼女は今、僕の腕を組み、絶対に離れないといったような態度を見せていた。


「……へぇ、流石ですね」

 

 第三軍には、西部戦線で顔見知りになった人たちが多いんだ。

 さっきから感じる生暖かい視線にちょっと発狂してしまいそうなんだけど……!しばらく見ない間に大きくなった甥っ子を見る叔父の表情をしているよ、みんなっ。


「私のことなんか気にしないで、さっさと仕事をすましちゃいなさい」


「……はーい」


 色々と言いたいことはあるが、それらを押し殺して僕は手を地面につけて、魔法を発動させる。

 ナーレ川に沿うような形で二重の塹壕を構築する。


「おー!これだこれだ!あの西部戦線で見た塹壕は!」


「改めてみると、すげぇーな。木で補強もしていないのに、頑丈だ」


「化け物だなぁ、こりゃ」


 その塹壕に、僕と共に戦った人たちがこれこれ!と言ったような反応を見せながらその中へと入っていく。


「トーチカも作ります。何処が良いですか?」


 そんな彼らの姿を見て、ちょっとだけ誇らしくなった僕はそれを少し隠しつつ、目の前にいる人物へと疑問の言葉を投げかける。


「あぁ、この地図に書いてある地点で頼む……出来るか?」


「お任せを」


 第三軍を率いていたローレンス少将閣下から僕は地図を受け取り、その位置にぴったり合うようトーチカも一緒に作っていく。


「出来ました」


 作るよう言われたのは十個程度。

 これなら大した時間もかからなかった。


「ほ、本当に今の時間だけでトーチカまで?」


「はい。地中深くから鉄を抽出し混ぜ合わせながら作ったので、かなりの強度が期待できますよ。砲弾の十発は耐えてみせるでしょう」


「……す、凄まじいな」


「ありがとうございます。塹壕はナーレ川の方面だけではなく、来た方面にも作った方が良いですよね?」


「むっ?」


「我々が占領したと言っても、多くのローシャ帝国軍がこの旧ポルン王国領に残っています。それらからの攻撃にも対応する必要があるでしょう?」


「あぁ、そうだな。お願い出来るか?」


「お任せを」


 僕はローレンス少将閣下の言葉に頷き、自分が先ほど作った塹壕から司令部を一つ挟んで対面。第三軍が通ってきた場所にまで移動してくる。


「二人きりね!」


「……何で二人きりなんです?」


 その移動には特に誰もついてくることはなく、僕とエマ第二王女殿下だけの移動だった……いや、おかしくね?護衛はいずこ?兵の再配置とかで色々と大変なのはわかるけどぉ。

 

「私が守るから安心して頂戴!対魔法結界がない今、私の水魔法が光るわよ」


「そういう問題でもない気が」


 僕はエマ第二王女殿下の軽口に返答しながら、土属性の魔法を使ってどんどん塹壕を掘り進めていく。


「……ん?誰か近づいてきてない?」


 その最中、僕は何か、こちらへと近づいてくる複数の人影を見つけて声をあげる。


「えっ?ほんと……って、あっ!ほんとだ!敵襲かしら?!」


「……いや、ルノア王国の旗を掲げて走っていないか?」


「味方……?でも、何処から?」


 誰かが近づいてくる。

 その状況に僕とエマ第二王女殿下は共に警戒し、何時でも魔法が使えるように構える……ただし、彼女は僕の腕を離しはしなかったが。


「って!?ニュースベック大将閣下っ!?」


「えぇ!?」


 近づき、顔が見えるような距離になって相手が誰か、それを見ることが出来た僕は驚きの声を上げる。

 こちらに近づいてきていた人物は僅かな手勢を連れたニュースベック大将閣下だった。


「ななっ!?」


 第二軍を率いていたはずのニュースベック大将閣下が何故ここにいるのか。

 至極当然の驚きを見せる僕たちの前で、乗っていた馬を止め、僕たちの前に立ったニュースベック大将閣下も驚きの声を上げる。

 何なら、ニュースベック大将閣下の方が驚いていた。

 いや、何に驚くことが?


「……ふ、二人には」


「「……?」」


「二人に何があったッ!?」


 そんな風に思う僕たちの前で、ニュースベック大将閣下は心の底からの絶叫をあげるのだった。

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