サポーター
「んー、分からん!幾ら見ても、その…ヘイジ?」
「イヤ…ヘイグです」
「その、何ちゃらっちゅう人物の画像が見えて来ん」川上は右手にサンライズを持ち、空いた左手で、頭をガシガシ掻き毟った。
「絵が見えないってどう言う事ですか?実際に私はこの目で…て言うのも変か?ゲームの世界には存在してたんですよ」英数字だけが羅列されたモニターを見ても、滝沢にはさっぱり、どんな映像が写し出されているのかは分からない。しかし、短いながらも今までの川上との付き合いで、嘘を言っているとも、間違った事を言っているとも滝沢には思えなかった。
「この、ヘイジっちゅうキャラクターはどんな役目を持ってまんねん?」
『だから…ヘイグだって、まぁ、ここは突っ込むのは、止して置こう』
「このゲームはですね、基本的には一人でプレーするんですが、インターネット回線と繋げば、インターネット上の他のプレーヤーとも共有出来るシステムになってるんです。それで仲間を募れば、ヘイグ、フィリップス、女性キャラのスターシャと言う仲間となって、プレーヤーを助けてくれて…あっ!」
滝沢は、ある事に気付いて、つい、大声を上げてしまった。
「あぁ、何でんねん、あ~ぁ、コーヒー牛乳、溢してもうたやないか」川上の白衣がカフェオレで、うす茶色に染まってしまった。
「ス…スミマセン!つい、思い付いた事があって…」滝沢は川上の白衣をハンカチで拭いた。
「何でんのん?思い付いたって」側に立っていた、瀬戸 愛鈴看護師が、新しい白衣を持って来た。
「サポーターですよ!この世界はオンライン状態になっていて、仲間はサポーターにやって貰わないと駄目なんですよ」滝沢は少し興奮気味に話した。
「サポーターにやって貰うって、どうやって?」流石の川上も理解出来ていない様だった。
「詰まりはですね、もう一人ここへ連れて来て、私と同じ様に脳波計に繋いで貰ってですね…」
川上は滝沢の話しを遮るように両手を前に突き出して、横に振りながら「ハイハイ、分かった、要は、アンタがメープル何ちゃらに行った時、繋いどった、もう一人の脳波のデータをその場所に送ったらエエんやろ?」
『流石は先生だ。飲み込むのが早い』
「そう言う事です」滝沢は腕を組んで首を縦に振った。
「せやけど、もう一人って、誰に頼みますねん?」川上の言う事は、最もだった。滝沢はしばらく考えた結果、一人の顔しか浮かばなかった。
「一人、頼りになる奴がいます」滝沢はニヤリと笑った。




