表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/8

仲間、調整中

平和な鳥の鳴き声で、目が覚めた。

頭が割れそうに痛い。


「……最悪だ」


勇者は顔をしかめながら、ゆっくりと体を起こした。


「……今日は、死なずに済むといいなぁ……」


左手に、妙に柔らかい感触が触れた。


「……ん?」


むにゅ。


(……スライム?)


「……あんっ」


やけに色っぽい声が、静かな部屋に響いた。


「は?」




ゆっくりと、恐る恐る左を見る。


そこには――


やけに上等そうなネグリジェ姿の――

昨日、酒場で絡んできた女主人が、寝ていた。


「なんでいるの!?」


声が裏返った。


「……もう、うるさいわね」


眠たげに目を細めながら、女主人がぼそりと呟く。


「昨日、契約したでしょ」


「は? なんの?」


女主人は、にっこりと笑う。


「仲間になる契約よ」


「してないしてないしてない!!」


「したわよ」


「してない!!記憶にない!!」


「かなり酔ってたものね」


「無効だろそれ!!」


女主人は平然と起き上がる。


「ほら、これ」


ひらり、と一枚の紙を差し出してきた。


勇者はそれをひったくるようにして見る。


「……なんだこれ」


「契約書」


「契約書!?」


「ちゃんとあなたのサインもあるわよ」


「うわ汚ねぇ字……俺だ……」


勇者は紙を見つめる。


「……俺、これ書いた?」


女主人は、にっこりと笑った。


「ええ」


「ほんまに?」


「ええ」


「じゃあ、行きましょうか」


「どこに?」


「あなたが毎回死んでるところ」


「言い方ぁ!!」


「てかなんで俺がお前と行かなあかんねん!!」


「仲間になったんだから、相性の確認よ」


「相性?」


「いろいろよ」


「怖い言い方すんな!!」


一歩下がる。


「てか昨日、もしかして何かやらかした?俺・・・」


女主人は、にっこりと笑う。


「さあ?」


「さあってなんやねん!!」


女主人が一歩、近づく。


その笑顔が、じり、と近づいてくる。


綺麗だとは思う。


……思うのだが。


「……行くわよね♪」


「行きます・・・」


――あの笑顔と圧に勝てる人類はいるのだろうか。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価いただけると嬉しいです。


よければブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ