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誰がための存在証明(レゾンデートル)  作者: リョウト
Fourth Chapter ~Fire Fear Find~
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第65話 消されるなら他人を巻き込むなよ

 ああ、目論見が外れるとここまで短く。たまに複線を忘れます。で、回収不可能になってから気付きます。何かは言わない。

 とりあえずスマブラでフィスマアイテムコンプッてどうすればいいんです?

 ~宿屋【ストリングス】~


 模擬戦、もとい、PvPを終え、宿に戻った5人を待っていたのはソファに腰掛け、とても不機嫌そうな顔でぶつくさ言いながらウィンドウに何かを書きなぐっているローゼだった。それを見たハル、レイヴン、チェリッサ、ピィニィは時が凍りついたように固まるが、セリオはまるで気にせずにローゼの後頭部を平手ではっ叩く。


「「「ちょ!?」」」

「ったぁ!? 何するんだセリオ!」

「……負けたの?」


 セリオの言葉に、ローゼは言葉も無く頷く。


「はぁ。辛気臭いったらないわ。今のアンタ。で? 無心で書き殴って打開策は見つけたの?」

「とりあえず、剣技、それもカタナのヤツに詳しい人に聞かなきゃどうもならん。そもそも脳科学以外、それも物理学でまともに修めたのは伝導効率と工業力学くらいだ。相手に剣を抜いたことすら気付かせないって次元の業がまず理論ですら分からん」


 その他に修めたのは生物学、化学とかに含まれるだろうし、とローゼが付け加えるのを聞いて、セリオは思案顔で顎に指を這わせた後、提案する。


「あんたの知り合いに詳しそうなのは?」

「携帯衛星通信機持ってるにも拘らず連絡が取れん」

「そう。なら私の家に着なさいな」


 一瞬の沈黙の後、外野がわいわいと騒ぎ立て、一気に喧騒に包まれる。


「だ、大胆! 一端のレディが男を家に招くなんて!」

「は、二十歳ともなると男子高校生には思い寄らないほどオトナだっ!?」

「ぬ、抜け駆け禁止だって!」

「右に同じく同意する!」


「あんたら纏めて首掻っ捌くわよ」

「「「「すいませんでした」」」」


 騒ぎ立てるギャラリー共に、顔に影を落とし表情が見えない状態で小太刀の刀身を少し見せ、ドスの聞いた声で脅すことで黙らせる。


「全く。何勘違いしているのかしら。私の家、剣術の道場なのよ。相手が剣使いなら思い当たるところもある。でも、私よりも父さんのほうが詳しいから。それ以外の深い意味は無いわ」

「俺あの人苦手なんだけど」

「知らないわね」

「いやでも」

「でも?」

「……行かせて頂きます。背に腹は変えられない」

「宜しい」


 セリオの提案に、ローゼは苦々しい顔で受ける。そしてローゼは立ち上がって階段のほうへと歩いていく。


「あの人の相手疲れるし……さっさと寝るか」

「ああ! ちょっと!」


 階段に足をかけるローゼにレイヴンは大声で静止をかけ、己の身の丈以上の長さの刀を片手で軽々とローゼに投げ渡す。


「この間の箱、アレヤバイものってわかりましてね。引き取るにもデメリットがヤバイのでそのまま預かってもらえると嬉しいな、と」

「この間の箱? あぁ、アレか。恐らくだが、Shining Trapezohedronって所か? ディアヴォロの時だったら使ってたかもな」

「……気付いてるなら、決して他人の居る場所で使わないでくださいよ? 何故知っているかは聞かないで置きますが。それと折っても代わりとか打ちませんからね」

「リスク管理は自分でやるさ。それと、聞かなくても知りたそうだし特に不利益も被らないから教えておこう。類似品を目にしたことがある。それを基にした計画があってな、潰した」

「……消されるなら他人を巻き込むなよ」

「キミに言われたくは無いねぇ」


 ローゼはそう言い残すと静かに自分の部屋へと戻っていき、レイヴンはぶつぶつと何かを呟いたかと思うとその場から姿を消した。

 ローゼとレイヴンの会話、それも相当不穏当なものを聞いて、セリオ以外は皆首をかしげ、セリオは顔に指を這わせ、ソファに座って考え込む。


「え、レイヴン何か危険物渡したの? ……トラペなんたらって何?」

「シャイニングだから輝いてんの? ねぇねぇ宇宙的な何か?」

「……宇宙的な何かといえば何かだけど、なんでそれに慄いて、かなり穏やかじゃない単語ばかり並ぶのか分からない。お守り程度に何を驚いてるのか」

「……いや、まさか、ね」

「セリー、なんか分かるの?」


 セリオの呟いた言葉にハルが反応し、セリオは手をぶんぶんと振る。


「創作物に思い当たるものがね。でも、仮説に過ぎないし根拠に乏しい。そもそも風俗学ってのは専攻じゃないのよ」


 セリオは立ち上がり、自らも階段を上り始める。


「ま、調べたいことがあるから私は寝るわ。チェリッサ、ピィニィ、あんたら明日一限からでしょ。さっさと寝なさい」

「え? は、セリオは?」

「三限。それに単位はほぼもう確定よ。後は必要最低限の講義受けて御仕舞い。論文ももう提出したし」

「え!? ずっこい!」

「ま、気ままな学生生活の一環としてこのネトゲやってんの。この間は習ってた事微塵も生かせなかったけれど、実戦経験に乏しいから」


 セリオは僅かに微笑みながら手を振って自分の部屋へと戻っていく。

 そんなセリオの後姿を3人はただ静かに見送っていた。珍しい。

 とりあえず棒田丸田の出番作らなきゃなぁ。

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