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死して八年、デスナイトとして蘇る。――この食い荒らされた世を切り裂き、狂った因果に復讐を  作者: Tiny Abomination in a Jar


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鎖の起源、あるいは血の螺旋

どこの薄情な輩が言い出したことか、この混沌と無秩序なる世界には「秩序」が必要なのだと。


人は生まれながらにして罪深き存在である。そうでなければ、月がこの惑星へと墜落してくるはずもない。そうして、オークにおける階級制度が産声を上げた。部族を起点として繁殖し、衝突を繰り返す歴史。




想像してみろ。貴公が一つの部族の長だ。部族間で衝突が起き、貴公が敗れた。敗者として、貴公ならどうする?


割譲する土地などない。金銭など存在しない。かといって、全員が死んで贖うことも不可能だ。ならば――「人間」を差し出せ。


こうして家奴、奴隷、農奴が産まれた。女は「損害」だ。政略結婚の道具、神を悦ばせるための供物、そして古き神々を繁殖させるための苗床。




奴らの法典にはこう規定されている。――「下等なる者の命は、一本の草縄に等しい」。


法典だと? 笑わせるな。何が法典だ。草縄。それは、貴公が誰かの「資産」だという意味だ。言葉を解する畜生に過ぎぬ。人間とは資産の「所有者」を指す言葉であり、貴公自身が資産である以上、貴公が資産を持つことなどあり得ない。


一年間、死に物狂いで働いた苦力たちが、所得の七割を旦那様たちに上納する。


「旦那様、三割では家族が飢えて死んでしまいます」と貴公は泣きつくだろう。




「案ずるな、私は主人だ。資産を無駄に餓死させはしない。法に基づき、『貸付』をしてやろう」


だが、もとより蓄えなどない身で、どうやって借金を返せというのだ?


「心配いらん、とうの昔に良案を考えてある。――『子孫債』だ。わかるか?」


貴公だけではない。貴公の家族、一族郎党、末代に至るまで……貴公らは永遠に我らの一族が所有する「資産」であり、飼い慣らされた「犬」なのだ。




あるいは、本当に神が実在するのかもしれない。その慈悲深き「寵愛」のおかげで、この小倅共は、あまりにも豊穣なるガル・マラカの地で、絶滅もせずに生を授かることができたのだから。


ドゥームハンマーが千の部族を統御し、オーク氏族が正式に成立するその日まで。だがその影で、「堕肢教だしきょう」、親血教、親狼教、密宗といった狂信は常に存在し続けてきた。


彼らの辞書に、「労働して糧を得る」という概念はない。


「糧食は神がもたらすものだ。労働? 主人のために汗を流すのは、私が背負った罪業なのだ。今世で罪を償えば、来世では自分も旦那様になれる」




以上が、僕が語るオークの起源だ。この地の役人を斬り捨て、廟宇を血で洗った後、貧民たちの口から聞き出した事実だ。


その際、僕たちは言葉を発せぬ多くの童男童女を見つけた。生まれつきのおしではない。ある長老は言った。一部は天罰だが、一部は……母親が家族の食い扶持を得るために、自ら我が子の声を奪ったのだと。


彼らの瞳には、光の一片も宿っていなかった。


隣でケドが、怒りに肩を激しく上下させている。僕は彼を叩き、冷静になるよう促した。羅刹将軍は依然として、冷漠な面持ちのままだ。


外に出た後、僕は吐き捨てるように言った。


「……こんな国、芯まで腐りきっている」




「我が同胞を侮辱することは許さん!」




「侮辱? 我ら? 羅刹将軍、僕はただ貴公らがしてきたことを並べただけだ。どこに侮辱がある。それに『我ら』だと? その言葉の中に、下層区で這いずり回る貧民たちは含まれているのか? 彼らは生まれつき下賤なのか? 道具として扱われるのが当然なのか? 答えろ、将軍! 貴公が守っているのは、一体何なのだ!」




「貴様にはわからん! 我らオークは千年の繁栄を遂げてきた! 貴様が見ているのは一面に過ぎん! 高貴なる権貴けんきの誰一人が、血の海を潜り抜けずにその地位に就いたと思うか! 誰一人が、千の首級を腰にぶら下げずに生きてきたと思うか! 弱者は弱者らしく生き、強者のみが底辺から這い上がる! それがいにしえからの理だ!」




「……じゃあ、あいつが体が不自由で、あいつも弱ければ、それはあいつ自身が悪いってのか! 『古からの理』なら、それが正しいってのか!」


僕は彼の襟首を掴み上げた。だが、彼の潰れた片目と、不自由な右腕が視界に入った瞬間、言葉が詰まった。




一体、誰が間違っているというのだ。

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