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色彩搾取の灰色世界で、不器用な魔女は鉄の騎士に命を捧ぐ 〜クロマティック・ウィッチ〜  作者: w.t.
外伝4:『極彩色のキャンバス、再会の食卓』

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第2節:窓辺の二人

その夜、工房の作業台はご馳走で埋め尽くされました。



楽しい宴の最中、ふとヴィオラさんがグラスを置き、真面目な顔でマシロおねえちゃんを見つめました。



「ねえ、マシロ。……もう、ここに住みなよ」



工房の空気が止まりました。



「あんたの目は不自由だし、アイゼンだってメンテナンスが必要だ。リアも学校へ行く。……これ以上、荒野を彷徨う理由はないだろう?」



ヴィオラさんの言葉は、正論でした。



ここには屋根がある。温かいご飯がある。

そして、大好きな家族がいる。



マシロおねえちゃんは、少しだけ視線を落とし、膝の上で手を握りしめました。



「……そう、ですね」



おねえちゃんは迷っているようでした。

温かいスープの湯気と、窓の外の冷たい風。

その間で揺れているように見えました。



「……少しだけ、考えさせてください。今日のシチュー、とっても温かくて……離れがたいです」



「ああ。ゆっくりお休み。ベッドはふかふかにしておいたからね」






その夜、私は目を覚ましました。



マシロおねえちゃんが、窓辺で月を見ていたからです。

その隣には、アイゼンが静かに佇んでいました。



「……アイゼン。あなたはどう思う?」



おねえちゃんが小声で話しかけています。

アイゼンは答えません。



でも、その赤い瞳は、窓の外――どこまでも続く荒野の方角を向いていました。



「……ふふ。そうだよね。やっぱり、私たちは……」



そこで言葉が途切れ、彼女は振り返りました。

ベッドの私と目が合います。



おねえちゃんは困ったように笑って、人差し指を口元に当てました。



「……おやすみ、リア。明日も晴れるといいね」

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