ジレンマ
滝沢ことリューショーは、いよいよ旅立ちを迎えた。ここからは、手加減なしの真剣勝負だ。
呪文もいくつかは覚えたが、出来るだけ攻撃型のマジカルは控えて、癒やしのマジカルの為にMPを取って置かないといけない。
最終的に、ヤバくなったら瞬間移動のマジカルでヤフゴルドに戻って、元の世界に戻らなければいけない。
まずは、ポーンのエリアだ。ポーンはこの世界で一番弱い敵兵である為、出来るだけ行って、少なくとも次の町のグリーフィードまでは行きたい所だ。
早速、三体のポーンが現れた。レベル12だとランバーソードでも、1ターンで倒せるはずだった。
結局、2HPのダメージを受けたが、3ターンで倒す事が出来た。
しかし、ここから、ポーンのレベルも上がって来る。絶対に死ねないとの川上の言葉もあり、滝沢は改めて気を引き締めて行こうと決意した。
次々とポーンを倒して行ったが、敵のレベルも上がって来て、一撃で倒すのが難しくなって来た。仕方なくリューショーは火炎のマジカルを使わざるを得なくなって来た。
例えば、三体のポーンが現れた時、全ての敵がレベル3以上として、クリティカルヒットが出ない限り、一体に2ターン費やすとして、6ターン費やす事になる。
しかし、火炎のマジカルを使うと、1ターン目に三体全員のHPを半分以下にして、残りの3ターンで一体づつ仕留めて、合計4ターンで済む事になる。この2ターン差をどう考えるかだ。
2ターン少なく済む変わりに2MPを費やすか、2ターン多くかかり、その分ダメージも多く受けるが、MPを節約するか?悩む所だ。
結局、リューショーは無理せずに、ヤフゴルドに戻る事にした。
ヤフゴルドに辿り着けた時、残りHPは13、残りMP14だった。余裕があると言えばあるが、無理をして死んでしまったら元も子も無い。何せ、滝沢にはデータセーブをすると言う選択肢がない為、やり直しも効かないのだ。
普通のゲーム感覚でやっていたら、手痛い目に合う。川上の言うように、焦りは禁物なのだ。
リューショーは悩んだ末、しばらくヤフゴルドの周りでレベルを上げる事を決めた。
製作者側のお勧めするグリフィード到達レベルは13なのだが、ここでレベル20を目指してヤフゴルド近辺に留まる事にした。
多少ヤフゴルドから離れても、レベル3までのポーンと戦い、地道にレベルを上げて行った。そして、いよいよレベル20にまで到達した。
「よしっ!目指すはグリフィードだ!」リューショーは次なる目的地に向けて、叫び声を上げた。




