Amber, lost humanity その3
いつもとちょっと書き方を変えてみました。
「Disaster Eclipse!」
「...『薙ぎ払われた大地』」
あちゃー。結構力込めたんだけど相殺されちゃったか。いや相殺というかこれ、逆に食い破られたが正解だ。実際アタシ今耐えきれずに下がっちゃったし。でもその割にはアーちゃん大してMP減ってないような...?もしかして最大MPの何割を消費する的な技なのかな。だとしてもアタシ今神だよ?Disaster Eclipse消せないと思うんだけど...まいっか。
「牡牛の心臓のときから思っていたけどやっぱ強いね。今出した技って何でもかんでも飲み込んで消し去るはずなのにこっちが消されちゃうなんて」
「...まじか...わたしのまじゅつ...ふせいだ......おどろき。ねぇこはく、ほんとにヒト?」
「......まぁヒトじゃないかな☆」
確かにアタシは人じゃない。ゲームでも、現実でも。小さい頃からずっとヒトが食べたかった。「先祖返り」だと、田舎の親戚がヒソヒソ噂してたのを聞いたのは5歳だったっけなぁ。アタシの一族はバケモノなんだと。血が薄まってきたと思ったらあんなのが生まれたって。言うに事欠いて「忌子」だってよ?じゃああの時なんで殺さなかったんだよアタシのこと。
「ああムカつく」
「...なにが?ぼこすこと?」
そこじゃあないんだよな。別に。ぶっちゃけバトることはフツーにすると思ってたし。そうだ。せっかくだしアーちゃんに教えてあげよっかな?目の前の可愛い可愛いこはくちゃんはリアルでも人喰いの化け物ですーって。......あーでも、アーちゃんは「......だからなに?」とか「......そ」とか言いそうだけど。全っ然そういうの気にしなさそ。意外とアーちゃんもアタシと似たもの同士だったりして。なーんてね。
「...そうだね。強いていうならこの世界かな」
「......えっ......わたしっ..?」
いや、なんでそーなるのさ。天然?不思議?もうなんかそーいう次元じゃない気もするけど。ちょっと気が抜けちゃったな。でも戦うのは絶対やめない。アタシ死ぬわけにはいかないんだよね。今正気度0だし、そもそもアタシ今神だから『人でなし』じゃないし。もうアタシは復活の代償を払えない。今死んだら二度とログインできなくなる。アタシはもっとヒトが食べたいし、食べられるならついでに神を食べたい。現実じゃ絶対できない欲をここで満たしたい。ここだったら罪悪感を感じないし、現実では食人衝動を抑えられる。
「動揺してるみたいだけど、それ命取りじゃない?」
まだ謎の理由で謎の動揺をしてるアーちゃんの側まで一気に近づいて、鉈を振り下ろす。頭をカチ割って確実に仕留める。体が神の力で別物になっちゃったからか動きがずっと速い。雷みたいだ。アーちゃんの灰色の髪の毛に刃が刺さってミシミシと骨を割る感覚が伝わってくる。血管が切れて血が吹き出してる。後ちょっと押し込めばそれでおしまい。脳みその一番だいじなところが壊れてゲームセット。
「...『汚染された海』」
「げ!」
アーちゃんが何か呟いたら刃の血に触れた部分がすんごい勢いで腐り始めてる。これ放置してたらアタシも一緒に腐るな。ナタ離すか。ブチっと半ば手とくっついてたナタをもう片方の手で引き剥がし、さっさとアーちゃんから離れるっと。うーんあのナタチリになってる。怖。まぁでも手が開く方が便利だしなんならあのナタ別に大したやつじゃないし。アーちゃんのダメージどう見ても助からない致命傷だしこれで終わり......ん?アーちゃんなんか言った?パテ?ちょっと聞き取れないや。って待って待ってなんか傷治ってんだけど!どゆこと!?
「......むう。ゆだん」
どっちがボスかわっかんないなーこれ。




