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美術館の中にて

2

ひなたの瞳の奥が一瞬だけ銀色に輝き、それに反応したかの様にフェアリーリングが光を放ち、元の大きさのフェアリーリングに戻った。

フェアリーリングはコンパクトサイズのつむじ風を起こし、つむじ風は警備員を取り込んで、美術館の奥へと飛ばした。

飛ばされた警備員達は、鳥の羽根みたいにふわりふわりと床に落ちていった。


ひなたが心配になって少しだけ近づき、床に横たわった警備員達の様子を伺うと、警備員達はぐうぐうといびきをかいて、気持ち良さそうに眠ってしまっている。

ひなたは唖然とした。


なんとかなったけど。でも、これさ…警備員さん達を楽々で倒したよ。それにしても、警備員さん達を怪我させなくて良かった。もし怪我させたら間違いなく、犯罪者のレベルアップだからね。


ひなたはフェアリーリングをまじまじと見つめた。

段々と顔がにやにやしてきた。


この能力が使える私って、すごいじゃん!


急に自信が漲って、やる気が出てきた。

ひなたは警備員が眠っている間に、てきぱきとアイテムの選別を済ませ、この美術館にはアイテムがなかった事を確認した。

それから、まだ警備員が眠っているかをそっと確認した後、美術館に入ってきたルートで美術館の外へ出て、自宅へと帰っていった。

自分の部屋に戻った時には、時計が23時になろうとしていた。

「疲れた」

パジャマに着替えると、ベッドに倒れ込みそのまま眠ってしまった。


ーその頃、美術館ではー


眠らされた警備員達が目を覚ました。

「あれ、どうしてここで眠っていたんだ?」

1人の警備員がもう1人の警備員に尋ねた。

「わからない、全く記憶がない」

「防犯カメラを見て、確認してみよう」

警備員達は警備員室へ戻り、防犯カメラをの映像を確かめた。

映像には、人の形をした黄色い光が映り込んでいるだけで、ひなたの顔や服装は全くわからなかった。

やがて、人の形をした黄色い光が警備員達を吹き飛ばして、警備員達を床に寝転がらせていた。

「やべぇ、お化けだろ」

「ポッ、ポルターガイストか!? 」

警備員達の顔は青ざめた。

「だけど、全く記憶がない…」

「だから、そりゃお化けのせいだろうな」

1人の警備員がうんうんとうなづいた。

「俺の知り合いの警備員やってたやつも美術館で…会っちゃったらしいよ~」

お化けの手の真似をした。

「うわぁっ!!まじか」

「これさ、お化けの報告とか館長に伝えるか?」

「ばかにされるだろうな。報告しても意味ないだろ」

警備員達は2人で納得した様にうなづいて、また普段と変わらず働き始め、ひなたと対峙した場所だけ、2人で体を寄せ合いビクビクとしながら巡回してまわった。


翌日、こんな結果で、美術館に不法侵入があった事などニュースとして世に出ることはなかった。


ひなたがそれを知るのは、もう少し先の話です。


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

今夜は2話続きとなりました。

次回更新は明後日の夜までを予定しています。

よろしくお願いします。

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