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第五話 ???

さーて今回は途中までちょっと重めです。

Sランク昇格を果たしたセレスティアの前に新たな壁が、、、、?


そしてセレスティアが追いかけていた人物の意外な素顔とは?



楽しめるかどうかわかりませんけど、読んでください!!


お願いします!!


この通りですm(_ _)m




【セレスティア視点】


私達は冒険者ギルドに戻り、85層クリアの証である《セラフィエル》を受付嬢に提示した。


受付嬢は剣を近づけたり遠ざけたりしてじっくり観察した。


剣が証拠として認められるかは、賭けだった。


何故なら、通常ダンジョンクリアの証には秘宝ではなくボスモンスターの死体の一部を持ち帰るのが主流だからである。


今までのSランクになった冒険者はエクリプスの生首を持ち帰っていた。


ボスは1日で蘇るからあとの人のことを考えなくていいと、以前()()()は笑って言っていた。


でも......私はエクリプスを倒せなかったのだ。


果たして、剣が証拠品として認められるかどうか.......


心臓は早鐘を打ち、額には汗が滲む。


私達の間に流れる沈黙の時間が、私の胸に重くのしかかった。


しばらくして、受付嬢が口を開いた。


怖くなった私はぎゅっと目を瞑った。


受付嬢「はい、確かに本物ですね。


ーーーおめでとうございます、Sランク昇格試験、合格です。」



.........え?


今.......なんて?


一瞬、言葉の意味が分からず私は受付嬢に問いかけた。



セレス「合格........ですか?」



すると、受付嬢は朗らかに答えた。



受付嬢「はい、合格です!

おめでとうございます!」



ーーーーやった........!


遂に.....遂にSランクになった!



4ヶ月かけて.......遂にSランクに上がったんだ。


私は喜びに打ち震え、歓喜の涙を流した。


エイトさんも一緒に喜んでくれた。



エイト「やりましたね、セレスティアさん!

やっと念願のSランクですよ!」



私は涙を流しながら返した。



セレス「はい.....!本当にありがとうございます........!!」



その時、私はふと違和感を感じた。


.......あれ?


生首じゃなくてよかったのだろうか......?


私はそれとなく受付嬢に聞いた。



セレス「あの.....生首じゃなくて良かったんですか?

今までのSランク冒険者は全員エクリプスの生首を持ち帰ったと聞き及んでいますが、、、」



受付嬢は言ってる意味が分からないと言った様子で首を傾げた。


しばらくすると、受付嬢は笑いながら言った。



受付嬢「いえいえ、秘宝を持ち帰ったなら十分です!」


受付嬢の言葉に、私は安心した。


そうか......良かった......


これでやっと()()()に近づけた。


たとえ今は敵わなくても、こうやって一歩ずつ進んでいけばいつかきっと.......!



受付嬢は続け様に言った。



受付嬢「それにしても今日はいい日です!


セレスティアさんがSランクに上がった上に、




ーーーーー大陸史上5人目の、”SSランク冒険者“誕生の瞬間に立ち会えたんですから!」



その言葉はーーーー私に強い恐怖を植え付けた。


呼吸がうまくできない。


心臓の音が頭に響き、神経が捩じ切られるような痛みを覚える。


殺意を向けられてるわけじゃない、恐怖を感じるような何かをされたわけじゃない。


それなのに.......私はその場から動けなくなってしまった。


まるで金縛りにかかったかのように。


それ以上聞きたくない。


でも、聞かずにはいられない。


二つの矛盾する感情を抱いた私は、震える声で受付嬢に問いかけた。


セレス「名前は.....


SSランクになった方は、なんという名前なのですか......?」


お願い......やめて......!


それだけは絶対に.......嫌........!


これ以上.......これ以上あの人との差が埋まらないのは....もう.......!



だが、現実はあまりにも厳しかった。



受付嬢は嬉しそうに答える。





受付嬢「名前はーーーーーー」



その名を聞いた瞬間、世界が暗転するような錯覚を覚えた。


私のこれまでの全てが......音を立てて崩れていった。


その名は、私がずっと追い続けた相手の名前。


冒険者になってからたったの一週間でSランク冒険者になり、大陸史上最強の冒険者と名高い剣士の名前。


そして私のーーーーー宿敵の名前。


拳を強く握った。


視界が涙で滲む。


“SSランク冒険者”


その言葉が私に重くのしかかる。


セレス「......そう、ですか........。」


絞り出すように言葉を紡ぎ、私はおぼつかない足でフラフラと冒険者ギルドの出口へと向かった。


ドアに手をかけた瞬間、誰かが私の肩に触れた。


振り返るとーーーそこにいたのはエイトさんだった。


エイト「その......元気出してください、セレスティアさん!

セレスティアさんならきっと頑張れば追いつけますよ!

だってセレスティアはすごいんですから!」



セレス「......エイトさん......」


彼に悪気がないことは分かっていた。


だが、その言葉は、


ーーーー私には、あまりにも軽く聞こえてしまった。


私は笑顔を作りながら言った。


セレス「......ありがとうございます。


でもごめんなさい、少し.......一人にしていただいてもよろしいでしょうか。」



そう言うと彼は悲しそうな顔をしたが、それ以上追ってこなかった。


うまく笑えていただろうか。


私は王都の広間にあるベンチに座り込む。


もう夕暮れだった。


どんどん人が少なくなっていく中、私は今までのことを思い出していた。



.......一体何が悪かったのだろう。


寝る間も惜しんで剣を振り続けた。


誰よりも早く冒険者ギルドに行って、四六時中モンスターと戦った。


それなのに......()()()との距離は果てしなく広がったまま。


それどころか、どんどん広がるばかり。


私が血の滲むような努力を、必死な思いで上げた成果を......あの人はいつだって鼻歌混じりで、簡単そうに全部越えていく。


エクリプスを倒した時、私は確かに成長した。


だが、だからこそ苦しい。


成長できなければ.....まだ言い訳できた。


でも、今回は違う。


決定的に違うのだ。


ーーーーもう、()()()を追いかけるのは諦めた方がいいのかもしれない



そんな思いが胸によぎる。


その瞬間、聞きなれた声が聞こえた。



???「よぉセレスティア、Sランク昇格おめでとう。


冒険者ギルドはお前の話題で持ちきりだぜ。


..........んで?


何をそんなに落ち込んでるんだ?」



私は顔を上げた。


そこにはーーーー私がずっと追い続けていた男が立っていた。


【第三者視点】


気づけばもう夜だった。


セレスティアが顔を上げると、そこには一人の青年が立っていた。


奈落の底の暗闇を切り取ったかのような、暗く深い漆黒の髪。


月光に照らされて白く光る長いまつ毛の間から覗く瞳は、見る者を魅了する鮮やかな深緋色だがその奥には深海のように暗い藍色の瞳孔が見える。


雪のように白い肌が月光を浴びて真珠のように柔らかく光り、淡雪のような儚さを感じさせる。


だがその佇まいや姿勢は堂々としており、まるで一国の王のような風格を感じる。


まるで神話の中の女神が地上に出てきたかのような儚く繊細な美貌を持つ彼は不思議そうに首を傾げ、セレスティアを見下ろしていた。



眩いほどの光を湛える深緋色の双眸に映るセレスティアの瞳は、彼女の涙で歪んでいた。



彼と目を合わせ続けることに耐えきれなくなったセレスティアは目を逸らし、震える声でこう言った。




セレス「どうして.......


どうして、こんなところにいるんですか?








ーーーーーー“アルトリウス”さん。」


そう、彼の名はアルトリウス。


エイトを追放したSランクパーティ“赤い獅子”のリーダーにして、セレスティアの因縁の相手である。


そんな彼は、キョトンとした顔で言った。


アルト「だって......お前エクリプスに負ける度にここに来てたじゃねぇか。

なんなの?

ここお気に入りなの?」


それを聞いた瞬間、セレスティアの視界が真っ赤に染まった。



セレス「ーーーーーあなたには関係ありません!!」



セレスティアはハッと正気に戻り、アルトリウスの顔を見た。


だがアルトリウスは突然声を荒げたセレスティアに驚くことも傷つくこともなかった




ただ、不思議そうに首を傾げた。


アルト「何拗ねてんだ、いいじゃねぇか、あんなになりたかったSランクになったんだから。

そりゃエクリプスを倒せなかったのは残念だが、そこまで思い詰めるこたぁねぇだろ?


認められるのも倒すのもほとんど同じじゃねぇか。

結局Sランクになれることに変わりはねぇよ。」



その言葉に、セレスティアは顔を歪めた。


拳を握り、怒りを堪えるようにわなわなと震える声で言った。



セレス「.........じゃあ聞かせてください、あなたはどうやって85層を突破したんですか?」



アルトリウスは平然と言った。



アルト「言っただろ。


まず一人でダンジョンに入るだろ?


雑魚を片付けるだろ?


ボスに挑むだろ?


そんで、普通に正面から首を刎ねるんだ。


そしてその首を冒険者ギルドに持ち帰ったら、“合格です〜”って言われたんだよ。」



セレスティアは悔しそうに言った。



その拳は震えていた。



セレス「全然.....全然違うじゃないですか。

私は、エクリプス相手に手も足も出なくて、


支援魔術使ってもエクリプスの攻撃を避けるのでほとんど手一杯。


攻撃を当てたと言っても.......有効打は何一つ与えられていない。


それなのに.........あなたはたった一人で、何の支援も受けずにエクリプスを葬った。



これの......これの何が同じだって言うんですか!!!


同じSランクなのにこの差は何なんですか!!」



ハァハァと息を切らす。


その間、アルトリウスは何も言わなかった。


セレスティアはヒートアップする。


セレス「あなたにはわかりません!!

才能も、名誉も、そして強さも!!

生まれた時から持ってるあなたには、私の苦しみは絶対分かりません!!」



“もう放っておいてください”ーーーそう言おうとしたが、アルトリウスの豪快な笑いがセレスティアの言葉を阻んだ。



アルト「はっはっは、そりゃ分からん!!

俺は俺以外の人間になったことがないからな!!」



セレス「......え?」



予想外の言葉に、セレスティアは目を丸くして驚いた。



アルト「セレスティア、冷静になれ。

お前はどれだけ努力したって、俺にはなれん。


でもそれはお前が悪いわけじゃない。


俺だって同じだ。


お前がお前以外になれないように、俺も俺以外の何者にもなれん。

そうだろ?」



正論だった。



セレスティアはアルトリウスを見つめ、首を縦に振った。



アルト「そもそも使ってる武器が違う。

俺が使ってるのはロングソードでお前が使ってるのはレイピアだ。


故に戦い方も得意分野も全然違う。

比べても仕方ないんだ。

目標にするなら、お前の兄のようにお前と同じ武器を使ってる相手にするべきだ。」



そしてアルトリウスは続けた。



アルト「向上心があるのはいいことだがな、お前は毎回毎回考えすぎなんだよ。

そんなんじゃいつか絶対破綻するぞ?

そう。


ーーーーーこの筋肉のようにな。」



セレス「.........は?」



“何故急に筋肉の話を?”



セレスティアはそう思った。


だが、そんなセレスティアをよそにアルトリウスは続ける。



アルト「いいか?筋トレはインターバルが命なんだ。

軽めの筋トレをやった後は30秒から1分ほどの短い休憩、キツめの筋トレをやった後は分から5分ほどの長めの休憩が必須と一般的には言われている。

インターバルを取らずに負荷をかけ続けてしまえば、筋肉の発達が遅れる上に怪我のリスクが高くなる。


見ろ!!


現にお前の体は、全身の筋肉が悲鳴を上げてるじゃないか!」



セレスティアは呆れながら言った。



セレス「........それと今までの話に、一体何の関係があるんです?」



アルトリウスは言った。



アルト「精神も同じだ!!

筋肉を酷使すれば筋繊維が千切れるように、いつもいつも思い詰めすぎてるといつか精神も捻じ切れる!!

そう。

全ては筋肉につながるんだ!!


いいか、筋肉は全てを解決する!!

お前ももっと筋肉を鍛えろ!!」



”あぁ、もう駄目だ。

完全に話の本筋を見失ってる。“



セレスティアはそう思った。



だが、不意に笑いが込み上げた。



セレス「ふふっ、もう.......普通そこから筋肉の話にはならないでしょう?」



アルト「おや、機嫌が直ったようだな。」



セレス「おかげさまで。

それにしてもこんな時ですら筋肉トークとは、流石アルトリウスさん。

いつもいつもブレませんね。」



ーーーーそう。


アルトリウスは脳筋だった。


それも筋金入りである。


どんな話をしていても、アルトリウスは二言目には必ず筋肉の話をし出すのだ。



アルト「まぁとにかく、たまには肩の力を抜けって話だ。

プロテインでも飲んで落ち着け。


じゃ、冒険者ギルドに戻れよ。

エイトも心配してるぞ。」




そう言ってアルトリウスは歩き出す。



それに追随するようにセレスティアも歩き出した。



風が冷たく、肌寒さを感じる夜だった。

※作者に筋肉知識は皆無です。

アルトリウス君のセリフはその都度調整するのでご容赦ください。

浅知恵ですみません!!

できればギャグとして読んでいただければ幸いですm(._.)m

これからネットで調べるなどしながら書いていこうと思います!


さて、次回は新ヒロイン登場です!!


どうやらアルトリウスと因縁があるようで、、、?



次回「第六話 邂逅」お願いします!

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