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勝つのはどっちだ!?

ホームパーティー当日になった。桂木家の招待に応えて、なかなかの人数の古美術商が集まった。


この人達の中にトレジャーハンターさんもいるんだよね。


蓬介に教えてもらった人物から情報収集をして、アイテムの手掛かりを得るつもりだ。ひなたを連れて、蓬介は挨拶に廻った。

「こんにちは、小山さん。今日はおいでくださいましてありがとうございます」

「お久しぶりです」

蓬介の後にひなたも挨拶をする。

「ひなたちゃん、大きくなったね。ますます可愛くなられて」


きたきた、この手のお世辞が苦手なんだよね。


「もう、可愛いだなんて、とんでもございませんから」

恥ずかしげな様子でもじもじする。

「いやいや、蓬介くんのご家族は皆、美男美女で羨ましいですよ」

「あはは、美男美女だなんて」

蓬介も照れながら応えた。

こんな調子のやり取りをしてから、本題の情報収集に取りかかる。


質問内容はさりげなく、最近はどこの国に行ったのか、珍しい古物を手に入れた話など聞いていった。

ひなたはいつもと違って、丁寧な言葉を使わなくてはならなかったので、途中で歯が数センチは浮いてる気分になった。


疲れた。少し休もう。


人が集まっている場所から、少し離れた椅子に座った。

オレンジジュースを飲みながら休憩していると、人が集まっている中に藤森兄弟を見つけた。

藤森兄弟の父も隣に居て、蓬介が教えた人物と会話をしている。


頑張ってるなぁ、藤森くん達。


ぼんやりとその様子を眺めていると、鋭い視線を感じた。

藤森兄弟の父が、ひなたをじっと見ている。表情は固く、少し不機嫌な様子で睨んででいるようにも見える。


すっごい、藤森くんのお父さんが私を見てくるんだけど。顔が恐いし。何だか知らないけど怒っている感じもするし、すごく感じ悪いよ。前に藤森くんがお父さんのことを、あまり良くは言ってなかったよね。まあ…今日は招待客だからニコニコしとこう。


ひなたは遠くから、ニコニコと会釈した。

藤森兄弟の父は、ハッと気づいた様子で会釈を返した。


うんうん、不機嫌さんだけど、それでよしとしよう。


ひなたが椅子に座り直すと、誰かがそっと優しく肩を叩いてきた。

「ひなちゃん、来ちゃったわ」

「れ、練ちゃん!」

大門家に招待状を送っていたことをすっかり忘れていた。

「今日は素敵なドレスね。可愛いひなちゃんが堪らないほど、更に引き立ってるわ」

異様なほど、練がはしゃいでいる。

そういう練も、お姫さまの様なパーティードレスを纏っていた。

「そうなの、今回はお母さんが張り切って高めのドレスを新調したからね。今日は大人しくしていないと、うっかり、破れたり汚したりしたら怒られるよ」

「だから、今日は落ち着いた感じなのね」

「うん、でも疲れたよ」

「わかる、わかる。肩凝っちゃうわよね」

練と話していると気が休まる。

「今日はお父さんと一緒に来たの?」

「ええ、そうなの。ひなちゃんの所から招待されたって、お父様が張り切っていたのよ」

「練ちゃんのお父さん、うちのお父さんが勧める骨董品とかを見るのが大好きだもんね」

「うふふ、そうなの。大門家はみんな、ひなちゃん家のファンよ。今度ね、うちでもホームパーティーをするから、ひなちゃん達をご招待しようって言っていたわ」

「おお…」

ひなたの脳裏に、豪華で美味しそうな料理やデザートの情景が浮かび上がった。

「必ず行くね!」

「うん、楽しみね」


「何を話してるの?」

後ろに振り向くと、蹴斗が立っている。

「出た、藤森くん!」

ひなたが驚いたリアクションをしている。

「人のこと、お化けみたいに言わないでよ。……それにしても、桂木、今日はすごく可愛いよ」

蹴斗が顔を赤らめながら言った。

「ドレスが?」

「ううん、桂木が」

「えっ!」


急に、何言っちゃってくれるの。可愛いとか言わないでよ。


ひなたの顔も赤くなった。

「き、急に変なこと、言わないでよ」

「変なことじゃないよ。…本当に可愛いよ」

「…」

ひなたと蹴斗が顔を赤らめて黙ってしまった。

「コラコラ~!そこの2人!」

愛蘭が駆けつけ来て、蹴斗の首に抱きついた。

「蹴斗、俺のいない所で、勝手に良い雰囲気にならないでくれる?ひなちゃんは俺のものでもあるんだからね」


いや、ちょっとまて。勝手にあんた達のものになってますけど。


「あんた達…」

ひなたがうつむき、震えている。

「早く、帰れ~!!」

ひなたが怒りを爆発させ、藤森兄弟を追いかけ回す。

「も~せっかく、ひなちゃんが良い雰囲気だったのに、愛蘭くんたら」

練が苦笑いして、残念そうにしている。

その騒ぎで、ひなたが藤森兄弟を追いかけ回しているのが蓬介に見つかり、お説教を受けた。


「ひなた。しばらくは、あそこで頭を冷やしてきなさい」

「はぁい…」


やってしまった…


ガーデンから少し離れた場所に休憩場所として、テーブルと椅子が置いてあり、そこにいることになった。


今日は頑張って、情報収集しなければならないのに、お父さん、ごめんなさい。


ひなたがガックリと項垂れて座っている。


しばらくして、蹴斗が隣の椅子に座ってきた。

「桂木、さっきはごめん」

「いいよ。私が悪いし」

「ううん、きっかけは俺らだから…その代わりに情報収集は頑張ったよ」

「ありがとう。何か手掛かりあった?」

「うん、いくつか気になるのがね」

「助かるよ、後で聞いていい?」

「うん」

情報収集したことを、後で4人で集まって報告をする予定だ。

今度は愛蘭がやって来た。

「はー、さっぱり手応えなかった」

ひなたの向かいの椅子に愛蘭が座った。

「そっか、でも、愛蘭くんも頑張ってくれてありがとう」

「いいんだよ、それも可愛いひなちゃんの為ならば!」

かっこつけたポーズをしてみせた。

「何それ」

ひなたと蹴斗が笑った。


ーーーふと、ひなたの中で胸騒ぎがした。

……ひなた、助けて!!……


フェアリーリングが私を呼んでいる!


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

更新が予定より遅くなりました。

次回の更新は明日の夜を予定しております。

どうぞ、よろしくお願いします。

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