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仲間と共に

蓬介に呼ばれ書斎に入ると、蓬介は書斎の椅子に座り、ひなたの手紙を読んでいた。

いつもの穏やかな表情が、今は固まっている。

「ひなた…手紙は読ませてもらったよ」


先に、お父さんに謝っておこう。


「お父さん、ごめんなさい」

「ひなた?」

「お父さん、怒ってないの?」

蓬介が困惑したような表情になっている。

「うーん…お父さんも正解がわからないんだ。だから、ひなたを怒ることはできないよ」

椅子から立ち上がると、ひなたの前に立ち、目線の高さに合わせるように跪いた。


「いいかい、ひなた。フェアリーリングが人に知られることで、それを知った人達が、ひなたのことを好機の目で見てきて、無理矢理、多くの人の目の前に晒されるかもしれない。あとは、これを狙う輩が、ひなたに危害を加えてくることもあるかもしれない。僕は、ひなたをそんな目に合わせたくない、だから心配なんだ」

ひなたは蓬介の目をしっかりと見据えて、深く頷く。

「うん、すごくわかっているよ。お父さんが私のことを大事にしてくれて、とっても心配してくれてること…」


だけど!


「藤森くん達を簡単に信用するのは、間違っているかも知れない…でも、藤森くん達だって同じで、人に知られないように、秘密を抱えて、自分達だけで頑張ってる。フェアリーリングの力を使った後も、恐れて逃げたりしなかった。今日は、フェアリーリングのことを話したんだよ。話を聞いてから、黙り込んでしまって…。多分、危険だと思ったんだよ。それでも、私に一緒に頑張ろうって言ってくれたの」

「うん」

「私ね…本当は、1人で頑張ることが怖かったの。だけど、藤森くんが…ずっと、優しく声を掛けてくれた。1人で頑張らなくていいんだって思うと安心できた。勝手に仲間にしてしまって…弱気な情けない娘でごめんなさい」

ひなたの目から涙が溢れてきた。

「ひなたはよくやっているよ。弱くもないし、情けないなんてないよ」

蓬介はひなたの頭を優しく撫でた。


こんなに辛い思いをしながらでも、アイテム探しを止めさせることはできない、自分の方が申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

これから先に起こるであろう…そのことにひなたが立ち向かっていけるように、自分で乗り越えさせる力を養うためには必要なことだ。

蓬介の父も亡くなる直前まで、このことを気に掛けていた程だ。


ふと、父の言葉が蘇る。

「蓬介よ。ひなたは私の孫、そして、お前の子だ。何が起ころうが、どんな状況が来ようが、なんとかできるはずだ。自分の子を信じて、どっしりと構えて見守りなさい」

そうだーー。親の僕が信じて見守らないと、他に誰ができる?

ひなたを信じてみようーー。


「ひなたが選んだことだ。ひなたが藤森くん達を信じるなら、お父さんも信じるよ」

「お父さん…!」

嬉しくて、蓬介に抱きついた。

「うーん、ひなたは成長しているんだね。わかっているけど、藤森くんにちょっと嫉妬してしまうな」

「お父さん!?藤森くんとはそんなんじゃないからねー!」

ひなたがドスンドスンと地団駄を踏む。

「ははっ、そうなんだ」

「絶対、ぜーったい!!そんなんじゃないからねっ!あの、女子に浮ついたとことか…イラッとさせるのよー!」

全力で否定している姿が面白く見えた。

多分、気になっていると思われるが、ひなたに恋愛はまだまだ程問いと察した。


「あっ、そうだ!今度、うちのホームパーティーがあるね。藤森さんにも招待状を出すつもりでいたから、藤森くん達にも来てもらったら?」

「おとーさぁん!さっき、私が言ったこと。わかってる?」

蓬介はニコニコと笑っている。

「さて、冗談はここまでにして…今度は金曜日かな?」

「うん」

「ひなた、何か必要なものがあれば用意するよ」

「いるもの?」


うーん、何だろう。あったかな?


「今は…ないかな。また、何かが必要になったら、お父さんにお願いしていい?」

「わかった」

書斎に2人だけ籠もっていたので、蓬介は、さやかが1人で拗ねていないか気になり、食後の紅茶を飲んでいる、さやかの所へ向かった。

ひなたは部屋に戻り、今度お邪魔する博物館の侵入経路を、愛蘭からもらった資料で予習した。


そしてーー。

金曜日がやってきた。


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

次回更新は明日の夜にできたらいたします。

どうぞ、よろしくお願いします。

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