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色彩搾取の灰色世界で、不器用な魔女は鉄の騎士に命を捧ぐ 〜クロマティック・ウィッチ〜  作者: w.t.
27章:『色彩回帰(リ・ペイント)』

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第3節:氷の揺り籠、母の叫び

硝子の床に舞い降りた私を、彼女はただ、聖母の微笑みだけで受け止めたのです。



代わりに、無数のパイプが優しく伸びてきて、まるで赤子をあやすように私の体を空中で絡め取りました。

締め付けるのではありません。

包み込むような、病的なほどの柔らかさ。



「……ああ、イリス。可哀想に」



目の前のカルミナが、慈悲深い瞳で私を見つめ、涙を流していました。



「こんなにボロボロになって……痛かったでしょう?

辛かったでしょう?」



彼女の冷たい指先が、私の頬の泥を拭います。



「外の世界は地獄だったでしょう?

砂が喉を焼き、鉄が肌を裂き、愛する者が死んでいく……。

私は知っているわ。300年前、私がその目で見た地獄と同じだもの」



彼女の声が震えていました。

それは演技ではありませんでした。

彼女は本気で、外の世界を恐れ、私を哀れんでいるのです。



「だから私は、この(ゆりかご)を作ったの。

ここでは誰も死なない。誰も傷つかない。

永遠に美しいまま、幸せな夢だけを見ていられる……」



「ねえ、イリス。どうして分からないの?

ママはただ、あなたを守りたいだけなのに」



カルミナの背後で、純正炉がゴウン、と唸りを上げました。

それは世界を救うための装置ではなく、子供を外に出さないために玄関を塞ぐ、巨大な錠前のように見えました。



「さあ、その右腕の『毒(色)』を捨てなさい。私と一つになりましょう。

そうすれば、もう二度と、大切な人を失って泣かなくて済むのよ?」

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