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静かな花は君と咲く  作者: 糸田小太
学校編
10/13

番外編 羽崎さんと一日お出かけ!

今回は検定に合格したので羽崎さんとデート……では無く買い物……さらに!?


俺は神戸市の中心地、三ノ宮に来ていた。


まぁ三ノ宮は最近再開発をしてるからかなり工事中な場所も多いけど。


そして俺はアーチ状のオブジェの前で待っていた。


「お…おーい…咲君〜」


駅の放送から聞き慣れた声と共に小柄な女の子が小走りで向かってくる。


「ま…待たせちゃった?」


羽崎さんは申し訳なさそうに言う。


「いや、待ってないよ」


と言うか俺が張り切って早く来すぎなのだが……


「良かった……じゃ、行こっか」


俺は羽崎さんと歩き出した。



「にしても何で俺なんだ?買い物なら女子と行ったて良かったんじゃないのか?」


羽崎さんは最近少しずつクラスのみんなと打ち解けてきていて女の子の友達も居るはずだ。


「と、友達だから……」


「だったら女友達でも良いんじゃ……?」


俺は意味がわからず聞き返す。


「た、ただの友達じゃない…から」


羽崎さんは顔を赤らめながら俯きながら言う。


(ちょちょ、それって好きな人とか…そう言うことだったりするのか!?)


俺は驚きつつも冷静になる。


(まぁ、そんな訳は無いだろう…多分)※鈍感


そんなこんな俺達が最初に向かったのは三宮センター街だ。


JRの駅で言う所の元町まで続く商店街で、色んな店がある。


ワイワイ ガヤガヤ


周りの人が増えてきて俺達はかなり離れつつあった。


(このままじゃハグレそうだな…仕方ないか)


俺は恥ずかしさを押し殺して羽崎さんの手を取る。


「!?//」


「は、ハグれるかもしれないから…手繋いどこうぜ」


顔がジリジリと熱い。


そして手には温かくて柔らかい羽崎さんの手の感触。意識しないのは無理と言う物だ。


ドキドキ


(物凄く恥ずかしいしドキドキするんだが……)


それから直ぐに羽崎さんが言う。


「あ、あそこ行ってみたい……」


羽崎さんが指さしていたのはガチャガチャのお店だった。


「おう」


俺達は店に入る事にした。


「色々あるね」


「だな」


キャラクター物からミニチュアからミニフィギュアまで色々なガチャがある。


「これやってみようかな…」


羽崎さんはそう言うと動物のキーホルダーのガチャにお金を入れて回す。


ガラガラ ガポッ


「咲花ちゃんマスク「しょぼーん……」」


出たのは猫のキーホルダーのようだった。


「羽崎さんはどれを当てたいの?」


俺は聞いてみる。


「犬のやつだよ…」


「分かった」


俺は同じガチャにお金を入れると回す。


ガラガラ ガポッ


「おっ」


「えぇ!?」


何と俺は一発で犬のキーホルダーを当てた。


「ほら、欲しかったんだろ」


俺は羽崎さんにキーホルダーを差し出す。


「良いの?」


羽崎さんは申し訳なさそうに言う。


「良いよ。今日誘ってくれたお礼だ」


「ありがとう」


羽崎さんは嬉しそうにしている


(良かった…当てれて)


正直当てれるかドキドキだったし、出るまで何度もやるつもりだったが一回で済んで良かった。


俺達はガチャガチャのお店を出るとしばらく歩き、

センタープラザに入った。


一口にセンタープラザと言ってもセンタープラザ西館、センタープラザ、さんプラザの3つがある。まぁまとめてさんセンタープラザと呼ばれる事もある。


俺達は真ん中のさんプラザから入り、色んな所を観て周った。


~1時間後~


「周ったなぁ」


「咲花ちゃんマスク「楽しい」」


すると目の前にある時計から音楽が流れてくる。


「?」


「この時計、毎正時に音楽が流れるんだよ」


そうこの時計、もといマゼラン時計は毎正時にピエロの人形が歯車を回して色んな曲を奏でてくれる。

まぁ、震災などで壊れてる部分も多いのだが。


「この曲は……」


俺が曲名をど忘れしていると羽崎さんが言う。


「い、家路だよ……。」


「そう!羽崎さんよく知ってるね。こう言う曲好きなの?」


俺が興味本位で聞く。


「お母さんがこう言うの好きだから…聞かせてくれて、覚えてただけだよ」


「へぇ、そうなんだ」


(俺の母はこう言う曲に余り興味ないんだよな)


すると音楽が終わり、人形が止まる。


「一カ所寄りたい所があるんだけど良いかな?」


「どこ?」


羽崎さんとエスカレーターを上がると歩く。


「ここだよ」


俺は"一見すればただの通路"をスマホで撮る。


「何なの?」


「これ、見たことあるだろ」


ア◯メイトのショーウィンドウに置かれた立て看を見せる。


「これってれなタン…だっけ?」


「そう、ここがれなタンのアニメで出てきたんだよ。言わゆる聖地だな」


俺は通路や立て看をパシャパシャと撮る。


「むぅ〜、れなタンばっかり…」


羽崎さんは嫉妬したようにむくれていてむしろ可愛い。


「まぁ、一番は…羽崎さんだけどな……って何言わせんだよ…俺達別に付き合ってるわけじゃないが」


俺は照れたように頬をかきながら言う。


カァー


羽崎さんが顔を赤らめる。


「ありがとう…//」


俺と羽崎さんは次の場所へと歩き出した。



俺達はさんプラザ西館に来ていた訳だが、羽崎さんはある場所で立ち止まる。


それはゲームセンターだった。


クレーンゲームを中心に色々な物があり、羽崎さんは目を輝かせながらキョロキョロと色々見ている。


「おっ……」


俺はあるクレーンゲームを見つけて立ち止まる。


それはれなタンのぬいぐるみだった。


「咲君、もしかしてそれが欲しいの?」


「う、うん」


すると羽崎さんはお金を入れて、ササッと位置を合わせるとボタンを押す。


そしてゴール寸前までぬいぐるみが移動する。


羽崎さんは更にお金を入れると今度は的確にゴールにぬいぐるみを落とす。


流石は羽崎さん、クレーンゲームも得意のようだ。


「はい。欲しかったんでしょ…?」


「あ…あぁ、だけど良いのか?貰っちゃっても」


「うん。今日付き合ってくれた事とガチャガチャの時のお礼……あと1番って…い…言ってくれたから」


羽崎さんは熟したトマトの様に顔を真っ赤にして、アホ毛を揺らしながら言う。


俺は羽崎さんはぬいぐるみを受け取った。


その後も俺達はゲーセンを周った。


まぁ俺は掴めても落ちて一回も取れなかったが……



一通り楽しんだ俺と羽崎さんはゲーセンを出た。


俺はスマホで時間を見てお昼過ぎである事に気付くと羽崎さんに聞く。


「そろそろお昼ご飯にするか?」


ぐぅ〜


すると羽崎さんが声を出すより先に返事をするようにお腹が鳴る。


羽崎さんは恥ずかしそうに顔を耳まで真っ赤にしながらコックリと頷いた。



俺は羽崎さんとオススメのとある店に向かっていた。


「どこなの?咲君のオススメのお店って?」


羽崎さんは不思議そうに聞いてくる。


「ここだよ」


俺がオススメしたのは一◯楼である。


「豚まん?」


「そう」


すると羽崎さんは目をキラキラ輝かせた。



俺と羽崎さんは豚まんを買って、店内で食べる事にした。



店内はオレンジ色の壁に白い水玉模様が入っている明るい雰囲気だ。


「「いただきます」」


俺と羽崎さんの声が重なる。


「あっ…」


お互い顔を見合うとどっちともなく笑い出す。


「とりあえず食べようか」


「そうだね…」


パクッ パクッ


「おいしい」


羽崎さんはニコッと微笑む。


最近、羽崎さんは俺に色んな表情を見せてくれるようになった。最初の頃はやっぱり男である俺への警戒心もあったのかぎこちなかったが……。


「俺の中で豚まんって言ったらここだからな。母が良く買ってきてくれたからだが。」


「だから551とかは殆ど食べた事が無いくらいだし」


「551ってあの、あるとき〜ないとき〜のやつだよね」


羽崎さんは関西では有名なあのcmの口調を真似る。


「あぁ、それそれ」


それから俺達はしばらく喋りながら豚まんを食べた。



「「ごちそうさまでした」」


二人で手を合わせた。


「このあとはどうする?」


羽崎さんは少し迷ったように首をかしげると言う。


「もう少しこの編の店を周ろうよ」


「おう」


俺達は店を出て歩き出した。


~数時間後~


「色々見たね……」


羽崎さんは満足そうな顔でこちらを見ながら言う。


「そうだな!」


俺はそれどころではなかった。


夕方になって人が増えてきたので再び羽崎さんと手を繋いだのだが、周りからの視線が凄いのである。


(絶対恋人同士だと勘違いされてるだろ…)


思わずそんな事を思って直ぐに肩を叩かれて俺は振り返る。


「よっ」


俺達の隣を木島…それと俺達のクラスの委員長こと、上村さんが居た。


「お前と羽崎、手まで繋いでるって事は付き合ってるのか?」


木島がニヤニヤと聞いてくる。


「ち、ちげぇよ!人が多かったから繋いでただけだ」


俺はやけくそ気味に言い返す。


「てか、木島こそ委員長と二人でどうしたんだよ?もしかして付き合ってたり……」


俺はやり返しのように言う。


「ちげぇわ、なんと言うか成り行きでこうなっただけだ」


木島はらしくもなく顔を赤らめながら言う。


見ると委員長もほんのりと赤かった。


「じゃ、またな」


「あぁ、そっちこそイチャイチャすんなよ」


「うっせぇよ」


それだけ言うと歩き出す。


気付けば羽崎さんも顔を赤らめていた。


「べ、別にアイツの言う事は気にしなくて良いからな」


「わ、分かった……」


~♪


すると羽崎さんのスマホが振動する。


「あ、お母さんから電話…ちょっと待ってて」


「おう」


羽崎さんは立ち止まると耳にスマホを当てる。


「だから、で、デートじゃないって……//」


聞こえてくる言葉に俺は思わずドキッとする。


当たり前だが羽崎さんと二人きりなんだからデートと言ってもおかしくは無いのだ。


俺は意識しないようにしながら電話する羽崎さんを待っていた。


~数分後~


「ごめんね。待ってもらって…」


申し訳無さそうな表情の紙を持ちながら羽崎さんが言う。


「いや、それは別に良いが何の電話だったんだ?」


俺は電話中に羽崎さんの表情が曇ったのが気になっていた。


「お母さん、今日は仕事で帰れないみたいで…」


「それは災難だね」


「お父さんも泊まりの仕事だから、今夜は家に私一人」


「えぇ!?大丈夫?」


大丈夫と聞くことは出来たが続く言葉は言えなかった。泊まりに行こうかのひと言が。


「う、うん。でも今までこんな事は無かったからちょっと怖い……」


すると羽崎さんは顔を耳まで赤くしてこちらを上目遣いで見ながら告げる。


「咲君が一緒……だったら大丈夫…かも//」


「それってつまり…」


「うん。泊まりに来てくれない……かな//」


羽崎さんは恥ずかしさからか最初に会った頃のように小さな声で告げる。


「分かったよ」


そんな彼女の願いを拒否出来るわけが無かった。




あれから俺は自分の家に一旦帰ったあと、羽崎さんの家へと向かった。母には木嶋の家に泊まると言ったので大丈夫だろう。


そして日も暮れかけた頃に着いた。


ピーンポーン


「はい…」


「俺だよ」


「どうぞ…」


ガチャ


俺は玄関を開けるとドキドキしながら入る。


するとキッチンには私服に前と同じエプロンを着けた羽崎さんが居た。どうやら夕飯を作ってくれていたようだ。


「あまり凝ったものは作れないけど……もうちょっとで出来るから待っててね」


羽崎さんは少し申し訳無さそうに言う。


「いや、羽崎さんの料理は美味しいから何でも食べるよ」


「そ、そう……あ、ありがとう」


羽崎さんは耳まで真っ赤にしながら嬉しそうに言う。


それからしばらくして夕飯が出来たと羽崎さんに呼ばれた。


「おぉ、焼きそば!」


「うん。これなら手早く出来るかなって」


確かに。俺は心の中で納得する。


「「いただきます」」


俺は一口食べて驚いた。


良く食べる市販の味とは一切違う味で凄く美味しいのま。


「これ、羽崎さんが味付けしたの?」


「うん…お母さんに教わった味付けを少しアレンジしただけだけど…」


羽崎さんは苦笑する。


「それでも凄く美味しいよ」


「あ、ありがとう…」


俺達は二人で焼きそばを完食した。


~数時間後~


俺は羽崎さんにExcelの復習に付き合ってもらっていた。正直一人じゃ問題集から調べるだけで精一杯だっただろう。


時計を見た俺は9時を過ぎていた事に気付く。


「そろそろお風呂入らなきゃな。羽崎さん先にっ…」


「い、一緒に入らない……?」


「はっ、はぁー!?」


俺は一瞬意味が分からなかった。


(ちょ、それって…)


心臓の鼓動が速くなるのを感じる。


自分では意識している気は無いのに…。


「じょ、冗談だよ…からかっただけ……エヘヘ」


そう言って微笑む羽崎さんは今までで一番可愛かった。


(俺、完璧にからかわれたな……)


例えるなら羽崎さんが高◯さんで俺が西◯みたいな感じだろうか。


(いつか俺もからかってやる)


心の中で俺は決めた。



~1時間後~


無事お風呂を上がった俺と羽崎さんは再び羽崎さんの部屋に来ていた。


羽崎さんも既に寝間着を着ていて、薄黄色の生地に白い水玉模様が入っている落ち着いたデザインで羽崎さんらしいなと思う。


「あの…寝るの私のベッドで二人で寝る形で良いかな?」


「え?えぇー!?い、良いけど…え!?」


再び心臓の鼓動が速くなるのを感じる。


(羽崎さんと同じベッドで……寝る)


俺はドキドキした気持ちのまま、羽崎さんのベッドに入る。


カチッ


羽崎さんも部屋の電気を豆電にして入ってくる。


横に入る羽崎さんの体温を感じで鼓動が早くなるのが分かる。


(まさかこんな日が来るとは……)


話すのが苦手だった俺は高校でも話したりできずに卒業すると思ってたのに、こんな可愛い女の子の部屋に泊まる事になるなんて。


「起きてる……?」 


「お、おう」


と言うか隣で羽崎さんが居るのを意識しすぎて寝れないのだ。


「今日はありがとう……私のお願いを聞いて泊まってくれて……」


「いいよ。別に…羽崎さんの為……だし」


俺は余りの照れくささに反対を向きながら言う。


背中越しにクスッと羽崎さんが笑ったのが分かった。


~数分後~


すや〜


隣では咲君が寝ている。


そう考えると私は寝付けないで居た。


そんな私は体を起こすと咲君の顔を見る。


チュッ


「私、咲君の事が好き」


寝ている咲君にポツリと呟く。


いつかは面と向かって言いたいな。



おわり










最後までお読み頂きありがとうございます!

今回は買い物と共にまさかのお泊り会になりました。想定外に長編になったので執筆に時間が掛かりました。すみませんでした

さて羽崎さんは面と向かって言えるのか?

次回以降もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
今回の回もいいですね。三ノ宮の風景がよく描けています。 それに二人の距離がどんどん縮まっていきますね。
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