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光輝士セイグリッター  作者: なろうスパーク
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第30話「大空の勇者!スカイセイグリッター」

『グルルッ………!』



突如現れたセイグリッターを前に、空中で制止し、警戒する様子を見せるホルニッセ。


それを前に、デオンがホルニッセを解析し、結果をセイグリッターのモニターに表示する。



『あのインベイドベムは、恐らく以前戦った物の改良・強化型と思われます』



モニターには、今戦っているホルニッセと、以前戦ったアーマイゼとの比較分析結果が表示されている。


デオンの言う通り、ホルニッセはアーマイゼの強化・改良機。

ガイストパンドラーで得られた重力下における単独飛行機能が反映されているのだ。


だが、飛行機能の為に胸のビーム砲がガトリングランチャーになっている等、軽量化による弱体化もされている。



『空を飛べる以外は、基本大差は無いようです』

「そうか、なら!」



セイグリッターの両肩からショルダーカッターが展開し、構える。

過去にアーマイゼをこれで倒した事から、これで勝てると考えたのだ。



「こいつで真っ二つにしてやる!」



ショルダーカッターを構え、ホルニッセ目掛けて投げつけるセイグリッター。

ブーメランのようにショルダーカッターがホルニッセに飛来しようとした、その時。


ガキン!


突如、地中から伸びた触手が、それを弾き飛ばした。



「えっ?!」



弾かれたショルダーカッターは、そのまま明後日の方向へ飛んで行き、地面に突き刺さった。


シャルルが唖然としていると、触手が伸びている場所が、突如として盛り上がった。

土煙を立てて現れたもの。

それは。



『ギュゴオオオン!』



地中からその姿を現したのは、タオゼントフース。

地中から伸びていた触手は、タオゼントフースの長い腕だったのだ。



「二体目が潜んでいたのか………!」



セイグリッターの前に立ち塞がる、ホルニッセとタオゼントフースの二体のインベイドベム。


対するセイグリッターは一体だけな上に、半壊したウェンディムを守りながら戦わなくてはいけない。


一気に、不利な状況に立たされてしまった。



『ギュゴオオオン!』

『グオオオッ!』



禍々しい咆哮を響かせ、二体のインベイドベムが突撃する。



「………このおおおっ!」



対するセイグリッターも、二体のインベイドベム向けて突撃する。

たとえ不利だと解っていても、シャルルは引くわけにはいかないのだ。


自分の背後には、身動きの取れない妹・ソフィア。

ソレイオンに居るウラヌ以下従者達。

そして、春香が居るのだ。



「おりゃあああっ!」



まずは面倒な飛行タイプのホルニッセから仕留めようと、セイグリッターが脚と背中のスラスターを吹かせ、飛び上がる。


構えた拳を、ホルニッセ向けて叩き込もうとした。

だが。



「ぐあっ!」



瞬間、タオゼントフースのビーム砲が火を吹いた。

空中に飛び出した無防備なセイグリッター向けてビームが撃ち込まれ、セイグリッターは落下、地表に叩きつけられる。



「く、くそっ………」



よろよろと立ち上がるセイグリッターと、嘲笑うように、バイザーの奥に隠れた目を怪しく光らせるタオゼントフース。



「なら………!」



ならばと、シャルルは攻撃目標をタオゼントフースに向けようとした。

すると。



『グオオオッ!』



今度は、ホルニッセがセイグリッターの背後に向けて突撃。

立ち上がったばかりのセイグリッターに、サーベルの一撃を叩きつけた。



「うわあっ!」



立ち上がった所に攻撃を受けたセイグリッターは、そのまま再び倒れる。



『ギュゴオオッ!』

『グオオオッ!』



今だと言うように、タオゼントフースは倒れたセイグリッターに向け、ビーム砲を乱射。

ホルニッセも、胸のガトリング・ランチャーをセイグリッターに向けて撃ち込む。


ドワオオッ!


撃ち出される火線の雨は、地形すら変えるかのような勢いで、セイグリッターに向けて叩き込まれる。



「え、エネルギーシールド!」



咄嗟に、セイグリッターは両手からエネルギーシールドを展開する。

それと同時に、セイグリッターは二体のインベイドベムの一斉攻撃に包まれた。



「ぐううう………ッ!」



二体のインベイドベムの一斉攻撃に飲み込まれ、爆発の嵐に晒されるセイグリッター。


ホルニッセもタオゼントフースも、その手を一切緩める事なく、セイグリッターに攻撃を浴びせ続ける。


エネルギーシールドの耐久値も、どんどん下がっている。


かといって、ここから脱した所で逆転の方法はない。

ホルニッセを狙えばタオゼントフースが、タオゼントフースを狙えばホルニッセが、それぞれ攻撃を仕掛けてくる。


このまま、なぶり殺しにされるのを待つだけと思われた。



『シャルル様、今こそです』



その時、助け船を出すかのように、デオンが一言。



『今こそ、例の物を使う時です』

「例の物………セイグリッターの強化パーツの事?」

『左様です』



先日、デオンが完成させたと言うセイグリッターの強化パーツ。

それを使い、この状況を脱して逆転する。

それが、デオンの提案だった。



「………それを使えば、どうにかなるんだね?」

『はい』

「………なら!」



セイグリッターの瞳が、ギンと輝いた。


爆発の中、背中と脚のスラスターを吹かせる。

セイグリッターはその巨体を空に舞い上げ、二体のインベイドベムによる集中砲火から逃れた。



『ギュゴオオッ!』



すぐさまタオゼントフースが、ビーム砲の砲身を空中のセイグリッターに向けた。

だが。



「ショルダーカッターッ!」



タオゼントフース向け、もう片方のショルダーカッターが投げつけられる。

それはタオゼントフースの片方のビーム砲に、突き刺さるように突っ込んだ。



『ギュゴッ!?』



瞬間、ビーム砲に充填されていたエネルギーが、行き場を失くして暴発。

タオゼントフースのビーム砲を吹き飛ばした。


そして。



『ジャンボフェニックス、発進!』



デオンの叫びと同時に、セイグリッターの額より一筋の光が放たれた。


光は天に向かって飛び、セイグリッターを召喚する時と同じ魔方陣を浮かばせる。



『ギュガアッ?!』

『グルル………?!』



何だ?!と驚くように、魔方陣を見上げる二体のインベイドベム。



「あれは?!」

「何………?!」



ソレイオンに居る春香達や、ウェンディムのコックピットにいるソフィアも、天を見上げる。


皆が見守る中、空に浮かぶ魔方陣より現れた物。

それは………。



「………ジェット機?」



魔方陣から現れた物を見て、春香が最初に思ったのはそれだった。


白を基調としたボディに、丸い機首。

一対の長い主翼に二つずつ付いた、合計四つのジェットエンジンを模した光波推進システム。


その姿は、春香の知る「飛行機」。

俗に「ジャンボジェット」と呼ばれる物に酷似していた。


だが、違うのはその大きさ。

50m近くあるセイグリッターとほぼ同じ大きさ。

翼長に至っては90m近くある。



「あれが………」

『そう、あれがセイグリッターの強化パーツユニット………ジャンボフェニックスです』



巨大なジェット機、セイグリッターの強化ユニットたる巨翼「ジャンボフェニックス」が、悠々とその姿を現す。


そのジャンボフェニックスに向けて、デオンの手で操作されたセイグリッターが舞い上がる。



『グオオオッ!』



それを阻止せんと、サーベルを構えたホルニッセが飛翔する。

だが。



「バスターレイッ!」

『グオッ?!』



そのホルニッセを、地表からの光線が遮る。

ソフィアのウェンディムだ。



「お兄様の邪魔はさせない!」



戦えなくても、せめてサポートを。

と、ウェンディムの地表からのバスターレイ乱射が、ホルニッセの行く手を塞ぐ。



ウェンディムの援護を受け、空中で並ぶセイグリッターとジャンボフェニックス。


背中のレーヴァテインが分離し、本体から離れる。

続いてジャンボフェニックスの機首が二つに割れ、分離される。


別れた二つの機首が、セイグリッターの両肩に覆うように連結。

肩アーマーとなった。


機首の外れたジャンボフェニックスの尾翼部分が畳まれ、胴体が変形する。


そして、セイグリッターの背中に迫り、連結。

各部がロックされ、二つの機体が繋がった。

瞬間、ジャンボフェニックスの内蔵動力炉のエネルギーがセイグリッターに流れ混み、胸と頭部の色が白く変色する。


最後に、レーヴァテインの刀身が分離。

扇のような形に再合体し、ジャンボフェニックス部に突き刺さる。


そして、シャルルの見つめるセイグリッターのモニターに「SKY-SEIGLITTER」と表示され、合体が完了した。



「スカイ………セイグリッター………?」



表示された、セイグリッターの新たなる姿「スカイセイグリッター」の名をを読み上げるシャルル。



『ジャンボフェニックスとの合体により、火力とエネルギー値が上昇、空中戦も可能になりました』



デオンの言う通り、今スカイセイグリッターはジャンボフェニックスの翼の光波推進システムから発せられる光により、その機体を空に浮かせている。


これなら、自在に空を飛ぶホルニッセと同じ立ち位置で戦う事ができる。



『これなら、いけます!』

「なら!」



光波推進システムより緑色の光がジェットのゆうに噴出し、スカイセイグリッターが空を駆ける。


デルタクローズやその構成機のシャドーデルタ、連合軍で運用されている一部の戦闘機等のデータを拝借して作った、ジャンボフェニックスの光波推進システム。


流石にデルタクローズのような新鋭機と同等とまではいかないが、吹き出される光はスカイセイグリッターをその名の通り飛翔させる。



『グオオオッ!』



ホルニッセは胸のガトリング・ランチャーを使い、スカイセイグリッターに牽制を仕掛ける。



「エネルギーシールド!」



だが、スイスイと空を舞うスカイセイグリッターはそれを簡単に避け、着弾した弾丸はエネルギーシールドにより防がれる。


ジャンボフェニックスと合体した事により、スカイセイグリッターは通常時の二倍のエネルギーを得る事ができた。

エネルギーシールドも、強度出力両方二倍。

ガトリング・ランチャーでは、もはやどうにもならない。



『シャルル様、クラッカーミサイルです!』

「解った!」



ジャンボフェニックス部の背部のハッチが展開。

追尾機能を持った無数の小型ミサイル「クラッカーミサイル」が、撃ち出される。


対して、脚部よりデコイを射出しながらサーカスの曲芸のようにそれを交わし続けるホルニッセ。



『グオッ!?』



だが、ついに一発当たってしまう。

それが原因でバランスを崩し、後から来た無数のミサイルが、ホルニッセに命中し、爆発する。



『グオオオッ!?』



背部のバーニア・ユニットを破壊され、飛行手段を失ったホルニッセは、地表に向けて落下。

付近の山に叩きつけられた。



『ギュガアッ!』



残るは、片方のビーム砲を失ったタオゼントフース。

ビーム砲は無効化されると解っていたのか、長い腕を空に向けて伸ばし、スカイセイグリッターを捕らえようとする。


しかし、スカイセイグリッターはそれを紙一重で避けただけでなく、逆にそれを掴んだ。



『ギュゴッ!?』

「それぇっ!」



エネルギーだけでなくパワーも倍になったスカイセイグリッター。

ハンマー投げのようにタオゼントフースをブンブンと振り回し、地表に向けてぶん投げた。



『ギュゴオオッ!?』

『グギッ!』



真っ直ぐに投げつけられたタオゼントフースは、立ち上がろうとしていたホルニッセに激突。

轟音を立てて山肌に突っ込んだ。



『今ですシャルル様!プロミネンスバーストを!』

「解った!」



デオンの指示と同時に、スカイセイグリッターがその翼を構える。


翼の、ジェットエンジンの形をした光波推進システムは、推進システムの他にもう一つの機能がある。

その一つ一つが、高出力のビーム砲なのだ。


背中に格納されたレーヴァテイン。

それに使われる強大なエネルギーが、翼に集約される。

光波推進システムと一体化した四つのビームの砲身に、淡い黄緑の光が灯る。


そして。



「食らえ!プロミネンスバーストぉぉっ!!」



二体のインベイドベム向けて、黄緑の破壊光線が放たれる。

ホルニッセもタオゼントフースも避ける事は叶わず、その光の奔流の中に飲み込まれ、散ってゆく。


ズワォ!


大爆発と共に山肌がえぐれ、二体のインベイドベムの残骸が飛び散る。

空には、爆炎に照らされたスカイセイグリッターが、その勇姿を見せていた。





………………





戦いは終わった。

ソフィアは、ルデア星に帰る事になった。

シャルルを地球に置いたまま。



「私、未熟でした、お兄様に頼らなくても、国を建て直さなくてはなりませんのに」



結局、自分が甘えたいからシャルルを連れ帰ろうとしていた事を、ソフィアは恥じ、深く反省していた。



「お兄様は、ウィーズから地球を守る為に地球に留まるのですね」

「ああ、僕はウィーズと戦う、そして必ず勝ってみせる」

「………国の復興に目処が付いたら、私もすぐ手伝いに向かいます」

「期待してるよ」



互いの信念について交わし、アマデウスの兄妹は固く握手を交わした。

今のソフィアに、兄に甘えたがっていた時の面影はない。

気高い姫の姿が、そこにあった。



「………また会いましょう、お兄様」

「………また会おう、ソフィア」



ソレイオンが下部のバーニアを吹かせ、空に舞い上がる。

雲一つ無い大空に、ステルス機能を発動して消えてゆく姿は、まるで空に溶けてゆくようにも見えた。



「………必ず」



再会の約束を交わし、兄妹は再び別れた。

それぞれの胸に、信念を持って。

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