どちらでもない女の子
たまによくあるナローファンタジーあるあるに、銃器がある世界なのに剣とか鎧とかで武装する矛盾を考えた結果、自分の作品では『銃器が使えない天才たちを集めた少数精鋭』という設定にしました
よく見たらいつの間にかナナシの事を呼び捨てにするルティア君、直さないと
重い沈黙が響く、ナナシは右手の親指を自分に向けたままのポーズで固まっている、よく見ると冷汗がだらだらしている
「どういうこと?性別がないって」
「あ・・・えーっと・・・」
「ナナシさん?」
地面に倒れたまま顔を上げたルティアも、蹴とばされて怒ったエルメスも、ナナシの言葉に困惑していた
「つまりですね・・・僕には性器がないんです!」
「むぐっ!?」
「おい、いきなり下ネタはやめたまえ」
「だって事実ですしー、効かないでしょ?」
「・・・つまり、君には性別がないから、私の魅了魔法も効かないってこと?」
「そう言う事です!」
「・・・何言ってるのナナシさん?」
「とりあえずルティア君は休んでて!僕が倒すから!」
「ふん・・・やっちゃって!私の仲間たち!」
「「「了解!」」」
複数の人物がナナシに向かって殴りかかる!
「よっと!」
ナナシは身体強化で高くジャンプし、足を後ろに向けて足場魔法を展開、それを踏んで思いっきり蹴る!素早くエルメスに向かい、蹴りの体勢を取る
「そう来ると思ったよ!守って!」
「わかっております!」
ずいっと目の前に筋肉ムキムキの宅配業者が目の前に立ち、思いっきり胸を張った!ドカッ!!
「おごふ・・・っ!?」
「わわわ!ごめんなさい!」
ムキムキの宅配業者でも、流石に蹴りは耐えられなかったらしい、腹部を抑えて蹲ってしまった
「あ、あとで治しますね!」
「まさか、一番強そうな人が耐えられないなんて」
「えーっと・・・とりあえず、成敗です!」
「やってみなよ!」
「ナナシ!後ろ!!」
ナナシを後ろ側から掴みかかろうとした男を、ナナシが屈んで避ける!
「えいっ!」
ナナシは屈んだ体制のまま、掴みかかろうとした男の足を払い転ばせた
「おやおや、でも次はどうかな?」
パチン、と指を鳴らすと、遠くから大量の人達が並びだす、八百屋の店主、学生、工事現場の人、学生、その中には・・・
「っ、エマちゃんまで・・・」
「おや、知り合いかい?」
「・・・」
「ま・・・答える気はないか」
大男たちに運ばれながら地面に足を置いたエルメスはゆっくりとナナシに近づく、パンパンと手を叩くと、エマがエルメスの前に出た
「さぁ、この子の前でも戦えるかな?」
「・・・仕方ない」
身体強化の魔法で高速に動き、ルティアをおんぶして真反対に走り出す!
「ナナシ!」
「戦略的撤退!先輩やミオちゃんに連絡して!」
「う、うん!」
おんぶされて少し恥ずかしいがそれどころではない、ルティアはすぐさまインカムに手を添える
「飛鳥先輩!エルメスに遭遇しました!」
「・・・悪い、こっちはミオと一緒に魔物と戦闘している」
「魔物!?」
「そうだよ」
「え?」
後ろから複数の足音・・・四人のムキムキ宅配業者に担がれてこっちに近づいてくる!
「さぁ宅配ブラザーズ!終わったらおやつあーんさせてあげる!」
「「「「うおおおおぉぉぉぉ!!!」」」」
「うわぁ!?なんであんなに速いの!?」
ムキムキの宅配業者たちはおやつあーんの欲望を欲し、筋肉が一気に張りあがる、それは身体強化を超えるほどのスピードになり、不思議と息もあっている、そのせいでじりじりと距離が詰められていく
「ナナシ!前見て走って!こうなったら・・・」
「何する気!?」
走るのを止めずに走り続けるナナシ、振り向けないゆえに顔は見えなかったが、ルティアの声には覚悟が決まっていた
「スタンガンを起動させて投げる、当たらなくても少しは足止めになるはず」
「・・・わかった、おねがい」
「えいっ!」
バチバチと電撃が走るスタンガンを思いっきり投げ、二人目にぶつかる!
「アバババババ!!!」
「おわっ!?」
一人がコケ、そのまま雪崩のように全員が倒れてしまった
「ナイス!」
「支部に行くよ!僕のライフルがそこにある!あと他の同僚にも伝えよう!」
二人は、左を曲がって第三支部に入っていった
・・・
「不気味な魔物だな」
「ですね~・・・」
目の前には、中心部に時計の針、顔にガトリング砲、剣のような翼が広がる、全身が白くところどころ青いラインの入った独創的でどこか不気味な姿をした鷲のような魔物が鎮座していた、ビル街のど真ん中、飛鳥はミオを守るように一歩前に出ている
「おや、貴方様方がエルメス様の言っていた標的ですか」
「・・・思ったより紳士ですね」
「油断するな」
「私の名前は「ガリン」ギル様から名を授けられ、エルメス様の眷属として生きている物です」
「ミオ、ガトリング砲に気を付けろ」
「わかりました、防御魔法陣を展開します」
「おや、私の主砲では防御魔法陣は貫通できますぞ」
「え?」
「来るぞ!」
ガトリング部分が回転し、一気に弾丸の雨が降り注ぐ!
ズガガガガガガガガ!!!!
「きゃ!?」
「くっ!」
ミオの前に立った飛鳥は刀を抜き、身体強化を受けた体でガトリングの弾丸をすべて弾き飛ばす!身体強化で極限まで研ぎ澄まされた神経と目が、全ての弾丸を捉えた!ガキンガキンと弾丸を弾き、地面に、壁に、ビルの窓に着弾する、射撃制度が悪いのか、あまりこっちに弾丸が来なかったおかげで捌ききれた
「おや・・・」
「大丈夫か、ミオ」
「は、はい・・・」
ミオは視線を遮る桃色の髪をどかし、飛鳥の前に立つ、杖を起動すると螺旋型の機構が現れ、赤い炎を纏う
「火円!」
螺旋型の機構から赤いオーラが放たれ、杖の先端を地につけゆっくちと炎の円を描きはじめる
「ふむ・・・」
「はっ!」
身体強化で高くジャンプした飛鳥は、頭部のガトリング部分を叩き斬る!流石に斬ることはできなかったが注意を引くことはできた
「おやおや、そこは斬れませんよ」
「隙あり!」
飛鳥が素早く頭部を蹴って距離を取ると、火の円の中心部が一瞬青く光り、赤い炎が噴き出す!それに包まれたガリンはただ燃えるしかない
「・・・その程度でしょうか?」
軽く翼を広げると、火が一気に消えてしまう、まるで何事もなかったように
「非常に残念です、ミオ様は魔力には最強と聞いたのですが」
「えぇ・・・なんか私、噛ませ犬みたいになってる」
「少し離れろ、俺が斬る」
「いや・・・私がやります」
「何?」
「噛ませ犬になりたくないし、飛鳥さんの負担を減らしたい」
一歩前に出た飛鳥だったが、少し驚いた表情で振り返る
「おやおや」
「・・・わかった」
一歩後ろに歩いた飛鳥は、刀に手をかけたまま待機した
「さぁ・・・第二ラウンドだよ!」
桃色の髪が靡き、螺旋型の機構が青白く光った
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