第11話 名前決めたから家名は適当でいいや
アクセスありがとうございます...
友達に塩対応されて落ち込んでおります
「ヒスイさん...ですか?家名はないんですか?」
ごふっ。
そこを聞いてきたか、ヴァルよ。
家名作るのめんどくさいから言わんかったけども...
でも実際いらんでしょ?
家名なんてなくても平気っしょ?
「いやね、ほら、色々あって家名がないのよ......分かって?」
もはや最後の分かって?なんて威圧でしか行ってないけど、いやマジでわかってくれたら嬉しいなー、なんて...
「そうなんですね。詳しくは聞かれたくない事情なんでしょうから聞きませんが、やはり家名はあった方がいいかと...」
むむ?
あった方がいい?
うーん、どうしようか...
めんどくさいし、適当でいいや。
「じゃあ、ヒスイ・ヴァーミリオンでいいかな?」
適当に好きなキャラの名前を採る。
うーん、案外悪くは無いのでは?
俺、天才。
「ヴァーミリオン...ですか。いい家名...ですね。じゃあとか言わなければ」
ごめんなさいね!じゃあとか付けちゃってね!
だって今考えたし?
そもそもこれキャラの名前だから考えるもくそもないけども、それでも今3秒で考えたし?
じゃあ、ってつけるに決まってんじゃん?
って、何くだらないことに見苦しい言い訳してんだか。
「い、いやまあほら、あれだよアレ、流れ的なあれよ」
「流れ的なあれ...?」
あ、だめだ。
ヴァルが混乱してる。
このまま話し続けてもめんどいだけだし、先に進もう。
「そ、そんなことはさておき、ヴァル、お...私は何をすればいい?」
やべ、俺と言いかけた。
危ねーぜ、俺の一人称。
もっとFPS鍛えとくべきだった。
TPSばっかやってた罪がここにのしかかってきたな。
だが、そんなことを悔やんでももう後の祭り。
ここから、昨日から始まったこの異世界生活で、俺は気分を転換しなければ。
「何をすればいいか...あ、じゃあとりあえず仕事の内容を覚えてもらいましょう」
「分かりました、店長」
一応ヴァルは俺の雇い主に当たるので、店長、と呼ぶことにする。
ま、普通にヴァルって呼んでもいいんだけども。
「て、店長だなんて...普通にヴァルでいいです、ヴァルで!」
ええ、ええ、存じ上げてますとも。
ヴァル君はからかいってものを知らないのかなー?
ま、からかいやすいのはありがたいんだけどね。
「冗談冗談。で、仕事内容って?」
一晩でタメ口まで持ってきた俺の素晴らしさはさておき、しっかりと話を進めていく。
「えっと、まず、ここの箱の山を外にある馬車に詰め込みます」
あー、昨日騒がしかったあれね。
おうけいおうけい。
ってしかし、朝から思ってたけど案外荷物少ないな。
行商人ってこんな少ない荷物だけでもやっていけんの?
「大丈夫ですよ。ここにあるのは荷物の1部だけです。期限の迫った食品とか、新品の洋服とかだけなので」
はは、と乾いた笑いをかましながらヴィルが教えてくれる。
って、普通に食品とかも売るんだ。へー。
「食品とかってやっぱり腐らないの?」
「そこは大丈夫です。保管保存用の魔術具を使ってるので」
お、忘れてたよ。
この世界には魔術があるんだったね。
「魔術具?」
「もしかして知らない感じですか?
えっと...、魔術具というのは...」
「教えてくれるの!?」
思わず、テーブルをバン、と叩いて前のめりになってしまった。
あ、ちなみに仕事の話をするってことになってから、「立ち話ではなんですから」とこうしてテーブルを挟み向かい合って椅子に座っている。
俺もずっと立っているのは辛かったので有難かった。
「え、ええ。まず、魔術具を構成する魔術についてですが......これは、要するに術式なんです。この術式にも色々あるにはありますが、とりあえずそれは後に回します。そして、この術式を発動させるのが、魔力とか、魔粒子、と呼ばれるエネルギーの元なんです」




