咲いた"静かな花"
ついに最終回です!
羽崎さんと咲君はどうなるのか!?
3学期が始まってしばらくが経ったある日
「にしてもどうしたものか……」
俺は入っていたラブレターを見る。
中身は西村君の事が好きですの一文と放課後に屋上に来てくださいとしか書いておらず誰かは分からない。
「咲君おはよう……」
「は、羽崎さん!?おはよう」
俺は慌ててラブレターを隠す。
それだけ言うと羽崎さんは自分の席へと向かった。
(とりあえず放課後に行ってみるしかない……か)
~その頃~
(さっき咲君が持ってたのってラブレターだよね……。)
私は心配な気持ちが大きくなっていて自分の中で咲君が大きくなっていた事を実感した。
~数時間後~
「では終学活だが…文章検定の結果を発表する」
「合格者を読み上げる。阿部……」
俺は待ちながら検定の日の羽崎さんの言葉を思い出していた。
~検定の日~
「あのさ、咲君」
「何?」
すると羽崎さんは顔を赤らめながら告げる。
「もし、今回も二人で検定合格出来てたら……話したいことがあるの」
「それだけ……」
結局このあと羽崎さんは黙ってしまった。
~~
回想から戻ると直ぐに聞き覚えのある名前が聞こえた。
「…羽崎、西村、木嶋、」
「合格…した」
俺と羽崎さんは見事に合格出来ていた。
~~
あれからホームルームが終わって俺は階段を登って屋上に向っていた。
「ここか…。」
屋上の入り口に手をかける。
ゴクリッ
唾を飲み込み俺はドアを開けた。
ガチャ
「!?」
俺は見覚えのある人である事に驚いた。
俺よりも若干高い背に肩にかかる癖っ毛にくりっとした目。
「ゆずきか!?」
「うん。そうだよ」
ゆずきとは小学校の頃に体調を崩したゆずきを保健室に連れて行ったのをキッカケに話すようになって、6年になる頃にはかなり仲良くなっていた。
「あのラブレターも……?」
「うん。この学校に転校してきて、別のクラスだけど咲君が居るって知ったから。」
「つまり……」
俺は緊張しながら聞く。
「私は…ずっと君の事が好きでした」
女子からの告白。
普通なら一発OKで付き合うだろう。
でも俺は違った。
「ごめん」
俺達の間にしばらく沈黙が落ちる。
「だよね…」
「え!?」
ゆずきは分かっていたように告げる。
「だって咲君は同じクラスの羽崎さんの事が好きなんでしょ」
「え、えーと、それは……」
「咲君は昔から変わらないね。困ってる人が居たら放って居られなくてどんな子でも助けてあげる」
ゆずきは一息置くと言う。
「そんな事されたら誰だって好きになるよ」
彼女は微笑みながらそう告げる。
「私は別に無理に付き合ってなんて言わない。だけど……これからも仲良くしてほしい」
ゆずきは珍しく甘えるように言う。
「分かった」
俺は頷いた。
~一方その頃~
私は緊張しながら2年生のフロアに来ていた。
「あの……」
「うん?君は1年?」
先輩が聞いてくれる。
(言わなきゃ……)
「あ、えーと、前川先輩居ますか?」
「鈴、呼ばれてるよー!」
「お、あの時の一年生、えーと咲花ちゃんだっけ?」
先輩は私の前に来ながら言う。
「はい。ちょっと良いですか……。」
~~
私は先輩と廊下で話していた。
「なるほど。ついに告白するんだ」
先輩は意外そうに言う。
「それで話を聞いてもらおうと思って」
私はモジモジと告げる。
「うーん。私から言えるのは後悔しないようにした方が良いって事と、場所はなんか思い出の場所があるならそこが良いと思う。まぁ、それは私がそうだったからなんだけどね」
先輩は苦笑する。
「分かりました…!」
私は力強く返事をした。
~~
下駄箱に来ると丁度羽崎さんが居た。
「待っててくれたのか?」
「ううん。用事があって今から帰る所…だよ」
「じゃあ一緒に帰るか」
「うん」
羽崎さんは嬉しそうに笑った。
俺達は校門を出るとしばらくお互い話さずに歩いていた。
すると羽崎さんが俺の手を取る。
「ちょっと寄り道良いかな」
「う、うん」
俺は羽崎さんに引っ張られるようにあの道を走り、あの時と同じ河川敷の土手に着いた。
「咲君、ラブレターの返事はなんて言ったの?」
羽崎さんは緊張したように聞いてくる。
(ラブレター気づかれてたー!?)
俺は一息置くと言う。
「断ったよ」
「え‥‥。」
緊張と恥ずかしさで心臓の鼓動が速くなるのを感じながら俺は告げた。
「俺が好きなのは羽崎さんだから」
「!?」
「だから‥‥その‥付き合ってください」
俺は頭を下げる。
まさか俺がこんな事を言うようになるなんて自分でも思わなかった。
羽崎さんはみるみるうちに顔を赤くする。
「わ、私も…」
ズルッ
あの時の俺のように羽崎さんが足をすべらせて、土手から落ちそうになる。
「あっ……」
口より身体が先に動いていた。
俺は羽崎さんを抱きとめる。
お姫様抱っこの体勢だ。
羽崎さんは顔を真っ赤にしながも言う。
「私も…こんな私と一緒に居てくれて…一緒に悩んでくれる……そんな咲君の事が好き……ううん違う………大好き…だよ…//」
そう告げる顔は本当に恥ずかしそうで、でも嬉しそうで……愛らしかった。ずっと守ってあげたい"静かな花"のようだ。
「俺も好きだ」
「咲君……//」
俺と羽崎さんはお互い何も言わずに唇を近付ける。
チュッ
俺は羽崎さんをお姫様抱っこしながら唇を合わせた。
ハッ
俺達は顔を離す。
「一つお願いして良い……?」
「おう」
俺はドキドキしながら待つ。
「つ、付き合ってるんだし、さ、咲花って呼んでほしいな//」
羽崎さんは恥ずかしそうに俯きながら告げる。
「さ、咲花」
俺は恥ずかしさを我慢して呼ぶ。
「うん」
"咲花"は嬉しそうに笑う。
「お前らは本当にお似合いだな」
俺と羽崎さんは同時に同じ方を見る。
「木嶋!?」「木嶋君!?」
土手の上に木嶋が居たのだ。
「さ、咲君、恥ずかしいから下ろして…//」
羽崎さんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。
「おう…」
俺は羽崎さんを下ろすと木嶋に向き直る。
「で、いつから居たんだ?」
俺は思わず聞く。
「ラブレターの返事をどうしたかってところだな」
「最初からじゃねぇーか!」
羽崎さんはより一層顔を真っ赤にしている。
俺はフッと笑うと木嶋に言う。
「木嶋"も"お幸せにな」
そう。俺は木嶋より先に彼女を作ったのだ。
これくらいは良いだろう。
木嶋は意味を理解したらしくニカッと笑うと
「あぁ。そうだな」
それだけ言うと何処かへ行ってしまった。
それからしばらくの間俺達の間に沈黙が落ちる。
「じゃ、帰るか」
俺が提案すると羽崎さんは頷くと手をこちらに差し出す。
「は、恥ずかしいんだが……」
俺は苦笑しながらも手を出す。
すると羽崎さんは俺の手をぎゅっと引っ張ると恋人繋ぎにする。
お互い顔を真っ赤にしながら歩いたのは言うまでもない。
~次の日~
「おはよう…羽……じゃなくて咲花」
俺は名前呼びに慣れず、苗字で呼びそうになってしまう。
「咲君、おはよう」
羽崎さんは俺の手を取ると繋ぐ。
「て、手を繋ぎながら行くのか!?」
「つ、付き合ってるんだから良い…よね」
「おう……」
俺は周りからの視線に恥ずかしくなりながらも歩いた。
~~
ガラガラ
教室に入ってからも視線が凄い……
机に着いた所で手を離す。
(ふぅ、恥ずかしかった……)
すると後ろの咲花の席に数人の女子がやってくる。
「ねぇ…咲花ちゃん、今、西村君と手を繋いでたけど……もしかして付き合ってるの?」
後ろから聞こえた声に俺はドキッとなる。
「うん……//」
花咲さんは恥ずかしそうにしながも頷く。
「おぉ!」
ちなみに前に座る俺も恥ずかしかったのは言うまでもない。
~放課後~
俺と花咲さんは行きと同じように手を繋ぎながら校舎を出る。
すると斜め前に木嶋……それに委員長が居るのが見えた。しかも俺達と同じように手を繋いでいる。
(木嶋も良かったな)
木嶋も告白に成功したようだ。
俺は隣を歩く咲花を見る。
俺だって今なら胸を張って言える。
俺は羽崎さん…いや咲花の事が大好きだ。
~数年後~
高校を卒業した俺達は大学に行っても付き合っていた。
ちなみに咲花は俺や自分みたいに虐められてしまった子が自分のように心を閉ざないでほしいと臨床心理士になって、自分のような子を助けている。
俺は俺で高校の検定など経験を活かしてシステムエンジニアになった。
そしてお互いが働き出して1年が過ぎたある日。
俺達は再びあの河川敷の土手に来ていた。
「急に呼んでどうしたの?」
咲花が不思議そうにしている。
俺は深呼吸をすると言う。
「お、俺と結婚してください」
「咲君……え、えーと、はい。お願いします……//」
咲花は顔を真っ赤にしながら頷く。
「い、良いのか?」
余りにあっさり過ぎて俺は聞き返してしまう。
「うん。私も咲君が大好きで……あ、愛してるから……//」
「おう……お、俺も愛してるぞ…//」
チュッ
咲花と俺は夕陽が照らす中熱いキスを交わし、そして無事結婚した。
end
最後までお読み頂きありがとうございます
ついに二作目の完結をする事が出来ました。
ちなみにまだ未定ですが静花のスピンオフ的な話を書けたらな〜とは考えてます。
そして静花の続編も現在絶賛執筆中です。
一応静花の逆で主人公がヒロインに引っ張ってもらうようなそんな作品の予定です。
最後に静花を半年以上お読み頂きありがとうございました!"咲花ちゃんマスク"「ペコリ」(笑)




