表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色彩搾取の灰色世界で、不器用な魔女は鉄の騎士に命を捧ぐ 〜クロマティック・ウィッチ〜  作者: w.t.
26章:『黄金の悪夢、繰り返さない誓い』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

147/164

第3節:拒絶する虹

私は、まだ温かい自分の血を、冷え切った鉄の装甲に擦り付けようとしました。


この未来(シミュレーション)の中の私は、ここで諦め、彼の死を受け入れることになっています。


「世界のためなら仕方がない」と。


かつての、孤独だった私なら、そうしたかもしれません。


でも。


手を伸ばした瞬間、私の右腕の七色が激しく明滅しました。


赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。


その色が叫んでいました。


『違う』と。


「マシロおねえちゃん!」


幻聴でしょうか。リアの声が聞こえました。


「おい、いつまで寝てんだ! 置いてくぞ!」


ヴェールさんの悪態が、霧の向こうから響きました。


「……やれやれ。世話の焼ける娘だね」


ヴィオラさんの呆れた溜息が聞こえました。


――ああ、そうだ。


記憶の中の私は一人だったけれど、今の私には、彼らがいる。


私一人が犠牲になればいいなんて、そんな独りよがりな自己犠牲は、もういらない。


この計算式には、彼らが入っていない。


カルミナの演算は「論理」だけだ。


「愛」や「絆」なんていう、不確定なバグを計算に入れていない!


「……私は、選ばない」


拳を強く握りしめました。


[cite_start]右腕の七色が、太陽のように輝き始めます [cite: 1]。


それは、提示された運命を書き換えるための光。


『無駄よ。確率は九十九・九%――』


「うるさいッ!! 」


私は顔を上げ、美しい黄金色の空を睨みつけました。


「私は欲張りだから! 世界も、アイゼンも、みんな救う! 誰一人、欠けさせない!」


「あんたの計算なんて、私が全部ぶっ壊してやる!! 」


パリーン!! 


私が叫び、拳を空間に叩きつけた瞬間、完璧だった黄金の世界に亀裂が入りました。


空が割れ、大地が砕け、カルミナの作った「理想の結末」がガラス細工のように崩壊していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ