魅惑の悪魔
自分は暇なときにドット絵を描いているのですが、その時初めて描いたキャラは、金髪に白いシャツに黒いジャケット、下は生足のキャラクターを描いたんです、元ネタはブリジットです。ブリジットにすべてを破壊されましたから。んまぁここに挿絵を入れたかったのですが、みてみんに投稿しないとだめらしいので載せません
「なるほどな・・・」
生活寮のキッチン、ザッと書類に目を通した飛鳥は重たいため息をついた。被害総額、彼女の写真、逮捕した男の証言、男の証言は「アイツはかわいい」としか言わなかったが、パーカーのポケットに右手を突っ込んで、壁に寄りかかりながら見ている
「エルメス・・・謎の力を持つ女性で、『エンジェル』の幹部」
「はい」
ルティアは飛鳥の真似をして隣で壁に寄りかかって、青いラインが入っているズボンのポケットに手を入れている
「奴は武器以外すべて未知数なんだな?」
「そうなんですよ~、あと綺麗だったぐらいで」
「・・・それはあまり有益な情報じゃないな」
二人はその書類をリビングの机に置いて、ソファに座った、飛鳥はめんどくさそうに陣笠を深くかぶり、外を見ている、ルティアは真剣そうに書類を見ている、どうやら目に焼き付けているようだ
「これからパトロールの回数を増やそう」
「そうですね~、結局いつ来るのかとかわかんないですし・・・」
「ナナシさんとミオは?」
「訓練終わりに、女子会するって言ってました」
「・・・いつも通りか」
飛鳥はため息をついた、女子会はなぜか二時間は続く、邪魔すると冷めるだろうし、念のためスマホのメールに送っとこう・・・
・・・
「んん~、アイス美味しい~!」
「ナナシちゃんって本当によく食べるね」
「そうかなぁ~?」
ナナシは二人用の部屋でアイスを頬張っていた、女子同士の会話は自然と弾み盛り上がっている、アイス、カフェオレ、マカロン、様々なお菓子が盛りつけられたお皿がナナシの右に置いてある
「・・・ねぇ、ナナシちゃん」
「んん~?なんですか?」
「飛鳥さんの事好きなんでしょ?」
「ぶほっ!」
ナナシがストローで吸っていたカフェオレを盛大に吹き出しそうになる、普段は冷静で体術の使い手である彼女が、たった一言で体を制御できなくなった。なんとか抑え込んだ、耳まで赤く瞳孔が開いている
「けほ!けほ!」
「あ~やっぱり!」
「い、いきなり何の話して・・・」
「好きなんでしょ!ね?認めちゃいなよ」
「す、すきだけど・・・」
「ほらやっぱり」
ニヤニヤとミオはどこか楽しそうな視線をナナシに向けている、耳まで赤いナナシは、どうすればいいかわからずうなだれている
「好き、だよ・・・大好き」
「大好き!そんなに好きなんだ、ルティアよりも?」
「うん・・・ルティア君は、友達としては好きだけど、恋愛的には違うかな」
「飛鳥さんは恋愛的?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
沈黙が長すぎる、ナナシは金髪の一部を掴み、いじりながら視線を泳いでいる
ミオが身を乗り出してずいっとナナシに近づく
「ねえ、なんで好きになったの?」
「えと・・・」
「どこが好きなの?」
「・・・先輩は、僕を良く扱ってくれるし、クールだけど、結構気も良いし・・・それに・・・」
「それに?」
「ぼ、僕の・・・初めての、友達だから・・・」
「・・・へぇ~?」
ニヤリと笑ったミオは、いたずらっぽい顔を浮かべてナナシのほっぺを引っ張る
「にゃ、にゃにしゅるの~」
「ナナシは、叶わないって考えてるでしょ」
「うゅ――っ」
「ナナシが、本当は女の子じゃないから?」
「・・・」
「心が女の子だったら、良いんじゃない?体がどうだって」
「しょうかにゃぁ・・・てきゃしょろしょろほっへはなして~」
「はい」
ナナシの頬をもちもちしたりひっぱったりしたミオは、ぱっと手を離す
「んん、ほっぺたヒリヒリする」
「それで、何時になったら告白するの?」
「・・・告白は、良いかな・・・」
「えー!?なんで!?」
「なんていうか・・・僕って、実際は女の子じゃないじゃん?それに・・・怖いし」
「・・・ばか」
ナナシの青い帽子に手を置き、バッと奪い取る!
「あ、ちょっと~!」
「ナナシはね、怖がり過ぎなんだよ?」
「怖がってなんか・・・」
「ナナシってさ、恥ずかしいときとか、帽子深くかぶって逸らす癖があるんだよ」
「・・・」
「私はナナシの事、応援してるからね」
ミオはぽすっとナナシに帽子をかぶせ、立ち上がる
「ま、今回の話はここでおしまい!エルメスの件もあるしここで終わりにしよっか」
「そうだね・・・ねぇ、ミオちゃん」
「何?」
「・・・ありがとね」
・・・
全員散り散りでパトロールをすることになった、エルメスの件でパトロールのエリアが増えて四人は散会してパトロールをすることになり、それから一週間が経過した
「・・・なんか変」
いつも通り一人商業区を歩いていたルティアは異常に気付いた、おかしい、朝の時間帯と言えど人が居ない、人っ子一人もいないのだ、朝でも人はまばらに居るが、今は寂しく風が吹いている
「・・・なんかおかしい」
「何がおかしいの?」
「!!」
後ろに気配、すぐさ前方にジャンプして声の方向を見る、そこにはエルメスが居た、昨日と同じ服装だが、どこかおかしい
「やぁ、一週間ぶりだね」
「エルメス!」
「あはは、そう警戒しないでくれよ、少し君と・・・」
周囲の空気が、一瞬震えた
「遊びたいだけさ」
後ろから取り出したアタッシュケースが開き、内部の球状の機構が回転する、グイイイインと回転音が響き・・・
「『虚無砲』発射!!」
そこから放たれた球状の何かがルティアに向かって飛んでくる!体を捻ってなんとか避けるが、着弾地点から円形に大きくなり、周囲を黒く飲み込む
「わぉ・・・」
黒い球体に飲み込まれた地形は、連続で傷がつき最終的に飲み込まれてしまった、最終的に大きな穴が開いて消えてしまった
「ブラックホール・・・?」
「そんな感じだね」
「・・・」
まずい、今はスタンガンしか持っていない、得意のスナイパーライフルは支部の中だ、あんな大きい武器、パトロールで持ってくわけにもいかないし、奇襲を仕掛けようにも・・・相手は自信満々なようで隙が無い
「それにしても静かだねぇ」
「・・・」
「まさか・・・」
ルティアの頭の中には、最悪のシナリオが駆けめぐっていた。違う、絶対違う、はず・・・呼吸が少しずつ荒くなる、尻尾が少しずつ低くなり、警戒態勢をとる、さっきの『虚無砲』で住民が・・・
「あ、待って待って、君の考えてるようなことはしないよ、虫も殺さないのが私のモットーだから」
「え・・・?」
「ま、見てもらった方が速いね、えいっ!」
パチン、と指を鳴らすとそこから複数の人間が出て来た、学生に八百屋の店主、小学生までもが居る・・・しかし、目に光りがなく、まるで操り人形になっている
「さぁ、私の可愛い仲間たち、行ってらっしゃい!」
「はい、愛しのエルメス様!!」
ルティアの目の前に、一斉襲い掛かってきた!
「なっ!?」
人々が思いっきりパンチをしてくる!寸前でかわすが、次から次へとやってくる
「み、皆!いったい・・・正気に戻ってよ!」
しかし声は空虚に消えていくだけだった
「無駄だよ、皆私の虜になっちゃってるから」
「虜・・・?魅了魔法の類?」
「そう、私の魔法は「心奪」魔法の輪に触れた人の心を奪い取っちゃうの」
「・・・っ!」
攻撃できない、一般市民、ましてや大好きなこの街の皆を攻撃したくない・・・!いつの間にか囲まれてしまった、しかし
「包囲・・・でも、スカスカだよ!」
耳がピクリと動いたとたん、囲むように走ってくる人々の影を縫うように走りスタンガンをエルメスに向ける
「取った!」
「わぁ!?皆、守って!」
「わかっております!!」
「なっ!?」
エルメスの前に、複数の男性たちが現れ両手を広げた!このままではスタンガンが当たってしまう
「・・・っ!!」
男たちの目の前になんとか急停止するが、隙をさらしてしまった
「あなた達!もしこの子を最初に攻撃した人には頭なでなでさせてあげる」
「行くぞおおおおぉぉぉ!!」
「あぐ・・・っ!」
八百屋の店主に腹部を思いっきり殴られ、肺から空気がすべて抜かれる、体勢が悪かったのか鋭く内部にまで刺さるようなパンチを受け、痛みで動けないところを袋叩きにあってしまう。殴られ蹴られ、髪を掴まれてそのまま頭を殴られる、地面に倒れ、尻尾も動かなくなってしまった
「そこまで、それ以上痛めつけるのはダメだよ」
「はっ」
「おやおや、可哀そうな獣人さん、こんなに傷ついちゃって」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「あなたの顔結構可愛いし、どうせなら仲間にしよっかな」
「・・・許さない・・・」
「?」
「大切な皆を、そんな風に洗脳して・・・!許さない!」
「良いね、その反抗的な目、壊したくなる」
エルメスが近づき右手を上にあげると、指先から桃色の光が放たれルティアに向ける
「隙あり!!」
「いったあ!?」
突然、後ろからエルメスに向かってドロップキックする影が!エルメスの背中が弓なりに反れて思いっきり吹き飛ばされ、商店街の壁に激突する!ガラガラ!と音を立てて商品に激突する、それと同時に影も地面に落ちた、むくりと立ち上がりお尻をさすっている
「いたたた・・・お尻が・・・」
「エルメス様!!」
「な、なんなのいきなり・・・」
「ナナシ・・・さん・・・」
「ふぅ・・・待たせたね、ルティア君」
カッコイイ(自分的にはカッコイイと思っている)ポーズを決めたナナシは、高らかに宣言する
「みんな大好き!ナナシちゃんの登場です!」
「・・・よかったぁ・・・助かった・・・」
「へぇ・・・可愛らしい女の子だね、でも残念、私の魔法は女の子にも効果があるんだよ!」
エルメスが両手を合わせ、そこから桃色の波動がナナシを包み込む!!
「うわぁっ!?」
「ナナシさん!!」
「あなた、なかなか強いから私の側近にしようかな」
しかし、攻撃を喰らったナナシはきょとんとそこに立っていた
「あれ?」
「・・・ふっふっふ、残念でしたね・・・」
「どういうこと!?「心奪」が効かないのは魔物だけのはず・・・」
「実は僕・・・」
ナナシがびしっと親指で自身を指さした
「性別がないですから!」
「・・・は?」
「・・・・・・・どゆこと?」
二人はただ困惑するだけだった
「(あー・・・ルティア君にも言っちゃった・・・)」
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