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勝つのはどっちだ!?

ホームパーティーは、次の週末となっていた。

今回は招待客が多いので、当日の料理や飲み物、食器類の選択をしたり、邸宅のガーデンに設置したテーブルに装飾を施し、招待客をいかに楽しませようかと、さやかは準備に追われていた。

ひなたが学校から帰宅すると、ハウスメイドとさやかがテーブルクロスと食器を選んでいた。


お父さんが、今回は招待客を30人余り呼んだよって言ってた。人数が多いから、お母さん忙しそう。


「お母さん、私もお手伝いする」

「ひなた、ありがとう。助かるわ」

ひなたの気遣いが、ありがたい。

「じゃあ…こちらの食器とこちらの食器ね、どちらがいいかしら?」

洋風な青磁の皿と、上品な白磁の皿。

どちらもセンスが良く、客受けのよい皿だ。


さすが、お母さん。どちらにしよう。


「えーっと…ねぇ、うーん…」

手伝うと言ったものの、選択に迷ってしまう。

……。白磁がおすすめよ……

「あっ、そうかな?」



さやかはハウスメイドと話しているので、空耳だったのだろうか。

でも、確かに誰かの声が聞こえた。

ひなたが首を傾げているとーー。

……あっ、聞こえた?……

「うわぁっ!!」

「ひなた!?どうしたの」

ひなたが突然、慌てふためいた様子に、さやかが驚き心配している。


やばい。私の頭がおかしくなったと心配されちゃう。


ひなたは、手で何かを払いのける動作をした。

「ほらっ、虫が飛んでるの」

「えっ?虫?」

「うん、目の前を飛んでて…あれ?どこかに行ったかな」

「ふふっ、虫は苦手よね」

「そうだよ~、あー、びっくりした」

どうにか、ごまかせたようだ。

「あっ、私ね。こっちがいい」

白磁の皿を手に取った。

「助かったわ。ありがとう。ひなた」

「うん。じゃあ、部屋へ戻って宿題するね」

「わかったわ、これが終わったら、お茶にしましょう」

「はーい!」

バタバタと騒がしく廊下を走り去っていった。

「本当に元気なんだから…さっ!続きをしましょ」

さやかはハウスメイドとテーブルクロスの色を選び始めた。


部屋に戻ると、ひなたは机の引き出しの中から、フェアリーリングを取り出した。

「あなた、さっき喋りましたよね?」

問い詰めるように、フェアリーリングに話しかけたが、何も反応しない。

「惚けても無駄だよ。ちゃんと。私には聞こえたんだからね」

……うふふっ……

「わぁっ!」

急に笑いだすので、ひなたが驚いて転んだ。

……やっと、あなたと話せますね……

「うん、いきなりでびっくりしたけどね」

……先日のアイテムの効果で私の声があなたに聞こえやすくなったのよ……

「だからか」


練ちゃんと話しているときに、ダメだよって指摘した声に似てると思った。以前から話しかけてきていたのか。


……そうよ……


うっ、心も読めるのか!


……ふふっ、面白い子ね……

「博物館で呼んでいた声もそうなの?」

……あれは、アイテムだけどね……

「ややこしいなぁ」

とにかく、フェアリーリングと意思疎通がとれるようになると何かと便利だ。

「あの、不躾ですけど」

……何かしら……

「どうして私が、フェアリーリングの使い人に選ばれたの?」

……あら、知らないの?……

「うん。私が唯一、知っているのは、赤ちゃんの時に、お父さんが持ち帰ったフェアリーリングに、私が触れて反応したこと。確か、我らの守護者だと言ってたって」

……ええ、そうね。あなたは私達が選んだ守護者よ……

「勝手に選ばれたんだよね」

……勝手にではないわ。あなたが知らないだけで、産まれて間もなく、私達に選ばれるように何かの契約を、あなたはされているわ……

「けいや…く?」


お父さんは赤ちゃんの頃に契約したなんて言ってなかった。それとは別で、私は何かされたの?


……それは、いつか自分で知るわ……

「いつか…」

……守護者として、フェアリーリングの使い人になるには、あなたが超えるべき試練だから……

「もう、かなり、試練が辛いですけどね」

……でも…私達はあの人達より、あなたがいいわ……

「あの人達…」


この間、博物館で会ったあの子かな。


「私よりは、あの子の方ができそうだよ」

……違うわ。きっとあなたなら……

「私なら?」

フェアリーリングから聞こえる声が、戸惑っているように感じる。

……必ずや私達を守って、幸せに導いてくれる……

「幸せ?」


私が何から、あなたを守るの?


「うーん、わかんない」

ひなたは頭がいっぱいになり、寝転がった。

……今はわからなくていいの、困ったときは、私も手助けします。それと、もう一つ新しい能力を授けておきますから。頼みます……


新しい能力か…ありがとう。私ができる限りは頑張る。やるだけやってみるよ!


……ありがとう。ひなた……


コンコン!

誰かがドアをノックした。

「ひなた、お茶にしましょうか」

「あっ、うん」

ひなたは飛び起きて、フェアリーリングを机の引き出しに隠した。


新しい能力、後で使い方を教えてもらわなきゃ。


さやかを待たせないように、急いで着替えて一緒に、一階へ降りていった。


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

次回更新はできるだけ、明日の夜を予定しております。

どうぞ、よろしくお願いします。

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