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1-4-5

朝になりご飯を食べる。

まだ前回納品した翌日だが今日は商人ギルドに交渉しに行こうと思う。

とはいえ話だけを持って行っても、進みは悪い。

試供品があれば、その分僕が仕入れを行うために街を離れていることになっている時間を使って話を進めてもらえれば良い。


そう思った僕は早速一度部屋に戻りショッピングセンターに向かった。

買うのは昆布出汁だ。

適当に1袋くらい買っておく。

それを別の袋に移し替える。

出費としては大銅貨3枚だし大して痛い出費にはならない。


早速物を持ってギルドに向かう。

普段のペースとは違うためいつも担当してくれている女性職員さんは怪訝な表情だった。


「昨日納品されたばかりですが、今日はどうしましたか?」

「ちょっと相談したいことがあるのでギルドマスターに取り次ぎをお願いします」


塩に関する相談だと判断してくれたのだろう。

直ぐにギルドマスターに取り次いでくれて、別室に通された。


「昨日ぶり・・・というのも変な話ですが、こんにちはエコラックさん」

「おう。昨日の今日でどうしたんだ。相談があるってことらしいが」

「今日は相談があってきました。ですがその前に、今から話す内容を無暗に誰かに行ってほしくないんです」


と依頼した。

今この場にいるのは僕とギルドマスターと担当職員さんの3人だけだ。

ギルドマスターは今までの話から重要な話だと感じ取り、女性職員さんと共に守秘義務についての誓約書を書いてくれると約束した。

肝心の内容についてはまだ記載されていないが、他の条項などの部分はすぐに書類を揃えて見せてくれた。


「まず最初に話したいのは僕には時間経過はありますが、アイテムボックスのスキルがあります」

そう話すととても驚いた様子であった。


「そのため胡椒や貴族向けの塩に関しては生産量の関係もあるため増量はお約束できませんが、一般市民向けの塩であれば容易に入手することができるので納品量の増量を考えています。あと・・・」

--------「ちょっと待った!」


「なるほどな。お前さんが何処から塩を容易に手に入れているのか全く分からなかったが、これで謎が一つ解けた。

ちなみに増量する目的はなんだ?」


僕は話してもいい情報だけを正直に伝えた。

ずっとこの街にいるつもりじゃないこと。

いつかは再び旅に出ようと思うこと。

この領ではお世話になったので自分の活動に影響の出ない範囲で恩返しがしたいこと。


そこまで聞いたギルドマスターは納得してくれたようだ。

「なるほどな。大成した商人が1か所に拠点を構えるのは稀だ。ほとんどの商人は必ずといっていいほどに旅にでるもんだ。それじゃあ仕方ねえな。

でも助かるぜ。そこまでこの街のことを考えてくれるとはよ」


具体的にどれだけ卸すのかという話になった。

本当はいくらでも卸すことができるのだが、次の納品から2週間おきにし、

胡椒600gと貴族向けの塩2kg、そして庶民向けの塩を1回で200㎏に増量したことを伝えた。

200kgに一気に増えたからだろうとても驚かれた。


「そういえば、『あと・・・』って言ってたな。ほかにも相談事があるのか?」


「はい。2つほど」

エコラックさんは額に手を当て、目を瞑って上を仰いだ。

なぜか申し訳ない気持ちになる・・・


「それで2つ目はなんだ?」


「初級ポーションの材料にもなる薬草、オトギリソウを安定して入手できるようになりました」

何秒か固まった後、大きなため息をつかれる。


「つまり、何だ?ポーションを卸したいってか?」


「いえ、それでは既存の薬屋を圧迫すると思いますのであくまでも保険として個人利用が目的です。あとは万が一領主様から大量に必要とされる依頼があった場合は現在の市場よりも安く卸せるようにしようかと思っています」


「なるほどな・・・・」


「ですがポーションを作成しようと薬師に依頼しようにも、直接やり取りをすればトラブルのもとになると考えました。なので商人ギルドにその仲介をお願いしたいのです」


「わかった。それは賢い判断だ。大量の塩を安価に入手してくれるお前さんの頼みだ。仲介料は勉強させてもらうぜ」


「ありがとうございます。」


「そんで?最後の依頼はなんだ?」


「その前にお伺いしたいのですが。この街には出汁というものはありますか?」


「ダシ?なんだそりゃ」


商人ギルドのマスターであるエコラックさんも出汁については知らないようだ。

「出汁とは食事の風味づけに一役買うことのできる食材です。失礼かもしれませんがこの国では海藻は売ってますか?」


怪訝な表情になりながらも返答がくる

「海藻?いや、それは売られていないな。むしろ漁師たちからは漁業をする際のゴミとして煙たがられてるな」


「その海藻を、太陽の熱を帯びやすい石や砂の上において乾燥させることで、乾燥昆布というものになります。

その乾燥昆布を汁物を作る際に、一番最初に沸騰したお湯の中に入れることで多少の塩味と海藻の強い風味が得られて味わいが深くなるんです。

なので昆布出汁を入れることは単に風味をよくするだけでなく、使用する塩の量を間接的に減らすことにもつながります」


「・・・・・・・・・・・・そんなこと聞いたこともねえ。どこで知ったんだ?」


「僕の親の故郷はこの国から遠く離れた小さな島国です。

周りが海に囲まれているがゆえに、こういう知識が沢山あるんですよ。

本当は魚でもできるようなのですが、管理とか保存が大変らしく、僕もそこまで詳しくないんです」


「そうか・・・確かに、塩を入手できるお前さんなら海藻も入手できるってわけか」


「それで本当はこちらも飲食店と直接やり取りがしたいところではあるんですが、トラブル防止のために商人ギルドに仲介をお願いしたいと考えました。

それにあたりお試し品をお持ちしたので、ギルドと懇意にしている飲食店があれば、お試し品に限り無償提供して、試食してほしいんです。」


「そうか。そんでお前さんはこれを使って何を考えてる?」



意図を聞かれた僕は考えていたことを述べることにした。





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