第2節:論理と血脈の解錠
ズゴゴゴゴ……!
カルミナの言葉と共に、床から無数の**防衛砲台**がせり上がってきました。
彼女自身は動きません。
塔そのものが、彼女の手足となって私たちを排除しようとします。
「させるかよッ!」
ヴェールさんが叫び、短剣を投擲しました。
しかし、玉座の前に展開された**黄金の障壁**に弾かれ、火花と共に砕け散ります。
「チッ、物理無効かよ! 反則だろ!」
ビッ、ビッ、ビッ!
砲台から一斉に熱線が発射されました。
雨のようなレーザーの豪雨。逃げ場はありません。
ガギィン!!
しかし、その全てを虹色の壁が遮断しました。
アイゼンです。
彼は私の前に立ち、両腕を広げてエネルギーフィールドを展開しました。
巨躯が、小さな私を完全に覆い隠します。
ジュウウゥ……。
装甲が焼ける音がしますが、彼は一歩も引きません。
その背中が語っています。
『手出しはさせない』と。
「……硬いガードね。でも、鍵穴のない扉はないわ」
アイゼンの背後から、ヴィオラさんが進み出ました。
彼女は懐から、複雑な形状をしたデータスパイク――**論理鍵**を取り出し、床の接続ポートへ突き刺しました。
「姉さん。300年前の喧嘩、終わらせに来たわ」
バチバチバチッ!
スパイクから紫色の火花が走り、空間に無数のホログラムウィンドウが展開されます。
『警告:不正アクセス検知』
『管理者権限により排除――』
「させないわよ。あんたの思考回路は、私が書いたんだから!」
ヴィオラさんの指が高速で空を叩きます。
彼女のハッキングにより、砲台の動きが鈍り、黄金の障壁にノイズが走りました。
『……小賢しいわね、ヴィオラ。でも、論理だけでは届かないわ。最後の認証は「血」よ』
カルミナが嘲笑います。
障壁の奥にある核は、カルミナと同じ遺伝子配列を持つ者しか受け付けない「生体ロック」で守られていました。
「私がやる!」
飛び出したのは、リアでした。
「リア!?」
「マシロおねえちゃんは、燃料なんかじゃない! 私も、魔女の子供だもん!」
リアはヴィオラさんの横に立ち、小さな手を制御パネルに押し当てました。
『認証:生体ID確認――血族コード:黄金』
システム音声が響き、黄金の障壁に亀裂が入りました。




