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不遇だった土魔法、実は戦争の役に立つ~土魔法使いに転生してしまった僕の、思わぬ成り上がり戦記~  作者: リヒト


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土属性

 戦線は元の形に戻った。

 ローシャ帝国軍の必死の努力もこれで完全に無駄。


「これに懲りて、流石にしばらく攻勢は来ないかな」


 敵国の通信文を読んだ感じ、今回のローシャ帝国軍の攻勢にかなりの気合を入れている様子だった。

 そんな大攻勢がただローシャ帝国側の戦力をいたずらに消費しただけだったとなれば、向こうも心が折れてしばらく動きは控えるだろう。

 

「なら、ウィルアード准将閣下もそろそろ後方に帰られてもいいんじゃないですか?こんな勝ち戦で貴方に万が一にも流れ弾が当たったら最悪ですよ?」


「まだ勝ち戦と決まったわけじゃないからね。まだ全然ローシャ帝国軍の方が数も、物資も上だ」


 まだ全然油断は出来ない。

 こちら側も結構な量の爆薬を使用したからね。もしも、ニュースベック大将閣下の方が失敗してしまったら。ローシャ帝国軍が別の戦線の救援の為、ここから兵を引き抜くまでは油断できない。

 雑な考えだが、旧ポルン王国領のほとんどを占領出来たとしても、代わりに東サンドロスを失ったら我々の負けと言えてしまうからな。旧ポルン王国領を諦めても、ここへの全面攻勢を続けてくる可能性もあるので、本当に油断は出来ないのだ。

 帝国領を守ることが第一だ。


「って、おい……誰か出てきたぞ」


 僕が近くにいた兵士たちと会話していた中、また別の兵が声を上げる。


「……何?」


 それに反応し、前線の方に視線を向けて見れば、確かにこちらへと近づいてくる一人の兵士の姿があった。


「たった一人で何が出来るんだ……?」


「気にすることもないだろ。射程範囲内に入ったら殺せばいい」


「投降かもしれないぞ?」


「……あいつ」


 周りの兵士たちが呆れの感情を見せている中、僕はこちらへと近づいてくる兵士の魔力の色から危機感を覚える。


「あっ、マズイ……マズイぞ」


 彼の体から漏れている魔力の色。それは土属性を持つ者の色だった。

 しかも、その漏れ出ている僅かな魔力からでもわかる。明確な、強者の色であると。


「くっ!」

 

 どうせ、ローシャ帝国軍にも土属性の魔法の使い手なんていないと高をくくり、自軍に対魔法結界を地中にまで展開するよう命令は下していない。

 つまり、相手の土属性の魔法がこちらへとクリティカルに刺さってしまう。

 塹壕をほんの一瞬でも更地にされるだけでも痛手だ。塹壕戦がぐちゃぐちゃにされた状態でもう一度、ローシャ帝国軍が攻勢を仕掛けてきたら終わり────敵司令部の誰かが、自軍の通信が筒抜けであることを前提とした奇襲作戦を練っていてもおかしくはない。


「僕が出るほかないかっ!」


「う、ウィルアード准将閣下!?」


 しばし悩んだ後、僕はその場を蹴ってこちらへと近づいてきている兵士たちに向かって走り出す。

 

「間に合うかっ!?」


 基本的に土属性の魔法は己が触れている場所から発動する。

 他の魔法のように空中に作用するような魔法は使えない。あくまで己が大地に触れ、そこを起点として魔法を発動するのだ。

 だが、使い手の技量によって土属性の魔法が発動する起点の位置が変わる。初心者だと、本当に触れたところからしか発動できないし、上級者になってくると己の触れている場所より半径10mくらいの場所を魔法の起点に出来る。

 

 僕の射程は半径百メートルの場所を起点とし、そこから数十キロまで範囲を伸ばすことが出来る。

 その為、僕は数十キロという広範囲にわたって魔法を発動させることが出来るのに、101メートル先に落とし穴を作ることはできないのだ。

 直感的に違和感を覚えるが、これが土属性の魔法なのだ。


「……流石にそこまではわからないなっ」


 魔力を見るだけでは、流石に相手の射程がわからない。

 未だ向こうの敵兵も自軍の対魔法結界の中にいるのか、身体強化魔法を使ってこちらの前線へと一気に距離を詰めに来ていない。

 僕よりは短いだろう。

 まだ、猶予はあるはず……銃を構え、僕はただ走る。

 敵兵が身体強化魔法を発動させ、一気に加速したその瞬間。


「間に合った!」


 僕も身体強化魔法を発動させ、一気に加速。


「ハァっ!」

 

 敵兵よりも数倍早く駆け抜ける僕は迷いなくゼロ距離まで一気に詰め、己の手にある銃剣を振りかぶった。

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