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6:灰色の闖入者
静寂が破られたのは、数日後のことだった。廃墟の入り口を塞いでいたトタン板が、ガタガタと乱暴に揺らされたのだ。
「うわっ、すげえ! ここ、まだ生き残ってるじゃん!」
煤けた頬に、継ぎ接ぎだらけの服。やせ細っているが、その瞳だけは飢えた獣のようにギラギラと輝いている。彼は部屋の奥に鎮座するアイゼンを見つけ、歓声を上げた。
「うわ、デケえ……! こんなの、村に持ち帰れたら……いや、無理か」
少年は興奮して駆け寄ろうとし――アイゼンの足元に丸まっている「それ」に気づき、ぴたりと足を止めた。ボロボロの灰色の布にくるまった、白銀の髪の少女。彼女は虚ろな瞳で、ただじっと少年を見上げていた。
「……え、人? おい、大丈夫か? 生きてる……よな?」
少年は恐る恐る手を伸ばし、彼女の頬をつついた。温かい。少女は反応しない。ただ、その瞳の奥には、恐怖も敵意もなく、ただ「無」だけが広がっていた。




