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青春詰め合わせパック(9個入り)  作者: 古川ムウ
[学園祭]
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46/52

<46:俺たちのビート(5)>

福井敦・・・軽音楽部の高校2年生。バンド「クリード」のギター担当。

安藤弘堅・・・軽音楽部の高校2年生。バンド「クリード」のベース担当。

宮吉航・・・軽音楽部の高校2年生。バンド「クリード」のドラム担当。

柱谷秀彦・・・軽音楽部の顧問。


 体育館では、軽音楽部のライブが行われている。

 現在は2年生のバンド、クリードが演奏中だ。


 航が鳴らすドラムがダイナミズムを与え、弘堅の弾くベースが重厚感をもたらし、その上で敦のギターが激しくも華麗なメロディーを紡ぎ出す。

 1曲目はディック・デイル&ヒズ・デルトーンズの『ミザルー』で、2曲目はザ・ヤードバーズの『ジェフズ・ブギー』だ。

 どちらもインストで、ボーカルは入っていない。



 2曲目が終わり、敦がスタンドマイクに近付いた。


 「次が最後の曲です。クリードにとって初めてのオリジナル、そして初の歌モノです。聴いてください、『キング・ヴァニラ』」


 短いトークの後、敦のカウントで曲が始まった。

 イントロに続いて、弘堅がマイクに向かって歌い始めた。

 低くて太い声質は、曲調にマッチしていた。


 弘堅は歌いながら、チラッと敦を見た。

 敦は目線を合わせ、満足そうにコクリとうなずいた。



 広い体育館には、わずか50名ほどの客しか集まっていなかった。

 クリードの人気が無いのではなく、軽音楽部の学園祭ライブでは、いつも、その程度の人数だ。

 その内、曲に合わせて体を動かし、盛り上がっているのは半分にも満たなかった。


 だが、それでも、クリードの3人は満足だった。

 バンドをやっていることに、ライブで演奏していることに、喜びを感じていた。


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