表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/26

第十五話 辺境伯様は、私の名前を奪わない

王太子ユリウスがヴァイスベルグ城を去ったあと、広間にはしばらく誰も声を出さなかった。


 外では馬蹄の音が遠ざかっていく。

 王都から来た騎士たちの列は、北方の雪道を引き返していた。王太子の旗は風に揺れ、やがて城門の向こうへ消えていった。


 エリスは、広間の中央に立ったまま、指先の震えを抑えていた。


 怖かったわけではない。


 そう言い切ることはできない。

 ユリウスは王太子だ。彼の怒り一つで、王都ではいくらでも人が動く。

 王宮騎士も、財務院も、神殿も、貴族たちも。


 だが、今の震えは恐怖だけではなかった。


 言えた。


 ずっと言えなかったことを、ようやく言えた。


 許されるためにいるのではない。

 命令で動く立場ではない。

 自分のことは、自分で決める。


 王宮の大広間で、言葉を奪われたまま婚約破棄を突きつけられた夜。

 父に見捨てられ、反逆者として追放された朝。

 あの時のエリスなら、きっと言えなかった。


 今も強くなったわけではない。


 けれど、黙ったままではいられなくなった。


「補佐官殿」


 カレンが静かに声をかけた。


「座れますか」


「はい」


「座れる人は、自分で座ってください。倒れてから運ぶのは面倒です」


「……分かりました」


 エリスは広間の端にある椅子に腰を下ろした。


 膝に置いた手が、まだ少し震えている。


 レオンハルトは王太子来訪記録に署名を入れていた。

 ユリウスの発言。

 命令の不成立。

 建国契約の異常を認識していた可能性。

 聖女の力による補填を必要としているという発言。


 一つずつ、事実として固定していく。


 言葉は戻せない。


 それは、契約書を読まずに署名した者にとっては残酷なことかもしれない。

 しかし、言葉を奪われてきた者にとっては、ようやく手に入れた武器だった。


「エリス」


 レオンハルトが記録紙を閉じ、彼女の前に来た。


「今日はここまでにする」


「まだ王都行きの準備が」


「明日でいい」


「ですが、王太子殿下が戻れば、王都側の対応も変わります。こちらも条件書を再調整しなければ」


「明日でいい」


 同じ言葉だったが、今度は少し低かった。


 エリスは口を閉じた。


 レオンハルトは続ける。


「君は今日、王太子と正面からやり合った。普通なら、それだけで一日分の仕事は終わりだ」


「普通なら、ですか」


「君は普通の基準をすぐ破る」


「それは褒め言葉でしょうか」


「注意だ」


 カレンが横で頷いた。


「補佐官殿は、書類があると自分の体力を契約外に置きますからね」


「体力を契約外に……」


 少し変な言い回しだったが、否定できなかった。


 エリスは深く息を吐いた。


「分かりました。今日の作業は、王太子来訪記録の控えを作るところまでにします」


「それは休むとは言わない」


「最低限です」


「補佐官殿」


 カレンの声が冷たい。


「では、写しを一部だけ」


「ゼロです」


「……分かりました」


 エリスはようやく諦めた。


 その時、広間の外から兵士が入ってきた。


「閣下。王都方面から、追加の書簡です」


「王太子一行とは別か」


「はい。王都の宿駅から早馬で送られてきたようです。封は二つ。一つは国王印、もう一つはフォーマルハウト侯爵家の印です」


 エリスの肩が、わずかに強張った。


 フォーマルハウト侯爵家。


 父からの書簡。


 王太子がここへ来た直後に、父の書簡が届く。

 偶然とは思えなかった。


 レオンハルトは兵士から封書を受け取り、エリスを見た。


「今、読む必要はない」


「読みます」


「休めと言ったばかりだ」


「私宛てなら、読まない方が落ち着きません」


 それは事実だった。


 読まないまま想像する方が怖い。


 レオンハルトはしばらくエリスを見ていたが、やがて封書を差し出した。


「では、ここで読め。ひとりで読むな」


 エリスは頷いた。


 まず、国王印の書簡を開く。


 文面は格式ばっていた。


 中央金庫凍結の解除手続きのため、エリス・フォーマルハウトの王都入城を正式に認める。

 身柄はヴァイスベルグ辺境伯の保護下に置く。

 王太子ユリウスの署名責任については、解除手続き記録に記載する。

 ただし、建国契約の閲覧については、王都到着後、王家および法務院の審査を経て判断する。

 聖女ミリア・クレインについては、王都において保護状況を確認する。


 昨日届いた返答と大きくは変わらない。


 だが、最後に新しい一文が加わっていた。


 ――王都入城に際し、エリス・フォーマルハウトは王家臨時調査協力者として登録されるものとする。


 エリスの視界で、その一文だけが黒く滲んだ。


「……やはり来ました」


 彼女は呟いた。


「何だ」


 レオンハルトが問う。


「王家臨時調査協力者、という登録です」


「一見、悪くなさそうに聞こえますが」


 カレンが眉を寄せる。


「協力者という立場を与えるなら、王都での活動根拠になるのでは」


「問題は、王家の登録下に入ることです」


 エリスは書簡を机に広げた。


「この登録は、おそらく王家の調査権限を貸す代わりに、調査で得た記録や発言を王家管理に置く仕組みです。王宮書庫で見たことがあります。形式上は協力者ですが、作成した文書は王家文書となり、本人が自由に写しを保持できなくなる」


「つまり、君が読んだものを王家が回収できる」


「はい。それだけではありません。王家臨時調査協力者は、調査中の発言も王家記録官の承認を経て正式記録になります。私が建国契約を読んでも、王家が認めなければ『非公式発言』として扱える」


 カレンの表情が険しくなった。


「協力者ではなく、口を封じるための肩書きですね」


「その可能性が高いです」


 エリスは黒く滲む一文を見つめた。


「王都は、私を反逆者のまま呼び戻すのは難しいと分かった。だから今度は、王家の協力者として登録し、記録を王家のものにしようとしている」


「名前を変えるわけか」


 レオンハルトが言った。


「エリス・フォーマルハウトではなく、王家臨時調査協力者として」


「はい」


 名前を奪う方法は、一つではない。


 婚約者という立場で縛る。

 反逆者という罪名で封じる。

 聖女という称号で所有する。

 協力者という肩書きで記録を奪う。


 どれも、本人の名前を別の言葉で塗りつぶす行為だった。


 エリスは、もう一通の封書を見た。


 フォーマルハウト侯爵家の封蝋。


 父の字で宛名が書かれている。


 手が、自然と重くなった。


「無理に読むな」


 レオンハルトが言った。


「いえ、読みます」


 エリスは封を切った。


 そこには、短い文面があった。


 エリス・フォーマルハウトへ。


 王太子殿下への非礼、王都における混乱、辺境伯領での勝手な活動について、フォーマルハウト家は一切関与しない。

 以後、王家および貴族社会に対する発言において、当家の名を利用することを禁ずる。

 もし王太子殿下の寛大な召還に応じ、王都で然るべき謝罪を行うならば、当家として最低限の保護を再考する。

 それまでは、当家の名を汚さぬよう慎むこと。


 署名。


 フォーマルハウト侯爵。


 父の名。


 エリスは、しばらく文字を見つめていた。


 驚きはなかった。


 父なら、そう書くだろうと思っていた。

 王宮の夜、彼は娘ではなく家を選んだ。

 だから今回も、家を守るために娘を切り離す。


 分かっていた。


 分かっていたはずなのに、胸の奥が鈍く痛んだ。


「補佐官殿」


 カレンが声を抑えて言った。


「これは、家名を使うなという通告ですか」


「はい」


 エリスは書簡を丁寧に折り畳んだ。


「父は、私がフォーマルハウト家の名を使って王家に発言することを禁じています」


「そんなことが可能なのですか」


「完全には無理です。私は生まれた時からフォーマルハウト家の娘として記録されています。父が一方的にその事実を消すことはできません。ただ、貴族社会では家長の意向が重く扱われます。王都で私が『フォーマルハウト家の者』として発言すれば、父はそれを否認するでしょう」


「つまり、君の言葉を弱めるための書簡だ」


 レオンハルトが言った。


「はい」


 エリスは静かに答えた。


「王家は私を王家臨時調査協力者にしようとし、父はフォーマルハウトの名を使うなと言ってきた。どちらも、私の署名を不安定にするためです」


 署名は、名前でできている。


 名前が揺らげば、署名も揺らぐ。

 署名が揺らげば、異議申し立ても記録も弱くなる。


 王都は、それを分かっている。


 エリス・フォーマルハウト。


 その名で、彼女は婚約破棄契約に異議を申し立てた。

 その名で、竜封印契約の写しに署名した。

 その名で、ミリアの意思確認書を作った。

 その名で、ハルゼ村の土地契約に問題を記録した。


 だから、その名を揺らそうとしている。


「なら、対策が必要ですね」


 カレンが言った。


「方法はいくつかあります。まず、辺境伯領の正式職員名簿に登録する。これはすでにできます」


「はい」


「次に、王都での発言資格を辺境伯領から与える。これも可能です」


「はい」


「さらに強い方法としては」


 カレンは一度レオンハルトを見た。


「養子縁組、または婚約契約です」


 広間の空気が、少し変わった。


 エリスは、言葉の意味を理解して、呼吸を止めた。


 養子縁組。

 婚約契約。


 たしかに、政治的には有効だった。


 フォーマルハウト家が名を使うなと言うなら、別の家名を与えればよい。

 王家がエリスを協力者として取り込もうとするなら、辺境伯家の身内として保護すればよい。

 特に婚約契約なら、王太子がかつて婚約を破棄した相手に対し、再び命令権を主張することはさらに難しくなる。


 貴族社会では、よくある解決方法だ。


 女性の身柄を守るために、別の男性の名の下へ移す。


 父から夫へ。

 婚約者から保護者へ。

 王家から辺境伯家へ。


 それは保護に見える。

 けれど、名前の所有者が変わるだけではないのか。


 エリスは、自分が何を考えたのかに気づき、胸が冷えた。


 辺境伯がそんなことをするとは思っていない。

 それでも、貴族社会の手続きはそうできている。


 誰かの名の下に入らなければ、安全になれない。


 そういう形で。


「却下だ」


 レオンハルトは即答した。


 あまりに早かったので、エリスは顔を上げた。


 カレンも少し目を丸くした。


「閣下、政治的には最も強い盾です」


「盾に見える檻だ」


「言い方は否定しませんが、王都相手には有効です」


「だからこそ却下する」


 レオンハルトの声は静かだった。


「王太子が婚約者という立場で彼女を縛り、王家が協力者という肩書きで記録を奪おうとし、父親が家名を盾に発言を制限しようとしている。そこで俺が婚約者や養父の名をかぶせれば、結局同じことをするだけだ」


 カレンは黙った。


 レオンハルトはエリスを見た。


「君を守るために、君の名前を奪うつもりはない」


 短い言葉だった。


 だが、その言葉は、エリスの胸の深いところに落ちた。


 君の名前を奪うつもりはない。


 王都では、誰もそう言わなかった。


 王太子は彼女を婚約者として扱い、不要になると反逆者にした。

 父は娘として扱い、都合が悪くなると家名を使うなと言った。

 王家は協力者として登録し、記録を管理しようとしている。


 誰も、エリスの名前そのものを彼女に返そうとはしなかった。


「しかし、閣下」


 カレンは慎重に言った。


「王都での安全を考えれば、補佐官殿の立場を強化する必要があります。家名をめぐって争われれば、署名の有効性にも影響します」


「分かっている」


「では」


「別の契約を作る」


 レオンハルトは机に近づき、白紙を一枚取った。


「婚約でも養子でもない。職務代理契約だ」


 エリスは顔を上げた。


「職務代理契約」


「君はヴァイスベルグ辺境伯領の補佐官だ。王都へ向かう目的は、個人的な謝罪でも家の名誉回復でもない。中央金庫解除、建国契約調査、聖女契約の不当拘束確認。すべて職務だ」


「はい」


「なら、職務上の権限を明記する。君は俺の所有物でも、家族でも、婚約者でもない。辺境伯領の正式な契約調査代理人として王都へ行く」


 カレンは少し考え、頷いた。


「なるほど。身分ではなく職務で守る」


「そうだ」


「ただし、王都は家名の問題を突いてきます」


「だから、署名同一性の条項を入れる」


 レオンハルトはエリスへ向いた。


「君の署名は、君のものだ。フォーマルハウト家長が否認しても、王家が肩書きを変えても、エリス・フォーマルハウト本人が署名した事実は変わらない。そう明記する」


 エリスは、思わず唇を噛んだ。


 父の書簡を読んだ時、胸の奥で小さく折れかけたものがあった。


 フォーマルハウトの名を使うな。


 それは、家から捨てられることよりも、これまでの自分の署名を否定されるようで苦しかった。


 けれど、レオンハルトはそれを見ていたのかもしれない。


「エリス」


 彼は言った。


「名乗りを変えたいなら、それでもいい」


 エリスは目を瞬いた。


「え?」


「君がフォーマルハウトという名を捨てたいなら、その意思は尊重する。新しい職務名を使うこともできる。エリスだけでも、契約書記官エリスでも、北方の書き手でもいい」


「北方の書き手、ですか」


「仮だ」


「少し物語の題名のようです」


「今、そこは重要ではない」


 カレンが横で少し笑った。


 レオンハルトは続ける。


「だが、俺が決めることではない。王家が決めることでも、父親が決めることでもない。君が、どう名乗りたいかだ」


 どう名乗りたいか。


 その問いは、エリスに深く刺さった。


 自分は、どう名乗りたいのだろう。


 フォーマルハウトの名には、痛みがある。

 父に見捨てられた記憶がある。

 家のために黙れと言われた日々がある。


 けれど、その名で書いてきた記録もある。


 王宮書庫で写した契約書。

 婚約破棄契約への異議申し立て。

 竜封印契約の修正。

 ハルゼ村の土地契約記録。

 ミリアの意思確認書。

 建国契約副本の照合写し。


 父のための名前ではない。


 自分が書いてきた名前だ。


「私は」


 エリスはゆっくりと言った。


「今は、エリス・フォーマルハウトと名乗ります」


 レオンハルトは黙って聞いていた。


「父がその名を使うなと言っても、私がその名で署名してきた事実は消えません。王都で起きたことも、北方で記録したことも、すべてこの名前で残っています」


「それでいいのか」


「はい。ただし、いつか変えるかもしれません」


「その時は、君が決めろ」


「はい」


 エリスは小さく頷いた。


「今は、この名前で王都へ戻ります。父のためではなく、私が記録してきた署名のために」


「分かった」


 レオンハルトは白紙へ羽根ペンを置いた。


「なら、そのように契約する」


 相談所の机で、新しい契約書が作られ始めた。


 表題。


 ――王都調査同行および職務代理契約。


 当事者。


 ヴァイスベルグ辺境伯、レオンハルト・ヴァイスベルグ。

 契約補佐官、エリス・フォーマルハウト。


 第一条。

 エリス・フォーマルハウトは、ヴァイスベルグ辺境伯領の契約調査代理人として王都へ同行する。


 第二条。

 本契約は、婚姻、婚約、養子縁組、身柄拘束、私的服従、または人格上の所有関係を発生させない。


 その一文を見て、エリスは息を止めた。


 黒い染みはない。


 むしろ、文字の周囲に淡い金色の光が浮かぶようだった。


 第三条。

 エリス・フォーマルハウトの署名、発言、記録は、本人の意思に基づくものとして扱う。フォーマルハウト侯爵家、王家、その他第三者による一方的否認または肩書き変更は、本人署名の同一性を損なわない。


 第四条。

 王都滞在中、エリス・フォーマルハウトが作成した調査記録は、本人、ヴァイスベルグ辺境伯領、必要に応じて王家の三者で写しを保持する。王家は、本人の同意なく原本および写しを没収、改ざん、破棄してはならない。


 第五条。

 エリス・フォーマルハウトは、契約上の疑義、改ざん、不当拘束、本人意思の欠落を発見した場合、相手の身分にかかわらず記録し、指摘する権利を有する。


 第六条。

 ヴァイスベルグ辺境伯は、王都滞在中、エリス・フォーマルハウトの職務遂行と身体の安全を保護する。ただし、本条は私的命令権、身分上の所有権、署名権の代行を意味しない。


 第七条。

 エリス・フォーマルハウトは、いかなる契約書についても、全文確認、質問、異議申し立て、署名前の保留を行う権利を有する。


 第八条。

 本契約に基づく保護は、エリス・フォーマルハウトの自由意思を制限するために用いられてはならない。


 エリスは、書かれていく文字を見つめていた。


 これは盾だ。


 けれど、檻ではない。


 名前を奪うための契約ではなく、名前を本人に残すための契約。


 王宮で差し出された婚約破棄契約とは、まるで違う。

 聖女ミリアを縛るチョーカーとも違う。

 ハルゼ村を奪おうとした土地契約とも違う。


 この契約書は、エリスを閉じ込めるためではなく、エリスが自分の名前で立つために作られている。


「確認を」


 レオンハルトが契約書を差し出した。


「はい」


 エリスは、一字一句読んだ。


 黒い染みはない。


 ただ、第四条の「必要に応じて王家」という部分で少し考える。


「ここは、『王家へ提出する写しは、提出日時、提出先、受領者名を記録する』を加えた方がよいです」


「理由は」


「提出した写しを、王家が受け取っていないと言う可能性があります」


「採用」


 レオンハルトは即座に追記した。


「第六条についても、補足をお願いします」


「何を」


「身体の安全だけでなく、発言の場の確保も入れてください。王都では、私が同席していても発言を遮られる可能性があります」


「確かに」


 彼は書き加える。


 ――ヴァイスベルグ辺境伯は、職務上必要な場において、エリス・フォーマルハウトの発言機会を確保する。


 カレンが感心したように頷いた。


「良いですね。王都の会議では発言権を奪うのが常套手段です」


「経験があります」


 エリスは淡々と答えた。


 そして最後まで読み終える。


「問題ありません」


「本当にないか」


「ありません」


「なら、署名を」


 レオンハルトは羽根ペンを渡した。


 エリスは署名欄を見る。


 契約補佐官、エリス・フォーマルハウト。


 父が使うなと言った名前。

 王家が肩書きで塗りつぶそうとする名前。

 王太子がかつて婚約者として呼び、今は反逆者として扱う名前。


 それでも、これは自分の名前だ。


 エリスは羽根ペンを持ち、ゆっくりと署名した。


 エリス・フォーマルハウト。


 書き終えた瞬間、契約書が淡く光った。


 続いて、レオンハルトが署名する。


 レオンハルト・ヴァイスベルグ。


 カレンが証人として署名した。


 契約書の光は、強くも派手でもない。

 だが、安定していた。


 エリスはその光を見ながら、胸の奥が静かになるのを感じた。


「これで」


 レオンハルトが言った。


「君は俺の婚約者でも、養女でも、所有物でもない。ヴァイスベルグ辺境伯領の契約調査代理人として王都へ行く」


「はい」


「そして、君の名前は君のものだ」


 エリスは、すぐには返事をできなかった。


 その言葉を、胸の中で何度か繰り返す。


 君の名前は君のもの。


 当たり前のはずのことが、こんなに遠かった。


「ありがとうございます」


 ようやく、それだけ言えた。


 レオンハルトは少し目を伏せた。


「礼を言われることではない」


「いいえ。私には必要な言葉でした」


 彼はそれ以上、否定しなかった。


 翌朝、契約魔法相談所は臨時休業となった。


 扉には、エリスの字で告知が貼られている。


 ――王都調査同行のため、相談所は三日間休業します。緊急の契約相談は、文官室または副官カレン・ローヴェへ。


 その下に、小さく追記する。


 ――署名前の相談を推奨します。


 カレンがそれを見て言った。


「最後の一文、かなり補佐官殿らしいですね」


「大切なことなので」


「分かっています。昨日だけで未署名相談が五件増えました」


「よい傾向です」


「書類は増えますが」


「それは……よい傾向です」


「一瞬迷いましたね」


 エリスは視線を逸らした。


 相談所の前には、城下の人々が集まっていた。


 大げさな見送りではない。

 けれど、薬草採りの老婆、鍛冶屋の弟子、兵士、商人、そしてハルゼ村から来たロイと少女の姿もあった。


「補佐官様」


 ロイが頭を下げた。


「王都へ行かれると聞きました」


「はい。数日で戻る予定です」


「どうか、お気をつけて。王都のことは分かりませんが、あそこには大きな人たちがたくさんいるのでしょう」


「大きな人たち」


「身分が、です」


 ロイは少し困ったように笑った。


「でも、契約書は身分ではなく、書いてあることで決まると、補佐官様が教えてくださいました」


 エリスは頷いた。


「はい」


「なら、王都でも読んできてください。わしらには読めないものを」


 少女が小さな布包みを差し出した。


「これ、村の小麦で焼いたパンです。まだ新麦じゃないけど」


「ありがとうございます」


 エリスは布包みを受け取った。


 温かかった。


 老婆は薬草の袋を持たせてくれた。


「喉に効きます。王都の偉い人に言い返すなら、喉が大事でしょう」


「言い返す前提なのですね」


「違うんですか」


 カレンが横で笑いをこらえていた。


「違わないと思います」


 エリスは少しだけ笑った。


 その笑いは、以前より自然だった。


 ミリアも見送りに来ていた。

 チョーカーはまだ首にあるが、上から柔らかい布を巻いて隠している。顔色は昨日より少しましだった。


「エリス様」


「ミリア様、無理に出てこなくてもよかったのに」


「見送りたかったんです」


 ミリアは両手で小さな紙を持っていた。


「これを、持っていってください」


「これは?」


「私の追加の意思表示です。カレン様に手伝っていただいて、書きました」


 エリスは紙を開いた。


 そこには、丁寧だが少し震えた文字で書かれていた。


 ――私は、ミリア・クレインです。

 ――聖女という称号は、私のすべてではありません。

 ――私は、王家の所有物ではありません。

 ――私は、私の意思に反して王都へ戻されることを望みません。

 ――私は、私の契約を読まれることを望みます。


 署名。


 ミリア・クレイン。


 エリスは、その署名を見つめた。


「とてもよい文書です」


 ミリアの目が少し潤んだ。


「本当ですか」


「はい。あなたの意思が、はっきり書かれています」


「聖女ミリアではなく、ミリア・クレインと書きました」


「それでいいと思います」


「エリス様が、名前は本人のものだと教えてくださったので」


 エリスは少し驚いた。


 自分がレオンハルトから受け取った言葉が、もうミリアへ渡っている。


 言葉は、こうして誰かを支えるのかもしれない。


「必ず持っていきます」


 エリスは言った。


「あなたの契約を、王都で確認します」


「はい」


 ミリアは深く頭を下げた。


 城門の前には、王都へ向かう馬車が用意されていた。


 同行するのは、レオンハルト、エリス、護衛の兵十名、文官二名。

 カレンは北方に残り、ギルベル商会と採掘調査隊の足取りを追う。ミリアの保護も彼女の指揮下に置かれる。


「補佐官殿」


 カレンが最後に言った。


「王都では、必ず記録を二重に取ってください。相手が署名を嫌がったら、嫌がったことも記録です」


「はい」


「食事を抜かないでください」


「はい」


「寝てください」


「努力します」


「努力ではなく実行です」


「……はい」


 カレンは満足そうに頷いた。


 レオンハルトが馬車の扉を開ける。


「行くぞ」


「はい、閣下」


 エリスは馬車に乗り込んだ。


 その前に、ふと城を振り返る。


 ヴァイスベルグ城。

 黒い石壁。

 雪をかぶった北峰。

 その上で眠る古代竜。


 王都を追放された時、ここはただの流刑地のように思えた。

 だが今は違う。


 ここで、エリスは初めて自分の署名を守る契約を結んだ。

 ここで、誰かの契約書を読む仕事を始めた。

 ここで、自分の名前は自分のものだと教えられた。


 馬車が動き出す。


 城下の人々が頭を下げる。

 だが、エリスはもう、ただ戸惑うだけではなかった。


 彼女も、窓越しに頭を下げ返した。


 北方の街道は、王都へと続いている。


 かつて追放された道を、今度は自分の意思で戻る。


 罪人としてではない。

 王太子の婚約者としてでもない。

 フォーマルハウト家の都合を背負う娘としてでもない。


 ヴァイスベルグ辺境伯領の契約調査代理人。

 エリス・フォーマルハウトとして。


 馬車の中で、レオンハルトは向かいに座っていた。

 膝の上には王都調査同行契約の原本がある。


「不安か」


 彼が尋ねた。


「あります」


 エリスは正直に答えた。


「王都へ戻れば、また大勢の前で責められるかもしれません。父とも会うでしょう。王太子殿下は、私を許していません。法務官長も、ギルベル商会も、ヴァルドニアも、何をしてくるか分かりません」


「そうだな」


「でも、不安だけではありません」


「何がある」


「準備があります」


 エリスは鞄に手を置いた。


 中には、契約書と記録が入っている。


 建国契約副本の照合写し。

 ミリアの意思表示。

 竜封印契約の改ざん報告。

 ハルゼ村の土地契約記録。

 王太子来訪記録。

 そして、王都調査同行契約。


 どれも、誰かの意思と事実を守るための紙だった。


「それに」


 エリスは少し迷ってから続けた。


「私の名前を奪わない人が、隣にいます」


 言ってから、少しだけ恥ずかしくなった。


 だが、レオンハルトはからかわなかった。


「奪う理由がない」


「王都では、理由がなくても奪われました」


「なら、王都がおかしい」


「はい」


 エリスは窓の外を見た。


 雪道が続いている。

 その先に王都がある。


 王宮の大広間。

 中央金庫。

 地下礼拝堂。

 建国契約の原本。

 そして、王家の罪。


 読まなければならないものは多い。


 けれど、今のエリスは一人ではなかった。


 昼過ぎ、一行は王都へ向かう途中の宿場町に入った。


 北方と王都を結ぶ街道の中継地で、商人や旅人が多い。雪は少なくなり、代わりにぬかるんだ道と馬車の轍が増えていた。


 宿場の広場に入ると、人々の視線が馬車へ集まった。


 ヴァイスベルグ辺境伯の紋章を見て、ざわめきが広がる。


「北方の辺境伯だ」


「王都へ向かうのか」


「例の契約書記官もいるらしい」


「王宮金庫を止めた令嬢だろう」


「いや、竜を止めたって聞いたぞ」


 噂は、すでに広がっていた。


 反逆者。

 契約書記官。

 竜を止めた令嬢。

 王太子に逆らった女。


 いくつもの名前が、勝手に彼女の周囲を飛んでいる。


 エリスは外套の襟を少し引き寄せた。


「気になるか」


 レオンハルトが言った。


「少し」


「噂は止められない」


「分かっています」


「だが、記録はできる」


 エリスは彼を見た。


「噂をですか」


「必要なら」


 彼は平然と言った。


「誰が、いつ、どのような噂を流したか。悪質なら調査対象だ」


「閣下らしいです」


「君の影響だ」


「私ですか」


「書くようになった」


 エリスは少しだけ笑った。


 宿場では、短い休憩を取ることになった。


 護衛たちは馬の世話をし、文官たちは王都への通行書類を確認する。エリスは宿の二階にある小部屋で、王都へ提出する文書の目録を再確認していた。


 そこへ、文官の一人が慌てた様子で入ってきた。


「補佐官殿、少し妙なものが」


「何ですか」


「宿場役所で、王都入城者名簿の事前写しを確認したのですが、補佐官殿の記載が変です」


「変?」


 文官は一枚の写しを差し出した。


 王都入城予定者名簿。


 レオンハルト・ヴァイスベルグ。

 護衛十名。

 北方文官二名。


 そして、最後に。


 王家臨時調査協力者、エリス。


 姓がない。


 フォーマルハウトが消えている。


 エリスは紙を見つめた。


 ただ姓が抜けただけなら、事務ミスとも言える。

 だが、その横に小さな注記があった。


 ――家名使用保留中。


 黒い染みが浮かぶ。


 父の書簡と、王家の登録がすでに繋がっている。


「早いですね」


 エリスは静かに言った。


「王都側は、もう私の名前を処理し始めています」


 レオンハルトが部屋に入ってきた。


「見せろ」


 彼は名簿を読み、顔を険しくした。


「王家臨時調査協力者、エリス。家名使用保留中」


「父の書簡を根拠にしたのでしょう」


「本人確認として不十分だ」


「はい。姓を外せば、これまでのエリス・フォーマルハウト名義の記録との連続性が曖昧になります」


「狙いはそこか」


「おそらく」


 エリスは鞄から王都調査同行契約を取り出した。


「ですが、こちらの契約が先に効きます」


「使うか」


「はい」


 エリスは名簿の余白に、正式な訂正申立を書き始めた。


 ――当該記載は本人の署名同一性を損なうおそれがあるため、以下の通り訂正を求める。

 ――エリス・フォーマルハウト。現職、ヴァイスベルグ辺境伯領契約調査代理人。

 ――フォーマルハウト侯爵家による一方的意向は、本人の出生名および過去署名の同一性を否定するものではない。

 ――王家臨時調査協力者登録は、本人未同意につき保留。


 最後に署名する。


 エリス・フォーマルハウト。


 その下に、レオンハルトが証人として署名した。


 宿場役所の係官は青ざめていた。


「こ、これは王都から送られてきた名簿でして、こちらでは訂正は」


「訂正できないなら、訂正申立を添付して王都へ送ってください」


 エリスは冷静に言った。


「受領者名と時刻の記録をお願いします」


「受領者名……」


「はい。受け取っていないと言われると困りますので」


 係官は助けを求めるようにレオンハルトを見た。


 レオンハルトは言った。


「書け」


「は、はい」


 こうして、王都に入る前から最初の訂正記録が作られた。


 エリスは宿場役所を出ると、深く息を吐いた。


「王都に着く前から、これですか」


「むしろ、早く見つかってよかった」


 レオンハルトは答えた。


「そうですね」


 エリスは訂正申立の控えを鞄へしまった。


「私の名前を消すなら、何度でも訂正します」


「その意気だ」


「ただ、少し手間です」


「相手もそう思っているだろう」


 エリスは少しだけ笑った。


 手間でいい。


 名前を奪うことが、簡単であってはならない。


 夕方、一行は宿場町を出た。


 王都までは、あと一日。


 日が沈むにつれて、街道の空気は変わっていった。北方の荒々しい静けさから、王都近郊の騒がしさへ。通行人が増え、荷馬車が増え、王都から逃げるように出てくる商人の姿もあった。


 中央金庫凍結の影響だろう。


 市場の取引が滞り、港湾証書が決済できず、王都の商人たちは混乱している。

 王太子の失敗は、すでに貴族の大広間だけの問題ではなくなっていた。


 夜、一行は王都手前の最後の宿営地に入った。


 天幕の中で、エリスは蝋燭の明かりを頼りに文書を整理していた。

 レオンハルトは地図を確認し、護衛配置を決めている。


「明日、王都南門から入る」


 彼は言った。


「王宮からの迎えは」


「来るだろう。だが、こちらは王家臨時調査協力者登録を保留した。向こうは不快に思っているはずだ」


「入城時に揉めますね」


「揉める前提で行く」


「分かりました」


 エリスは王都調査同行契約の写しを三部用意した。


 一部は本人保管。

 一部は辺境伯領保管。

 一部は王都提出用。


 さらに、訂正申立の写しを加える。


 書類の山が増えていく。


 けれど、今はそれが心強かった。


 沈黙の中で、レオンハルトがふと口を開いた。


「エリス」


「はい」


「今日、婚約契約の話が出た時、怖かったか」


 エリスはペンを止めた。


 少し迷ってから、正直に答える。


「少し」


「そうか」


「閣下が怖かったわけではありません」


「分かっている」


「ただ、政治的には自然な解決だと思いました。父の名を失うなら、別の家の名を得る。王太子の婚約者でなくなったなら、別の方の婚約者になる。貴族社会では、それが保護になる」


「ああ」


「だからこそ、怖かったのだと思います。自然すぎて」


 自然すぎる檻。


 それは、外から見れば優しい。

 守るためだと言われれば、拒みにくい。

 だが、本人の名前がまた別の契約に包まれてしまう。


「私は、閣下にそう言われたら、断れたか分かりません」


 エリスは言った。


「王都へ行くために必要だと言われたら、署名してしまったかもしれません」


 レオンハルトは、しばらく黙っていた。


 蝋燭の火が揺れる。


「だから言わなかった」


 彼は静かに言った。


「君が断りにくい状況で出す提案は、提案ではなく圧力だ」


 エリスは顔を上げた。


「そこまで考えてくださったのですか」


「考えるだろう」


 彼の声は淡々としていた。


「契約で散々ひどい目に遭った人間に、守るためだと言って別の契約を押しつける。そんなものは保護ではない」


「でも、閣下に不利益が」


「あるだろうな」


「王都では、なぜ婚約契約にしなかったのかと言われるかもしれません」


「言わせておけ」


「辺境伯家の政治的立場も」


「君の名前を奪ってまで守る立場なら、最初から要らない」


 エリスは言葉を失った。


 レオンハルトは地図を畳んだ。


「誤解するな。俺は聖人ではない。北方の利益も考えている。君の力が必要だから守っている面もある」


「分かっています」


「だが、必要だからといって、所有していい理由にはならない」


 その言葉は、ミリアにも、ハルゼ村にも、エリス自身にも当てはまった。


 必要だから、聖女を王家の儀式資産にする。

 必要だから、村の土地を担保に広く取る。

 必要だから、王家協力者として記録を回収する。

 必要だから、婚約契約で守る。


 必要性は、よく支配の言い訳になる。


 レオンハルトは、それを選ばなかった。


「閣下」


「何だ」


「ありがとうございます」


「二度目だ」


「何度でも言います。必要なことなので」


 レオンハルトは少しだけ困ったように目を伏せた。


「なら、受け取っておく」


「はい」


 夜が更けた。


 エリスはようやく書類をまとめ、寝具に入った。

 だが、すぐには眠れなかった。


 王都が近い。


 かつて暮らした場所。

 追放された場所。

 父がいる場所。

 王太子が待つ場所。

 建国契約の原本が眠る場所。


 胸の奥には不安がある。


 けれど、不思議と逃げたいとは思わなかった。


 自分の名前で戻るのだ。


 その事実が、細い芯のように彼女を支えていた。


 翌朝。


 王都の城壁が見えた。


 高く白い壁。

 青い尖塔。

 中央にそびえる王宮。

 その地下に、建国契約と中央契約炉がある。


 かつては、美しい都だと思っていた。


 今は、その白さの下に黒い染みが広がっているように見える。


 南門には、王宮の役人と騎士たちが待っていた。

 彼らの手には、入城名簿と王家臨時調査協力者の登録証がある。


 馬車が止まる。


 門前の空気が張り詰めた。


 レオンハルトが先に降りる。

 続いて、エリスも降りた。


 王都の石畳を踏む。


 追放された時とは逆の方向から、彼女は戻ってきた。


 役人が進み出る。


「エリス殿。王家臨時調査協力者として、こちらへ署名を」


 彼は書類を差し出した。


 予想通りだった。


 エリスは受け取らない。


「その登録は、本人未同意により保留と訂正申立を出しています」


 役人の顔が固まる。


「ですが、王家の指示で」


「指示では署名しません。契約書を確認します」


「門前でそのような」


「署名を求めるなら、読みます」


 エリスの声は落ち着いていた。


 周囲の騎士たちがざわつく。


 かつてなら、ここで萎縮していただろう。

 だが、今は違う。


 レオンハルトが隣にいる。

 王都調査同行契約が鞄の中にある。

 自分の名前が、自分の手にある。


「私は、ヴァイスベルグ辺境伯領契約調査代理人、エリス・フォーマルハウトです」


 エリスははっきりと名乗った。


「王家臨時調査協力者としての登録は受けません。王都入城は、国王印の回答書および北方との職務代理契約に基づいて行います」


 門前が静まり返る。


 役人は助けを求めるように周囲を見た。


 だが、レオンハルトが一歩前に出る。


「彼女の名簿記載を訂正しろ。王家臨時調査協力者、エリス、ではない」


 彼は低く言った。


「エリス・フォーマルハウト。ヴァイスベルグ辺境伯領契約調査代理人だ」


 王都の門が、ゆっくりと開いていく。


 その向こうには、王宮へ続く大通りが伸びていた。


 エリスは背筋を伸ばした。


 王都は、彼女の名前を変えようとした。

 父は、彼女の名前を制限しようとした。

 王太子は、彼女を許されるべき罪人にしようとした。


 けれど、辺境伯は彼女の名前を奪わなかった。


 だから、エリスは自分の名前でここに立てる。


 エリス・フォーマルハウト。


 その名で、王都の契約を読むために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ