影縫逃走劇
自分は、いわゆる記号的なキャラが嫌いです、生きてないキャラは本当に嫌いで、それだけで作品全体が嫌いになりがちでした。でもこうやって小説を書いていくうち、記号的じゃないキャラを作るのは難しいと感じます。やっぱり創作って難しいね!それが楽しいんだけど
商店街、たくさんの店が並ぶ街並みに、その中でも人気のカフェ「No.777」の内部、カウンター席で一人紅茶を飲んでいる女性が居た、黒いセミロングに灰色のニットに、青いラインが入ったストレートデニムパンツ、凛とした女性が居た、体格はしなやかで落ち着いた雰囲気だがどこか恐ろしい雰囲気を持っている
「う~ん、マスター、この紅茶美味しいね」
「おや、褒めてくれてありがとうございます、こちらとして嬉しい限りです」
「でもちょっとお砂糖が欲しいかな、追加していい?」
「追加料金ですがよろしいでしょうか?」
「あぁ、全然」
角砂糖を小さいトングで掴み、ぽちゃんと紅茶の中に入れる、一個、二個、三個――
「お、お客様?そこまで量が多いと糖尿病のリスクがありますよ?」
「大丈夫だ、私はもっと多く入れたことがあるがなったことがない」
「・・・糖尿病は生活習慣病です」
「あぁ、そうだっけ?まぁいいや」
「それに、角砂糖は一個につき追加料金ですが・・・」
「私は金持ちだ」
驚愕するマスターを横目に、さらに追加していく
「今日は少ないけど14個でいいかな」
「・・・」
「うん、美味だ・・・ごちそうさま、料金は?」
こく、と紅茶を飲み干して立ち上がる女性、その体格はよくみるとなかなかに発達の良い体だった、周囲の人々が釘付けにされている、その様子をみてふふんと自信満々に歩き出し、レジの前に並んだ
「さ、三千五百円・・・です」
「・・・あ、お金ないや」
「・・・」
「仕方ない・・・一般人に使う気はなかったが・・・よっ」
会計を済ませているアルバイターに指先を向ける、指先からピンク色の波動が放たれ、アルバイターの目が一瞬光った
「・・・またのご利用、お待ちしております」
「あぁ、じゃあね」
その女性は、颯爽と立ち去って行った
・・・
「なんでさっきより荷物多くなってるの・・・」
「そんなこと言ったってね~?さっき女の子と楽しそうに話してたの誰かな~?」
「別にいいでしょそれぐらい・・・!」
ルティアはさっき女子高生と最新のトレンドについて話していたら、何を思ったのかミオが大量の買い物を終えていた、そしれそれをすべて持てと命令されてしまった
「み、ミオ・・・なんで、こんな意地悪・・・」
「ルティアが悪いんだよ?」
「なんでなの!」
死ぬ気で何とか荷物をすべて車の中に乗せる、汗だくで、膝に手を着きながら肩が上がるほどの呼吸、疲れで尻尾が元気なく揺れている、その時ポケットから眼鏡らしきものが落ちた、ミオはそれを拾い、無理やりルティアのポケットにねじ込んだ
「・・・すこしやりすぎちゃった」
「二回目!!」
「だって、嫉――」
最期の言葉を言い終わる前に、ミオの目に黒い影が通り過ぎた、それもものすごいスピードで、風が舞いしばらく髪の毛が揺れるほどだった
「今の・・・」
「どうしたの・・・?」
身体強化だ、あの素早さは身体強化の可能性が高い
「身体強化の疑いがある人を見つけた」
「え!?」
「ルティア、今は魔法の使用を許可する。アイツを追いかけるよ」
「わかった!」
二人は車に乗り込み、ミオが運転することになった、ルティアは容疑者の捕獲
「こちらミオ、身体強化の使用をしている人物を発見、追いかけます」
「こちら第三支部連絡係、油断させるためにサイレンは切っとけ」
「了解」
車を法定速度ぎりぎりで影を縫うように車を走らせる、目の前を走る車を紙一重でかわし続けている、一方人ごみを素早く走り抜ける姿は風の様で、誰にも気づかないほどだ、ルティアはポケットから眼鏡らしきものを取り出し、レンズを覗き込んだ
「魔力の痕跡、歩道をものすごいスピードで走り抜けてる・・・身体強化ってここまで速かったっけ・・・この魔力検知ゴーグル、最新機なのに結構ギリギリ、演算が追いついてない」
「範疇を超えている、魔力の出力を上げたのか、才能があるのか」
「そんな奴が犯罪なんて・・・」
車で一直線に走る、空中に飛ぶ余裕はない、浮遊を開始するのに三秒かかるから、そうなったら一瞬で逃してしまう
「今はまだ一直線のお陰で追いかけられるけど・・・」
「カーブするとき減速するから見失っちゃう」
ルティアが息切れを整えながらゴーグルで魔力反応を追いかける、この商業区は歩きの人が多く、車がほとんど宙を浮いているのが救いだ、先ほどより地面を走る車はほとんどなくなって、直進で走れる
「こんな時にナナシと飛鳥先輩が居たらなぁ」
「そんなこと言ってないで、早く方法を」
「・・・一時的に最高速度にさせて、車を犯人の前に止める、そうすると動きを止めるはずだから、その間に―――」
ゴーグルを外して、懐からスタンガンを取り出した
「これを使う」
「出力は低くしてよ、ショック死しない程度にね」
「わかってるよ・・・はぁ、ミオも僕も、銃が使えたらなぁ」
「そんな話はあと、それにルティアはライフル使えるでしょ」
「ピストルとか使えないよ」
呑気に話してるがチャンスが来た、ここから先はT字路、商業区も抜けて住宅地に入った、人も少ない、行ける!
「Gかかるよ!」
「オッケー!」
ギギギギギギ!!音を立てて速度を殺さずカーブする!身体強化で走る犯人の前に車が歩道を突っ切って出てくる!
「!?」
犯人は避ける暇がないと判断したのか、その場で止まった
「隙あり!」
車のドアをこじ開け飛び出たルティアが、犯人の足を絡めて動けなくし、スタンガンを当てる!
「アババババ!!」
悲鳴を上げて犯人はその場に倒れた、どうやら男性だったらしい、体格も服装も男性だ、その後素早く手錠をかける、カチャリと音を立てて両腕を拘束した
「ナイス、ルティア」
「ふぅ・・・」
「お見事、流石対能というべきか」
「・・・誰?」
パン、パンと拍手をしながら出て来た女性、黒いセミロングに灰色のニット、ストレートデニムパンツ、そして発育の良いセクシーな体の女性が、自信満々に現れた
「綺麗な人だなぁ」
「・・・」
「痛い」
隣に居るルティアを、ジト目で頬を引っ張る、先ほどのカーチェイスをした人達とは思えないほどのんきだ
「何言ってるのルティア、あなたは?」
「初めまして、私はエルメス、まぁ・・・『エンジェル』の幹部の一人といえばわかるかな?」
「!!」
ミオは素早く杖を取り出し、螺旋型の機構を展開させる、ルティアはスタンガンを構え、いつでも攻撃できる体制にした
「まあまあ、今回は戦わないよ、ちょっとした顔だしさ」
「なんでそんなことするの?コイツとの関係性は?」
「そもそも、どうしてここに居るの・・・あんなに移動したのに」
「あぁ、たまたま待機場所寸前で捕まったみたいだからね、出てきたら目と鼻の先に居たのさ」
ちらっとミオが倒れた男に視線を向けた
「あぁ、ソイツは私の武器を持ってきてたんだ、この前スリにあってね、武器が盗まれてしまったんだよ」
「・・・幹部がそんな管理体制がばがばでいいの?」
「・・・そこは言わない約束で」
男性がうつぶせに倒れてたせいで気づかなかったが、何やらアタッシュケースを持っている、それを取り出したエルメスと呼ばれる女性は、ふっと微笑む、その様子はどこか魅力的だ
「これこれ、私の武器だ」
「アタッシュケース・・・その中に?」
「違うよ、”これ”そのものが武器なんだ」
「・・・どういうこと?」
「こういうことだよ、「風域圧縮砲」ていっ!」
アタッシュケースが展開され、内部の球状のエネルギーが放たれる!爆風がその場を覆いつくし、目も開けられないほど
「っ!い、居ない・・・」
「・・・逃げられた、飛鳥さんに連絡するよ」
「もうすでに連絡してるよ!」
謎の女性、エルメス・・・彼女が何者か、なぜこんな風に現れたのか、どんな能力か、それを知るのは、そう遠くない
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