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新緑騎士団  王都No.1人気の騎士団に男装して潜入し、生き別れた兄を探します  作者: 北村 清
第五章 中の島の攻防

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新たなる波乱の予感

マクスとリーリアが家に着いた10分後ナインハルトが帰宅したそうだ。エントランスで待ち構えていたマクスはすぐさま父親に詰め寄った。


「父上はそんな真似をするほど、ローゼンリール夫人が憎いんですか⁉︎」

「憎いに決まっているだろう!あの女は一度ならず二度までもおまえの事を殺そうとしたんだぞ‼︎」

「・・父上。」

「おまえは子供の頃からぼけーっとした子供だったが、いいかげん他人の悪意というものを自覚しろ!あの女が権力を持っている限りあの女は何度でもおまえや『あの事件』の当事者を殺そうとするだろう。身を守る為にはあの女を権力の座から引きずり落とすしかないんだ。」

「たとえその通りなのだとしても、グリューネバルト伯爵夫人を巻き込むのは僕は嫌です。彼女は僕達の恩人です。彼女が傷つくような事は嫌なんです。」

「国王陛下の関心を引いているというのがそんなに不名誉な事か?むしろ本当に側室に、いや王妃になってくだされば彼女自身もおまえ達もこれ以上ないほど安全じゃないか?」

「本気で言っているんですか⁉︎ローゼンリール侯爵夫人の前に国王陛下の愛人だったベルテライヒ伯爵夫人は、ローゼンリール侯爵夫人のせいで辺境の離宮に追いやられてしまったじゃないですか。ローゼンリール侯爵夫人が『彼女が王様から賜った物を眺める度に王様との懐かしい思い出を思い出すのが耐えられない』と言って、そのせいでドレスも宝飾品も何もかも取り上げられて、ボロ布をまとって身一つで追放されたんです。

先代の国王の時代には、ゲルトなんとかという愛人がエルメなんちゃらという愛人に殺されかけたという濡れ衣を着せて、エルメなんちゃら様を修道院送りにしたではありませんか。エルメなんちゃら様の一族は全員平民に落とされ財産も領地も没収されて大層苦渋を嘗めたはずです。」


この場合の『修道院送り』というのは、修道女になったという意味ではない。修道院内にある牢獄に入れられたという意味だ。日も当たらぬ地下牢に入れられエルメなんちゃらという女性は僅か数ヶ月で衰弱死をしたそうだ。


「それでも私はグリューネバルト夫人が至尊の地位を得るよう後押しをしたい。ローゼンリール夫人は弟をおまえ達に殺されたのだ。愚劣で邪悪な男だったがローゼンリール夫人はそんな弟でも弟を愛していた。ゆえにおまえ達を絶対に許しはしないだろうし、おまえ達を殺す為何度でも卑劣な手を使って来るだろう。それを黙って見ているつもりは私にはない。あの女を何としてもどんな手を使ってでも排除する。その為には国王陛下の関心を引き付けるような女性が必要で、そしてグリューネバルト夫人はようやく現れたそのような女性なのだ。おまえに何と言われようとも私は自分の信念に基づく行動をやめたりはしない。」


「ごめん。僕では父を説得する事ができなかった・・・。」


マクシミリアンは家を出た後肩を落としてリーリアに謝罪したそうだ。


フロルとしては、このたびの策略にマクスもユーリもアレクも無関係だったとわかっただけで十分だ。

新緑騎士団事件の時王都から逃げ出してしまった、という負い目から息子をベタ甘に甘やかしている母親と違って父親の方はマクスに甘くない。というか甘さの方向性が違っている。マクスが父親を説得する事なんて最初からフロルは期待していなかった。むしろマクスが説得されずに済んで良かったと思う。


ナインハルト卿の怒りは当然の事だと思うし。そしてまた、ローゼンリール夫人の新緑騎士団への怒りも当然なのだ。だからこそ両者は同じ天を戴く事はできない。そして私は100%ナインハルト卿の方の味方だ。彼らが王妃に望んでいるのが私以外の人間だったら120%応援できるところだが。


っていうか、私が王妃?


一年前の私は下級貴族とは名ばかりで、フェリックス家の食堂でコマネズミのように働かされていたんだよ。


それが、あれよあれよと伯爵夫人になって次は王妃だと。

ありえないわー。超嬉しい。私ってラッキー!と思う人もいるのだろうけれど、私はそんなふうにはとても思えない!


王様が私のストライクゾーンから大暴投に外れているから言っているわけではない。たとえユリウスみたいな顔の人が王様だったとしても私には絶対王妃とか王様の愛人とかは無理!

と根が小市民のフロルは思った。


今現在も王都では、そこかしこではしかの発生が起きている。伝染病の流行は王都民がある程度の集団免疫を手に入れるまで続くだろう。かつてのグリューネバルト領がそうだった。


だが伝染病の襲来は、はるかにとんでもないものをフロルの元に運んで来た。


やはり王宮は魔窟だと思う。足を踏み入れたらろくな事にはならない。


これからどうなっていくのだろう?

私の望みはただ一つ。兄弟と再会する事だけなのに。


フロルは手帳を広げてマクシミリアンの名を書き大きくバツをつけた。

マクシミリアンは兄弟ではなかった。兄弟は他の人間だ。いつか会う事ができるのだろうか?そう思いながら晴れ渡った空を眺めた。



それからしばらくして驚きの事実が王都を駆け巡った。

それは、フロルにも大きな影響を与える話だった。


ローゼンリール夫人が懐妊したのである。

第五章終了です^_^


第四章と第五章はマクシミリアンの家族の話でしたが、第六章はヴェルギールの家族の話になります

どうか、これからも応援よろしくお願いします

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