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青春詰め合わせパック(9個入り)  作者: 古川ムウ
[学園祭]
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48/52

<48:恋と畳と柔道着(8)>

平井悟・・・柔道部員の高校2年生。

小原輝雄・・・平井の親友。

小原弥生・・・小原輝雄の姉。学校のOB。

秋田隆三・・・柔道部の主将。

瀬田伊織・・・テニス部員の高校1年生。


 輝雄が1年生の瀬田伊織と喋りながら歩いていると、向こうから柔道着の悟が走ってくるのが見えた。


 「おい、悟」

 輝雄が声を掛ける。

 悟は立ち止まり、チラッと視線を向ける。


 「輝雄か。相変わらず女遊びにうつつを抜かしてるみたいだな」

 伊織はムッとしたが、輝雄は軽く受け流す。


 「お前は何してるんだよ、柔道着なんか着て。柔道部の出し物は人間輪投げだろ。柔道着なんか要らないはず」

 「俺の担当時間は、もう終わった。今から稽古するんだよ。走り込みだ」

 「走り込みって、学園祭の最中だぞ」

 輝雄は笑うが、悟は真剣な顔付きだ。


 「学園祭に浮かれている暇など、俺には無い。俺は、もっと強くなるんだ。俺の高校生活は、柔道のためだけにある。これからは柔道一直線だ。それじゃあな」

 そう言うと、悟は気合いをみなぎらせながら、ランニングで去って行った。

 呆気に取られた表情で、輝雄は見送る。


 「どうしたんですか、あの人?ちょっと頭、おかしいんじゃないですか」

 伊織が疎ましそうな顔で言う。

 「言ってやるな、男には色々とあるんだ」

 輝雄は哀れみの表情を浮かべた。

 「今のあいつには、柔道に没頭するしか救われる道は無いんだよ」


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