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色彩搾取の灰色世界で、不器用な魔女は鉄の騎士に命を捧ぐ 〜クロマティック・ウィッチ〜  作者: w.t.
18.5章:涙の海、愛の証明

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第2節:永遠の標本

「……美しい。これで『初期化』完了」



アズールは満足げに頷き、まるで名画を鑑賞するように、絶望するリアを見つめました。



「……残念。マシロ”お姉さん”。彼女は壊れた。器にヒビが入れば、修復不可能。……私が再構築して、塔へ連れ帰る」



「連れて帰る……?」



「カルミナ様が望むのは、泣く子供じゃない。静かで、従順な、聖女だけ」



アズールが手を掲げると、図書館の青い光がリアの周りに集まり始めました。



パキ、パキパキ……。



空気が凍る音がします。

リアの足元から、青い結晶が氷のように這い上がり、彼女の小さな体を包み込み始めました。



「このまま、夢に封印する。永遠に笑う、美しい標本(コレクション)。……これ以上の幸福、存在する? 」



「……ふざけないで」



私の右腕が、熱く脈打ちました。



標本? 献上? 幸福?

リアは物じゃない。



過去がどうだろうと、親がどうだろうと、彼女は今、ここで息をして、泣いて、生きている人間だ!



「ヴェールさん、援護をお願いします」



「……チッ、言われなくても! その胸糞悪いガラスをぶち破るぞ!」



ヴェールさんが短剣を全力で投げつけました。



カィン! 



しかし、見えない壁に弾かれます。時間の壁はあまりに硬い。

けれど、そこに生じたわずかな亀裂。



「……無駄。不変(ふへん)は哀しみ。過去は、絶対」



アズールが叫び、青い波動を放ちました。



私の体が重くなる。泥沼に沈むように、時間が引き伸ばされていく。

手足が鉛のように重い。思考が凍りつく。



それでも、私の心臓だけは、アイゼンへの想いとリアへの愛で、熱く燃えていました。



「過去なんて……どうでもいいッ!! 」



私は右腕の「赤(怒り)」を爆発させ、停滞の青を無理やり焼き切りました。



ガシャアァァァン!! 



私はガラスの壁を突き破り、結晶化が進むリアの元へと滑り込みました。

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