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その七十七
翌日は十時になるのを待って家を出た。アンダーソンさんもシャミーの自転車で同行してくれた。
「ここですよ」
到着である。アンダーソンさんにまず看板をみてもらう。
「アブノーマルな服を着て踊り狂う所……」
「ね」
「すごいわね……」
このテナントは、外からは中の様子がまったくみえないようになっている。それでも二階の小さい格子窓のところが網戸になっていた。そんなわけで、グリーンスネークにそこから侵入してもらうことにする。
「グリーンスネーク・カモン」
こういったのちにリコーダーを吹くと、グリーンスネークは壺から出てきた。
「プリーズ交渉」
グリーンスネークは壁をするするあがっていくと格子窓の間から網戸を開けて室内に入っていく。
「えらい子ね、グリーンスネーク」
「そうですね」
しばらくアンダーソンさんと忍者キャプターの話をしていると、やがて一階の出入り口からシュゾンちゃんとグリーンスネークが出てきた。最後にすこし遅れて出てきた方は店長だという。
「スローダウン」
グリーンスネークは壺にもどった。
「あの、シュゾンさんの保護者の方ですか?」
「ええ、まあ……」
ぼくは店長の問いに後頭部をさすりながらこたえる。
「シュゾンさん、ずいぶんアブノーマルな服を買ってくれましてね」
請求書をみると、衣類、飲食等すべて合わせて十万円弱であった。
「やっぱり勘が当たったな」
ぼくはポケットから財布を取り出して店長にその額を手渡す。
「ありがとうございます。いまお釣りと領収書もってきますね」
シュゾンちゃんは白のナース服を着ていた(アブノーマルなナース服なので細かい描写は控えさせていただく)。そのほかにも色やアブノーマルの度合いがちがうナース服を五、六着買ったという。
「すいません。『蔵そだち』飲みすぎて、気が大きくなっちゃってたみたいで……」
「ということは、おれが『蔵そだち』あげたんだから、やはりたしょう責任あるわけだ」
「お金は働いてお返しします」
「いまなにかやってるんですか?」
「いえ、これから探します」
仕事やお金のことはともかく、無事だったのだから、まあ責任は果たしただろう。ぼくはお母さんにメールを送った。
「お母さん、仕事中かな」
「あっ、そうかもしれないです」
三人でたくさんの衣類を抱えて、シュゾンちゃん邸に行く。やはりシュゾンママは不在だった。
「とりあえず、ゆっくり休みな」
「ご迷惑おかけして、すみません」
アンダーソンさんは帰りがてらにピカチューくんのところへ行って、報酬の残りを渡してくるという。
「ぼくは先に帰ってますよ。あいつに怒ってる感じを出しておきたいから」
「わかりました」
「お昼、ウチで食べるでしょ」
「ええ」
「なにがいいですか」
「そうですねぇ――じゃあ、三色丼」




