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静かな花は君と咲く  作者: 糸田小太
学校編
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14/15

羽崎さんの気持ちとふたりの思い

更新が遅くなってしまい本当にすみません

学園祭疲れで体調を崩して熱を出したりしてました…汗


12月24日クリスマスイブの帰り道、俺はいつものように羽崎さんと帰っていた……が俺は物凄く緊張していた。


その理由……それは


「あのさ、き、今日うちに来ない?……って親が言ってて…どうかな?」


「お、親って…?」


羽崎さんが緊張したように聞いてくる


「母さんも父さんもどっちも…羽崎さんと一度会ってみたいって……まぁクリスマスパーティー……とまではいかなくてもさ」


そう。前に羽崎さんがうちに来た時は両親共居なかったのだ。


「そうなんだ……分かった」


羽崎さんは緊張した面持ちでコックリと頷いた。




俺は手に汗が流れるのを感じながら玄関を開ける。


「た、ただいま」


「こんにちは……」


俺に続けて羽崎さんも最初に俺にしてくれたくらいの小ささで挨拶をする。


「おかえりなさい……それでそちらの子が羽崎さん?」


「うん。そうだよ」


俺は恥ずかしさに駆られながらも紹介する。


「へぇ〜。おとなしそうで可愛いじゃない」


「あ、ありがとうございます……」


羽崎さんは恥ずかし照れたような表情だ


「さぁ、夕飯の準備も出来てるから上がりなさい」


「は、はい…」


羽崎さんは静かに靴を脱ぐと家に上がった。



「羽崎さんが来るのは2回目だな」


そんな事を考えつつ俺は羽崎さんとリビングに向かった。


「ほぉ、君が羽崎さんかな」


そう告げたのはお父さんだ。


「は、はい」


羽崎さんはやはり声は小さいけれど挨拶をする。


「さ、皆さん座ってくださいな」


お母さんがこちらを見ながら言う。


食卓には"4つ"のハンバーグがあった。


「分かった」


「は、はい」


「はーい」


俺達はそれぞれ返事をすると食卓に座る。


「「「「いただきます」」」」


ハンバーグはいつものように煮込まれていて美味しい。そんなこんな食べていると俺は思わず手を止めた。


羽崎さんが食べながら目を潤ませていたのだ。


「羽崎さん大丈夫?」


俺は思わず聞く。


「うん……ごめんね急に…こうやって家族全員で食べるなんてもう何年も無かったから……」


羽崎さんは申し訳無さそうに立つとリビングを出ていった。


俺は驚いた様子のお母さん達に羽崎さんの家が多忙な事を話した。


「慰めに行ってあげなさい…今こそ男を見せなきゃ」


「惚れさせるなら今だぞー。真咲」


「お父さん!」


「しゅみません……」


お父さんの乗っかりにお母さんがツッコミを入れる。俺はそんな後押しを受けながら羽崎さんを追いかけた。


ガチャ


「咲君…」


玄関を開けると既に泣き止んでいてボーと空を見上げる羽崎さんが居た。


「羽崎さんのお母さんとお父さんって殆ど帰ってこないんだっけ?」


「うん。お母さんは日中は居ても朝とか夜は仕事に行っちゃうし、お父さんは泊まり込みで仕事する事が殆どだし、帰ってきても殆ど深夜で……基本ご飯は私一人で……」


俺は羽崎さんの言葉を他人事には思えなかった。


「凄く分かるよ。うちも今日は全員揃ったけど基本母と2人とか父と2人、あとは一人みたいな感じで中々全員は揃わないんだよ」


「咲君…そうなんだ」


羽崎さんは少し考えたように俯いた後言う。


「私、虐められて家に居るようになって……でもずっと悩んでた……だから寂しいとかそう言う気持ちも分からなくなってたのかも……でも咲君が思い出させてくれた」


羽崎さんは微笑みながら静かに告げる。

自然と鼓動が速くなるのを感じていた。


スルッ


羽崎さんがこっちに歩み寄ろうとした際に足を滑らせて転けそうになる。


「危なっ……」


ギュッ


俺は咄嗟に羽崎さんの手を握る。


「……ハァハァ…ありがとう…//」


羽崎さんは恥ずかしそうに言う。


「いや、そりゃ助けるだろ……そりゃ……」


好きだから。その五文字が言えない。


恥ずかしさを誤魔化すように羽崎さんが言う。


「咲君の手、凄く大きくて…ゴツゴツしてて…男らしい手…だね」


「まぁ野球部とか運動部系のやつには負けるけどな……」


苦笑気味に俺は言う。


「でも……"好きだよ"」


「俺の手がか?」


俺は我ながらとんちんかんな返事をする。

それぐらいドキドキしていたのだ。


「そ、そう…!」


羽崎さんは誤魔化すように何度もと頷く。


そのまま俺達は何も言わずに顔を近づける。


と、俺達は視線を感じて二人同時に玄関の方を見る。


すると俺の両親がニヤニヤとこちらを見ていた。


「続けて続けて」


そう言う母に俺と羽崎さんは同時に言った。


「続けれるか!」


母はクスッと笑うと再び家に入った。


俺は母に対して腹立ちながら羽崎さんを見る。


「取り敢えず戻ろうか」


「うん」


こうして俺達は家に入った。


~数時間後~


「変わらないね……咲君の部屋」 


どれくらいぶりだろうか。俺の部屋に羽崎さんが居る。


「そりゃな」


俺は窓を見る。


窓の外にはクリスマスらしく雪がちらついている。


俺はベッドの横の戸棚から両手サイズぐらいの箱を手に取ると羽崎さんの方を向き直る。


「これ…俺からのクリスマスプレゼントだ」


「ありがとう……開けてみても良い?」


「良いよ…」


俺は照れくささが出てきて頰をかく。


ガサ、ゴソ


「これって…」


羽崎さんに渡した箱には獣耳の付いたヘッドホンが入っていた。


「まぁ、前に行った時に夜には余り音を出せないって言ったのを思い出してな。余り高いやつじゃないが……それに羽崎さん、犬が好きって言ってたし」


そう羽崎さんは犬好きなのだ。


ちなみに金額にして3000円ちょっとだが……財布が今の外なみに寒い……


「それでも凄く嬉しい……//」


「喜んでくれて良かった〜」


まぁ嬉しそうに眺めてる羽崎さんを見ていたら買った甲斐はありそうだ。


「どうかな……//」


「おっ……か、可愛いっっ!」


獣耳の付いたヘッドホンを付けた羽崎さんは例えるなら犬や猫みたいにキュートで凄く可愛いし、しかも少し照れくさそうな表情がより可愛く見える理由かもしれない。


「大切に使うね……!」


「あぁ、そこまで気に入ってくれたなら買った甲斐があるよ」


~数分後~


「そろそろ帰るね…」


「分かった……けど暗いし大丈夫?」 


「大丈夫…そんなに遠くないし…//」


羽崎さんは遠慮がちに言う。


すると後ろから母が目線で送っていきなさいと強く語りかけてきているように…感じる。


「や、やっぱり送るよ」


「ありがとう……」


羽崎さんも何かを察したのかコックリと頷いた。




俺と羽崎さんは並んで歩いていた。


隣を見ると羽崎さんが両手を擦り合わせている。


「寒い?」


俺は思わず聞いてみる。


「うん…ちょっと」


羽崎さんの息が白くなる。


ぎゅっ


「!?」


俺は羽崎さんの手を取る。


「こうしたら温かいだろ…」


「うん…凄く温かい//」


俺達は手を繋いだまま夜道を歩き出す。


それからしばらくして俺も見慣れた羽崎さんの家が見えてきた。


電気は消えていて今日も親は居ないようだ。


「送ってくれてありがとう……//」


「別に良いよ…これくらい」


俺達はお互いを見つめ合う。


そのまま何も言わずに顔を近づけ、唇を重ね合う。


チュッ


俺達は初めて唇でキスをした。


それからしばらく俺達はそのままの状態で居た。


「い、今のは今日のお礼……//」


「お、おう」


俺達はお互い家に帰ってもドキドキした気持ちのままだった。


~次の日~


「ふがぁ〜」


朝の教室で俺は欠伸をしながら必要な教科書を出す。


すると一緒に丁寧に折られた紙が出てくる。


俺は思わずドキドキしながら開く。


『西村君の事が好きです』


それはラブレターだった。しかも字の感じ的に羽崎さんでは無い。


「どうしようか……」


つづく










最後までお読み頂きありがとうございます!

今回はついにお互いが恋心を自覚して次回は……最終回(予定)です

お楽しみに!

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