ある日クローゼットのなかフェアリーリングに出会った
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「えっと、お父さん。フェアリーリングに別の人へお願いしますって、お断りできないのかな?」
蓬介はひなたらしいと思い微笑んだ。
「そうできたら一番良いんだろうなぁ」
そっと、ひなたの頭に手を置いて撫でた。
「だけどね、フェアリーリングが一度選んでしまったら、お断りする方法がないんだよ。以前にね、ひなたのおじいちゃんが言っていたよね。昔々に作られたものには強い力が宿っているんだよってね」
確かに、私が小さい時に亡くなったおじいちゃんがよく言っていた。昔々のものには人々が願いを込めて作られていて、大事に使っていれば幸運を呼び、雑に使っていれば不幸を呼ぶんだって。
それだからって、私のこれからの人生をフェアリーリングにいいようにされても困る!
勝手に選ばないで欲しいよ。
目の前の机の上に置かれたフェアリーリングはさっきと変わらず青白く光り、ブゥーンと音を鳴らしている。
「はー…。結局断れないんだよね。わかったよ」
ひなたは覚悟を決めこんで腕を組み、ちょっと眉を寄せて、フェアリーリングを見つめた。
「お父さん、これってどうやって止めるのかな?」
「そうだね、お父さんも選ばれた時のフェアリーリングの反応は、父さんから教えてもらっていたけど、他にはわからないんだ」
「そっかあ、じゃあ色々と試してみる」
ひなたはそう言うと同時に、フェアリーリングを両手で持ち上げた。
まずは、ひなたの頭の上にのせてみた。
……変化なし。
「違うか」
フェアリーリングを手でこすってみた。
……変化なし。
「物語が違うからね」
フェアリーリングに文字が浮かびあがってないか、ひっくり返したりしてよーく見てみた。
文字は浮びあがっておらず。
……変化なし。
「まぁ、これも物語が違うからね」
「フェアリーリングさん、私が桂木ひなたです。よろしくお願いします」
フェアリーリングに自己紹介してお辞儀してみた。
……変化なし。
その後も色々と試してみるが、ちっとも変化はない。
ひなたは段々イライラしてきて、しまいにはフェアリーリングを床に投げ捨てそうになった。が、すぐに
蓬介にまぁまぁと止められた。
「お父さん!このフェアリーリング、私の事を選ぶ気ないのかも。さっき試したの1つくらいは反応してくれたっていいのにー!」
「ひなた、フェアリーリングにも選ぶルールが決まっているんだよ」
苛立つひなたをなだめた。
蓬介が窓の方に目をやると、窓の外の東の空に、薄赤く色づいた満月が出てきていた。
急に頭の中にヒントが浮かびあがってきて、もしかしたら--と考えた。
「ひなた」
「お父さん、何?」
「フェアリーは月の光の下で動き回るんだ」
「うん」
「外にでて、月の光に当ててみようか」
それがうまくいくとは思えないが、ひなたはうなずいて、試してみることにした。
フェアリーリングを手に持ち、蓬介の書斎から庭の方へ出る扉へ行き、扉を開けて庭へと出た。
ひなたがふいに、フェアリーリングを左手に通した。
そして、腕の方に引っかけるようにして持っていき、月の光をよく当てようと庭の中央へ進もうとした時だった。
フェアリーリングが眩しく光を放った。
「また、光った…っ」
月の光を浴びたフェアリーリングはぐんぐん縮んでいき、ひなたの手首の辺りでブレスレットのように小さくまとまるように縮んでしまった。
「小さくなった!」
ひなたの手首におさまったフェアリーリングは、光らなくなり静かになった。
こんなガチガチの金属でできたのが、変形するとかあり得ない!これ、かなりやばい代物だよね。
どうしよう、このまま私の手についたままになるのかな?
私、どうなっちゃうのかな?
ひなたが不安げな顔をして、じっとフェアリーリングを見ていると、蓬介が近づいてきた。
「ひなた大丈夫?」
「うん」
「フェアリーリングがひなたの事を使い人(使いにん)として認めたんだろうね」
「多分ね」
全然、フェアリーリングに認められなくていいのに!ーー
「ひなた、使い人になった時の為に、おじいちゃんがひなたへの伝言を残しているんだ」
「おじいちゃんが?」
おじいちゃんの伝言って何?ーー
こんばんは、今日も読んでくださりありがとうございます。
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