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死して八年、デスナイトとして蘇る。――この食い荒らされた世を切り裂き、狂った因果に復讐を  作者: Tiny Abomination in a Jar


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おはようとさようなら

その日の会談は、深夜にまで及んだ。

両族の間には友好と互助の誓約が結ばれた。だが、歴史が忘れ去られることはない。今日という日は、平和という名の果実がいかに血塗られ、いかに得難いものであったかを示す証として、後世に永劫語り継がれることだろう。


ミンの提案により、両族はある一つの合意に達した。かつて凌汛りょうしゅんが牙を剥き、決壊の危機に瀕した滄江そうこうの要所に、巨大なダムを築くことだ。

ミンがその基本思想と物理的原理をドワーフとゴブリンの工匠たちに示し、わずか二日の後、緻密極まる設計図が産声を上げた。


ドワーフとオークの工匠たちは、かつての交界地に立つあの墓碑の前に集った。

時は既に八月。荒涼たるゴゴビの礫原に、熱を帯びた風砂が吹き荒れる。

風雪に晒されてなお、磨き上げられた石碑に刻まれた名は、鮮明に残っていた。両族の友誼の種は、間違いなくこの場所で芽吹いたのだ。


秋が去り、冬が訪れ、そして再び巡り来る春の兆し。

凍てついていた湖面は解け、水はかつての土嚢どのうを静かに飲み込んでいく。砂丘のうねりがそのまま水底へと沈み込み、浅瀬では砂の黄色と水の鉄色が混じり合っていた。水膜は執拗に砂の斜面を這い上がり、乾いた大地を粘り気のある湿地へと変えていく。陽光を浴びたその波打つ水面は、まるで砕けた黄金を撒いたかのように、眩い光を放っていた。


俺とシルヴィア、そしてエフェは岸辺に立っていた。

数日前、俺はシルヴィアに尋ねたことがある。「クレアはどこへ行ったんだ?」と。

彼女の話では、クレアのもとに一通の手紙が届き、それを見るなり急ぎ足で聖都へと帰っていったという。……流石に、外の世界に長く居すぎたのかもしれない。


ふと振り返れば、視界を埋め尽くす黒い影。

無数の渡り鳥たちが、滄江の河口から飛び立ち、落日の余暉よきの中を遷徙せんきしていく。

その群れは、時に巨鯨が身を翻すように、時に大鵬が翅を広げるように、千変万化の姿を描き出していた。


なぜだろうか。前世で読み耽ったあの書物の一節が、不意に脳裏をよぎった。


北冥ほくめいに魚有り、其の名をこんと為す。鯤の大きさ、其の幾千里なるを知らず。化して鳥と為れば、其の名をほうと為す。鵬の背、其の幾千里なるを知らず。ふるいて飛べば、其の翼は垂天すいてんの雲のごとし。」


書に記されたことは、すべて真実まことであった。空を自在に、そして奔放に舞うその情景を見上げれば、それはもはや飛翔などではない。天空そのものが、彼らによって統治されているのだ。


一滴の水はいかに矮小であろうとも、集いて河海となれば、決して無視し得ぬ力となる。

かつて誰かが言った——猛獣は常に独り行き、牛羊は群れをなすと。だが、独り行く力も勇気も持たぬのなら、群れをなすこともまた、一つの「在り方」ではないか。それは、己の弱さを認め、受け入れた末に見出した知恵だ。団結すること。それこそが、外敵に抗うための力を生む。


天空を絶え間なく流転する絵巻。太陽の光さえも遮る、羽ばたきの陣列。それは連なりて黒い海原となり、雲間の底でうねり、逆巻く。これこそが、大自然そのものが提示した、最も原始的で、最も狂野な、畏怖すべき「答え」であった。


唐突ないななきが、その静寂を切り裂いた。

見れば、ケイソンが連れていた赭礫シャリ凍霜トウソウが、俺とシルヴィアの方へ歩み寄ってくるところだった。

だが、二騎が頭を上げてエフェの姿を認めた瞬間、彼らは狂ったように手綱を振り切り、こちらへ向かって猛然と駆けてきた。

俺は反射的にシルヴィアを横抱きにして身を構えた。


馬たちはエフェの前でぴたりと足を止めた。……ああ。いかなる巧妙な変装を施そうとも、大地の霊長たる彼らの前では、かくも無力で、無様に暴かれてしまうものか。

二騎は頭を垂れ、前脚を折り、深く跪く。そして、絞り出すような悲鳴を上げた。それは、かつて自分たちを慈しみ育てた「主」を、狂おしいほどに慕う情愛の響きであった。


エフェは静かに手を伸ばし、その鼻筋に触れた。俺も一歩前へ出、そのたてがみを優しく撫でる。


「……クド、なのか?」


ケイソンの声は震え、嗚咽を堪えきれずにいた。

エフェは視線を逸らさぬまま、乾いた声で応じた。


「……何を馬鹿なことを。クドは、もう死んだよ」

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