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色彩搾取の灰色世界で、不器用な魔女は鉄の騎士に命を捧ぐ 〜クロマティック・ウィッチ〜  作者: w.t.
外伝3:『廃材の魔女、塔の麓で』

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第2節:新しい設計図

工房に戻ると、通信機が点滅していた。

西の開拓村に行っているヴェールからの定期連絡だ。



『よぉ、ババア。生きてるか?』



「誰がババアだ。……で、どうなんだい、西の様子は」



『ああ。こっちは相変わらず無法地帯だが、最近面白い噂を聞いたぜ』



通信機の向こうで、ヴェールがニヤリと笑う気配がした。



『東の森で、「見えない色を操る魔女」と「虹色の巨人」、それに**「おしゃべりな妖精」**の一行が現れたらしい』



「……妖精?」



『チビのことだよ。あいつ、最近じゃ「黄金の語り部」なんて呼ばれてるらしいぜ』



私は思わず吹き出した。

あの泣き虫のリアが、語り部だって?



マシロの目が不自由だから、一生懸命に世界を説明しているうちに、表現力が磨かれたんだろう。

アイゼンは相変わらず、無口な荷物持ちをやっているに違いない。



「……そうか。元気でやっているなら、それでいい」



『ああ。……じゃあな、また連絡する』



通信が切れる。

私はモニターに向かって、小さく微笑んだ。






夕暮れ時。

作業を終えた連中が、広場で焚き火を囲んで宴会を始めている。

かつては灰色の顔をして、感情を失っていた彼らが、今は顔を赤くして笑い合っている。



私はデスクに向かい、新しい設計図を広げた。

塔の部品を使って、新しい「移動都市」を作る計画だ。

これがあれば、砂漠も海も越えていける。



「……忙しくなるねえ」



私はペンを走らせた。

魔女の仕事は終わった。

これからは、エンジニアの出番だ。



ふと、窓の外を見る。

塔の向こうに、大きな虹がかかっていた。

七色じゃない。夕焼けが混じって、もっと複雑で、美しいグラデーションを描いている。



「見ているかい、マシロ」



あんたが取り戻した世界は、今日も最高に綺麗だよ。



私はタバコの火を消し、モノクルをかけ直した。



さあ、仕事だ。

子供たちがいつ帰ってきてもいいように、最高の「実家」を作っておいてやらなきゃならないからね。

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