表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇だった土魔法、実は戦争の役に立つ~土魔法使いに転生してしまった僕の、思わぬ成り上がり戦記~  作者: リヒト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/75

戦況

「さぁ、司令部らしくこれからについて語ろうかっ」


 水浴びを終えたニュースベック大将閣下が意気揚々と地図の前で声を張り上げる。


「現状について語っていこう。何が疑問点はあるかな?」


「……えぇ」


 現状について語ろう。

 そう、口にしたニュースベック大将閣下はまずもって僕へと疑問の言葉を投げかけてくる。


「そもそもあまり、東方のことはまだ詳しく知れていないのですが……」


 改めて地図を見てみると、ルノア王国の領土の形がドイツ帝国過ぎる。

 というか、本当にマジで当時のヨーロッパの地図とこの世界の地図がほぼほぼ同じ。イギリスが無くて、オースティン帝国がバルカン諸国を帝国内部に保有していることくらいじゃないか?相違点は。

 

「現在はロシアの第一軍と第二軍の攻撃を受けている真っ最中、というわけですか」


 東プロイセン……という地名ではないけど、まったくもって同じ形をしているルノア王国の東部。

 東サンドロスでは今、ローシャ帝国からの攻撃を受けている真っ最中だった。

 ローシャ帝国の軍は二つに分かれ、東部と南部から同時に攻勢されている形となっている。


「東から攻めてくる第一軍と、南から攻めてくる第二軍の連携はどれほどとれているのですか?」


「良いところに目をつけたな。クズクズだ。まるで連携が取れていないな」


「えぇ、ですからこそ、攻勢に出るのです」


 僕の質問にニュースベック大将閣下が答えた瞬間、エマ第二王女殿下が言葉を続ける。


「東部から兵を抜き、南部へと差し向け、まずは第二軍を撃退します。まともに連携を取れていない第二軍はその奇襲に何も反応できず、そのまま包囲されてくれるでしょう」


 要はドイツのタンネンベルクの戦いと同じようなことをしようというのだ。

 別に軍事に詳しくない僕でもあの有名な戦いくらいは知っている。攻勢の為、無理に進撃してきたロシア帝国の第二軍に対し、ドイツ帝国は右翼と左翼に戦力を集中配置。右左からロシア帝国の前線を突破、攻勢で前へ前へと出ていた中央部をそのままぐるりと包囲して完勝を収めたわけだ。

 これがドイツ帝国のタンネンベルクの戦いであり、それを我が国もやろうというわけだ。


「東部の守りはどうするつもりで?」


「これから西部より兵が来るのでしょう?それを当てればよろしい」


「その通りではありますね」


 対応は可能。

 確かに、この世界でもタンネンベルクの戦いと同じようなことが出来ると思う。


「……ふぅむ」


 だけど、それだけで満足していいのかという疑問はあるね。


「ニュースベック大将閣下。ローシャ帝国の暗号は読めていますか?彼の国の暗号は軽いと聞いたことがありますが」


「ん?あぁ、彼の国に暗号はないぞ。ローシャ帝国の文字は読めるか?読めないなら早く読めるようにならなきゃな。我々はローシャ帝国の通信文を見て日々の動きを決めるからな」


「……そこまで?」


「あぁ、そこまでだ」


「……なるほど」


 そこも同じ、と。

 というか、冷静に軍属へとついた今となったからこそわかるけど、暗号なしがあまりにもヤバすぎるな。


「それで、だ。君はどう見る?エマ第二王女殿下の作戦で行く方針になっているのだが」


「……いや、それよりも優先するべきことがあるでしょう」


「ほう?それは?」


「……は?」


 僕の言葉にニュースベック大将閣下は興味深そうな声を上げ、エマ第二王女殿下は不愉快そうな声を上げる。


「同胞、オースティン帝国の介護ですよ」


「……何ですって?」


「もっと徹底的な、完璧な勝利を追い求めるべきです。それが出来る情勢でしょう」


「続けて?」


「オースティン帝国は今、ローシャ帝国と接する全ての国境線で攻撃を受けている真っ最中です」


「それはそうですが、こちらとして出来ることはないでしょう。もとよりこちらも余裕があるわけではないのです。彼の国には彼の国で頑張ってもらえれば……」


「いえ、彼の国を助けなければ、この戦場は次の段階にまで行かないでしょう」


「……貴方には、私の作戦よりもより良い腹案があると?」


「いえ、エマ第二王女殿下の作戦はやるべきでしょう。完璧な作戦です。その上での話をさせていただいているのです。中央部、ここでのルノア王国軍を撤退させましょう」


 出っ張っている東サンドロスの下部。東サンドロス同じくローシャ帝国と国境を接する部分を指さしながら僕は言葉を続ける。


「……は?そんなことをして何の意味が」


「ここでもまったく同じことをローシャ帝国相手に行いましょう。ここの兵力を東サンドロスへと振り分けたように見せかけ、撤退を行い、ローシャ帝国の兵をおびき出させましょう。その後、西部方面から引き抜いた兵をこちらに割り振り、右翼と左翼で攻勢。釣り出したローシャ帝国軍の包囲を目指しましょう」


「……ここ一帯、すべてを一度の攻勢で占領するつもりか?」


 僕の言葉の意味をニュースベック大将閣下はすぐに理解する。


「えぇ、そうすればオースティン帝国の担当する戦線がかなり短くなるうえ、彼の国へのローシャ帝国の攻撃も止めさせられるでしょう」


 東サンドロスからオースティン帝国の間にある広大なローシャ帝国領。

 そのすべてを占領してしまおうと僕はあまりに大胆過ぎる作戦を伝えるのだった。

 ご覧いただきありがとうございました。

 ここより少しスクロールして広告の下にある『☆☆☆☆☆』から評価することが可能です。

 ブクマ登録、いいねも合わせて評価していただけると幸いです。


 また、感想は作品を作る上での大きなモチベとなります。

 感想の方もお待ちしておりますので、気軽にお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ