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能力強化機の話。2

「能力強化機の話。」の続きです。

「光って言われてイメージするのは...そうね、カメラとか、虫眼鏡とか...」

亞夏巴が言った。

「なんかこう、もっと小さなものがいいんだよね...」

と私としては、正直カメラとか虫眼鏡とか、常に持ち歩くには不自然なものは避けたい。

「ワガママだなぁ...」

お姉ちゃんが苦笑しながら言った。

「常に身に着けてても違和感ないのがいいんだよね...むしろあって当然!くらいの」

「...ヘアピンとか、髪留めはどうだ?」

これまで黙っていた迅が急に言った。

「おぉ!迅くん女子力高いね!」

それは思いつかなかったと言わんばかりに、蒼空のテンションが当社比3倍まで膨れ上がった。

「髪留めか、それなら使いやすいかも。ずっと身に着けてても違和感ないし。よく思いついたね?」

「お前、よく髪を耳にかけてるだろ?それで、ピンで留めればいいのにって思ってたから」

そういえば。言われてみれば、髪が降りてくるのが鬱陶しくて耳にかける動作はよくしている。それもほぼ無意識でしていたけれど。

「迅は私のことをよく見てるね」

「たまたまだよ」

興味がなさそうに窓の外を眺めているけど、少し頬が緩んでいるから照れ隠しだろう。迅は案外照れ屋だ。

それに気づいたのだろう亞夏巴が、

「山形くん、意外と可愛いわね」

と耳打ちしてきたので、

「目つき悪いし言葉遣いも雑だけど、話してみると意外と愛嬌あって面白いよ」

と返した。

「じゃあ由莉の強化機はヘアピンもしくは髪留めってことで大丈夫?」

「うん、ありがとう」

蒼空がメモする。

「じゃあ次は山形くんにしましょうか?」

「さんせーい!」

亞夏巴の提案に、蒼空が乗ったので、私も頷く。

「迅はなにか希望はある?」

「...とくにないけど」

自分のことはなにも考えていなかったらしい。 

「遠くのものを触れると便利じゃない?」

「紐のようなものがいいと思うんけれど」

「ネックレスは?長めで、革製のやつ。外して鞭みたいに使うの。あとこう、伸ばして金属的な性質にして細い剣みたいにするとか!」

「じゃあそれで」

私の意見に雑に乗ってきた。

「迅君...ちゃんと考えた?」

お姉ちゃんに疑われるが、

「考えた結果合理的だと思った。長ければ長いほど遠くの対象に能力を使える。それ自体の強度さえあれぱなんとでもなる」

と言って用紙に書き込んでしまった。

正直そこまで考えてなかったけど...

「まあ、迅くんがそれでいいならいいや」

飄々とした迅の態度に諦めのため息一つ、亞夏巴の話に移る。

「じゃあ次は亞夏巴。なにか希望とか、こういうのがいいとかある?」

「私?私は...ほんとに何もないのよね...」

私の問いに亞夏巴は申し訳無さそうに言った。

「まあそうだよねー...うーん...」

お姉ちゃんがうんうんと唸り始めたので、私は先に亞夏巴に聞いてみることにする。

「やっぱりアクセサリーとかが便利かな?」

「私バスケ部だから部活中邪魔になるかも」

「え!!!バスケ部だったの!?」

「あれ、言ってなかったかしら?」

「初めて聞いたよ...」

「しゃべり方とか、バスケ部って感じしないよな」

迅がまた余計なことを言ってる。

「まあ、正直私もそう思うわ。直したほうがいいかしら」

「そのままでいいと思うけどなぁ。私は好きだよ、その話し方。落ち着いてて、大人っぽいし」

「お前も見習いな」

私の言葉に迅が茶々を入れてきたので、

「うるさいよ」

とだけ言って迅の手の甲をつねった。

「いてて、ごめんて」

「思ってないでしょ!」

まったく...。

「山形...美少女三人に囲まれやがって...」

「その上瀬戸川妹ちゃんといちゃつくとは」

ギルティ、ギルティ、と重なる声が聞こえた。

大変だと思うけど頑張ってね。

という目で迅を見ると、

「...後で覚えてろよ」

と、恨めしそうに睨まれた。

「自業自得。諦めたら?」

「いいや、逃げるね。授業が終わり次第脱兎のごとく」

なんて適当言っていると。

「お前ら進んでんのかー?」

と、適当な声が上から降ってきた。

「早く終わらせちまえよー..ってまぁ、大丈夫か」

声の主は担任の三滝先生だった。

若いわりに適当でやる気がないけど、仕事はきっちりやってるらしい。一部の女子には人気らしい。

「あ、先生。実は...」

かくかくしかじか。

「特に困ってないか。はっはっは、そうかもなぁ。」

朗らかに笑う先生。

「だけどな、強化機と言っても増強するだけがそうじゃない、抑え込んだりコントロールするのも一つの強化だ。だから俺はブースターって表現は好みじゃないんだが...」

ともかく、と先生は続ける。

「いろんな方向から考えてみるといいかもな。いろんな見方ができると、今後も役に立つかもしれないぜ」

言うだけ言って、ほかの班に行ってしまった。

「抑え込む、か。...あ!」

「お姉ちゃん、何か思いついた?」

ひらめいたっ!といった様子で、

「靴とか手袋とかどうかな!鱗粉を纏わせて、それで人とか物に触れれば!」

「確かに、それは便利かもしれないわね…近接相手に強くでれる。よく思いついたわね?」

「抑え込むって聞いて、普段は拡散してる鱗粉を集めて対象に触れたら便利そうだと思ったから」

「...思ってたより単純な理由ね。でも、これでいきましょう」

「やったぁ!」

自分の案が通って喜んでいるけどお姉ちゃん。

「お姉ちゃんの分はまだだよね?」

「あ、うん、まだだよー」

ふと思ったことを口に出す。

「お姉ちゃんはチョーカーとか良さそうだよね」

そういうと不思議そうに首を傾げて、

「何でチョーカー?」

と聞いてきた。

「似合いそうだなって思ったんだー。...ホントにそれだけなんだけど」

「よし、そうしよう!」

と言ってもうメモされてしまった。

「それでいいの..?]

「いいんだよ、そのくらい気楽に決めたほうが気持ちも楽だし、それに由莉が考えてくれたからねー」

まあそれでいいならいっかぁ...。

「じゃあこれで提出してくるねー。詳細を詰めるのは次の授業だっけ?」

「そうね」

「それまでにいろいろ考えとかないと!」

と言って先生の所にプリントを持っていくお姉ちゃん。

なんか最近、やけに楽しそうだなぁ。

お姉ちゃんが席に戻ってくると同時に、授業終了のチャイムが鳴った。

3はある予定ですが、ないかもしれないし、他のタイトルになるかもしれません。

単純にネタが思いつき次第書きます。

そんなことよりもぼっちクリスマスです。予定がありません。スケジュール帳が一面銀世界です。

場も冷えたところで終わりにしましょう。クルシミマスの方は一緒に強く生きよう、メリクリってる方は楽しんで。瀬野でした。

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