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勝つのはどっちだ!?

5

ホームパーティー後に、蓬介は書斎に3人を集めた。

「では、集めた情報を報告してくれるかな」

「はい」

藤森兄弟が2人で同時に返事した直後、ひなたが申し訳なさそうに手を挙げた。

「あの…ごめんなさい。私は、あの子を追うので手一杯で…。それにドレスのことで、お母さんに謝っている間にホームパーティーが終わってしまって、全く情報収集ができなかったです」

蓬介も藤森兄弟も怒ることはなく、仕方ないといった様子だ。

「ひなちゃん、気にすることはないよ。フェアリーリングが守れただけで、結果オーライだよ」

「ありがとう、愛蘭くん」

蓬介は、ひなたの頭にそっと手を置いて、優しくポンポンと触れた。

「ひなたに怪我は、なかったからね」

「うん、ありがとう。お父さん」

蹴斗はひなたの方を向いて、穏やかな表情で笑みを浮かべて頷いた。


ありがとう、藤森くん


「一番先に、俺が報告しまーす」

両手を挙げて、愛蘭がアピールした。

「愛蘭くん、待って」

ひなたは急いで、紙と鉛筆を持ってきて、書き留める準備をした。

「ごめん、忘れないように、紙に書いて残したい」

「オッケー、ひなちゃんが書くペースをみながら話すね」

蹴斗は抜け目なく、ボイスレコーダーで録音する。

2人に配慮しながら、愛蘭が話し始めた。

「俺が有益な情報として、つかんだのは2つです。まず1つ目は、伊豆のどこかの別荘の中に、古い骨董品があるという噂。2つ目は、もうすぐ花南町にやって来る美術館のイベント。これが中々の骨董品揃いだと聞きました」

「…。」

蓬介は知っている様子で頷いている。

「僕は、最後にしようかな。次は蹴斗くんになるけどいいかな?」

「いいです。では、報告します」

蹴斗はメモ帳をめくりながら話し始めた。

「まずは先程、愛蘭が報告してくれた花南町美術館のイベント。かなりレアアイテムが混ざり込んでくるのでは言われていました。次に、最近になって花南町のお化け古屋敷に人が住み始めた。それがかなり能力のあるトレジャーらしいと」

「お化け古屋敷に!?」

愛蘭が驚いている。

「あんな化け物が、うじゃうじゃ住んでいそうな雰囲気でさ、たとえ、お宝があると言われても、さすがの俺でも行かないよ」


ーお化け古屋敷は、100年近く経過した古い洋館である。所有者もなく、手付かずのまま。見た目は、完璧なお化け屋敷だ。更には、窓越しに廊下を白いものがうろうろと動いていたり、黒い男が立っていて、こっちを向いてニヤリと笑うと姿が消えるのを、近所の住人が幾度も目撃している。不気味に思う住人からの訴えで、役所から、洋館の取り壊しを依頼された解体業者が、洋館に入ろうとドアを開けると、洋館の中から強風が吹いてきて飛ばされたり、解体作業の為に、重機を置こうとすると、重機が何らかの見えない力で、逆さまにひっくり返される。この様な事象が続くので、誰も近寄らず放置されているー


ひなたは想像するだけで怖くなって、泣きそうな顔で、蓬介の後ろにくっついた。

「お化け…やだ」

「ひなたは、お化けが苦手だったね」

「うん」

蓬介の背中に顔を埋めている。

「桂木はそこで聞いていいからさ、嫌だろうけど話を続けていい?」

「はい、どうぞ」

顔を埋めたまま返答した。

「多分…、勘ですが。そのトレジャーは今日、現れたソードの所持者のあの子と、関わりがあるのではないかと思うんです」

「そうか、蹴斗くんはなかなか察しが良いね。でも、何故そう思ったのかな?」

蹴斗を試すように、蓬介が言った。

「あの子は、俺達が選んだ時間にやってきた。ということは、愛蘭や俺みたいに警備員の動きなど把握した上で侵入している。そして、かなり詳しく調べてあり、前回のアイテムの場所まで、たどり着いていた。そんな能力のある者が、普通の家に住めるのでしょうか?俺だったら、誰も近寄らない場所に、ひっそりと住みます」

蓬介は納得した様子だ。

「憶測だけどね。それでも、蹴斗くんの見当は可能性が高い。住みだしたのは最近。僕もパーティー中に聞いた話は、それで持ちきりだった。自分達にライバルが現れたと、ざわついていたよ。そして…今回の花南町の美術館でアイテムが見つかるかも知れないね」

蓬介の背中から、ひなたがひょっこりと顔を出した。

「そこに、ブレスレットがあるかな?」

蓬介と藤森兄弟が笑顔で頷いている。

「多分だけどね。ありよりのありだよ!桂木」

「やっほう!」

ひなたは蓬介の後ろから出てくると上機嫌で、ぴょんぴょんと跳ねている。

「そっかー!よし、いつイベントが始まるか調べなきゃ」

「うん。桂木、疲れているだろうけど、今から、一緒に調べようか」

両手を挙げて、ひなたと愛蘭が賛成している。

それから3人は蓬介の書斎を借りて、美術館のイベントが始まる時期や内容について詳しく調べた。


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

次回更新は明日の夜で予定しております。

どうぞ、よろしくお願いします。


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