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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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EP 29

勇太たちが乗り込んだのは、ニャングルが手配した中型でも特に美しく豪華な帆船だった。

マルストアの旗を掲げた船が、仲間たちや領民たちの盛大な見送りを受けながら、ゆっくりと港を離れていく。目指すは、紺碧の海に浮かぶ白亜の楽園、シレーナ島だ。

心地よい潮風が、広く磨き上げられたVIP専用デッキを吹き抜ける。

「わぁ~! 勇太さ~ん、見てください! 海がキラキラしてて、とっても綺麗ですよ~!」

キャルルは兎耳をパタパタさせ、子供のようにはしゃぎながら手すりから身を乗り出している。

「勇太、ほら。こっちへ来て、一緒に見ましょう。潮風が気持ち良いわ」

リーシャも、優雅に微笑みながら勇太を手招きする。

二人の美しい妻に両側から腕を組まれ、勇太は照れながらも、至福の時を噛みしめていた。

「ああ、本当に綺麗だな……」

そんな三人のあまあまな光景を。

デッキの隅のデッキチェアに深く沈み込み、勇太から渡された『真っ黒なサングラス』をかけ、腕を組んで仏頂面をしたイグニスが遠い目で見つめていた。

(……サングラスのおかげで物理的な光は防げてるが、精神的なダメージは貫通してきやがる……)

しばらくして、キャルルが何かを思いついたように、キラキラした目で勇太を見上げた。

「ねぇねぇ、勇太さん! 島に着いたら、絶対に海で泳ぎたいです! だから、その……水着? っていうのを着てみたいんですけど~!」

「あら、いいわね! 異世界の海着(下着のようなもの)は少し動きにくいし……勇太、あなたのその不思議なスキルで、私たちのために『最高の水着』を出してちょうだい」

「ええっ!? 最高の水着って言われても……」

戸惑う勇太だったが、二人の妻の期待に満ちた(そして少しだけ上目遣いの)視線に負け、すぐさま『地球ショッピング』を起動した。

途端に、目の前の半透明のスクリーンに、地球(日本)の最新トレンドを取り入れた色とりどりの水着が何百と表示される。

吸水速乾、UVカット素材、そして何より――異世界の常識を覆す、洗練されたデザインの数々。

「わぁ! あ~、コレなんて可愛いんじゃないでしょうか? フリルがいっぱい付いてて!」

キャルルが指さしたのは、純白の生地に淡い水色のフリルがあしらわれた、可憐なビキニだ。彼女の純真さとスタイルの良さを120%引き出す、まさに『破壊力抜群』のデザイン。

「ふぅん……。こっちはどうかしら? ……あらやだ、ずいぶん布面積が少ないわね。でも……勇太のためなら、良いかもしれないわ」

リーシャが見つけたのは、黒を基調とした、大人っぽく大胆なホルターネックのビキニだった。胸元の谷間とスレンダーな腰つきを完璧に強調するデザインに、彼女はちらりと勇太の反応を窺うように、蠱惑的に微笑む。

「……ッ!!」

それを実際に着た二人を想像してしまった勇太は、あまりの刺激の強さに鼻血を吹き出しそうになり、慌てて天を仰いだ。

(地球の最新水着の破壊力、ヤバすぎるだろ……! これを島で着るのか!? 僕の理性がもつのか!?)

その甘すぎるやり取りと、勇太の鼻の下が伸びきった顔を遠くから見てしまったイグニスの心は、もう限界だった。

(……やっぱり、来るんじゃなかった……! 肉! 早く俺に美味い肉を食わせろォ!!)

そんなこんなで、竜人の精神力が削り取られる数日の船旅を経て。

一行の目の前に、ついに目的の島が見えてきた。

「おぉ~……! なんて綺麗な街なんだ。建物が全部、白亜で統一されてる……」

港から見える、段々畑のように連なる白い街並みと、底まで透き通るようなエメラルドグリーンの海。その美しさに、勇太は思わず感嘆の声を漏らす。

「ええ、ニャングルも本当に良い所を紹介してくれたわね。空気も、マルストアとはまた違って、南国特有の甘い香りがするわ」

「あっ! 勇太さん、見てください! あっちに、すっごくカラフルなトロピカルジュースを売ってますよ!」

キャルルが、早速美味しそうなものを見つけて指をさす。

白亜の街並み、陽気な音楽、そして甘い誘惑。

四人の(イグニスにとっては試練の)心躍るハネムーンが、今、最高のテンションで始まろうとしていた。

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