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閑話 クラリスとアーサー1

アーサー出生から一年ーーーーーーーーーー





アルフォンス「ウォォォォォォォォォォォォ!!!生まれたぞォォォォォォォォ!!!!」





とんでもない声量だねぇ.................

やっぱりコイツもユースティティア皇族の親戚だ。



それはともかく、レスタリア大公家に玉のように美しい赤ん坊が生まれた。

名はクラリス・ロイ・レスタリア。

ユースティティアの血族に女児が生まれたのは実に50年ぶりである。





ズドドドドドド............


扉の向こうから足音と思しき轟音が迫り来る。


次の瞬間ーーーーーーーーー







バキィッ!!!


...........................鉄筋の扉がいとも容易くぶっ壊れた。



アレキサンダー「我が弟よーーーーーーー!!!祝いに来たぞーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」



コイツは世界各国で語られる伝説の英雄アレキサンダー・フォルティトゥード・ユースティティア。

推定200歳越えだが18になってから歳を食ってないので今も若々しい。

200年前、勇者カイゼルが落としたタルトを拾い食いした末に世界を救った元皇帝である。




ガルガロッザ「久しいな兄者ァァァァァァァァァ!!!!

見ろォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

可愛い女の子だぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」




うるせぇ!!!!


ガルガロッザ・フォルティトゥード・ユースティティア。

初代レスタリア大公の父親でありアレキサンダーの弟である。

同じく推定200歳以上。




ダリオス「アレキサンダー上皇陛下!!ガルガロッザ親王殿下!!!

奇遇ですなァァァァァァァァ!!!!!」



解説不要。



他にもまぁ..........歴代レスタリア大公家当主とか色々来た。


全員クラリスに夢中だった。


クラリスの一挙一動をじっと見つめ、クラリスが笑えばだらしなく鼻の下を伸ばした。




ガルガロッザ「女の子ってかわいいのぉ。」




アレキサンダー「可愛いなぁ」



ダリオス「可愛いなぁ..........」





そう、アーサー(1歳児)から目を離したのである。





アーサー(1歳)(くらりす...........?よくわかんないけど........おれ“おにいちゃん”になったのか?

”おたんじょうび“をのがしてしまった......うーん...........そうだ!!“えりくさー”あげよう!!

“えりくさー”ならきっとよろこんでくれるかもっ!!)




待て待て待て待てエリクサーは聖剣エクスカリバーがブッ刺さってた祭壇の周囲に一本だけ生えてる幻の回復草だぞ???


誕生日プレゼントのノリで気軽に取ってきていいものじゃないんだぞーーーーーーーーーーー!?!?!?


見た目は百合っぽい可愛い花だけどそんな簡単に採っていいものじゃないんだぞーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!





しかしそんなことは露知らず、アーサー(1歳児)はダリオスの腕からすり抜け、どこかへ走って行ってしまった。




10分後......................





ダリオス「アーサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?」




アレキサンダー「どこに行った我がアーサーよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」





...................................................うん、バレたよね。


今度はクラリスをほったらかしでアーサー(1歳児)の捜索に躍起になっていた。


先程までクラリスにデレデレだったのはなんだったのか。


アーサーがいないと気づいた途端すごい血眼である。





アレキサンダー「あああああああああああどうしよう!!!

アーサーはまだ剣を習っておらぬ!!!!!!

魔術が通じん天使どもが攻め込んできたらひとたまりもないぞ!!!」




来ねぇよんなもん。

そんな簡単に天使出してたまるか。





ダリオス「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

俺が目を離したばっかりにィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」






一方その頃エクスカリバー周辺ではーーーーーーーーー





アーサー(1歳)「えりくしゃっ!!みちゅけたっ!!」




鈴を転がすような可愛らしい声が響く。


聖剣エクスカリバー(※一応折れた部分は直ってる)がブッ刺さってる祭壇の真ん前に座ってる赤子は、泥だらけになっても尚天使と見紛う美しさを誇っているが、エリクサーをぎゅっと握りしめたまま座り込み、両手を掲げてキャッキャと喜んでいた。


えぇ..............ウソでしょ...................


マジで見つけたの..................?




深緋色の虹彩と藍色の瞳孔を持つ瞳はまるでダイヤモンドのようにキラキラと輝いている。


漆黒の髪は細く、そして柔らかく、触ると羊毛のような触感だがまるで川の水のように滑らかで陽にあたって真珠のように淡く光る。


雪のように白く陶器のように滑らかで寒天のように水々しい肌は頬だけが薄い薔薇色に染まっており、丸々としていてまるで大きめのマシュマロが頬に二つ付いているようである。


泥に塗れようと変わらぬ絶世の美貌だが、手に持ってるエリクサーは、エリクサーを守ってる精霊を倒すか認めさせるかしなければ手に入らない。


ちなみに.................無論、アーサーは倒す派である。




実体がない故に物理攻撃も魔術も効かない精霊をどうやって倒したかというと、支援魔術の一種の即死魔術を使っている。




この魔術は生物の全ての細胞を死滅させるだけでなく、自我すらも決壊させ、如何なる手段を使おうと自我だけは治せない。


つまり不死の生物に即死魔術を使ったら一瞬で廃人になって二度と立ち上がることすらできない。



む..............惨いことを............



当時アルカナ王国で進められていたのは前半の細胞を死滅させる魔術の研究までで、自我を決壊させる術式はアーサーが生後9ヶ月の時に開発された。





理由は...............




アーサー(0歳)(われらほこりたかき“せんとうみんぞく”っ!!

こえられぬかべは、こなごなにこわしてつきすすむのだっ!!)




..............................................脳筋!!!!!


功績は完全に天才児なのに思考が脳筋!!!




.......................おや??


急に辺りをキョロキョロ見渡したぞ?



アーサー(1歳)「.......................?どこ..........?」





あっ..................(察し)


迷ったんすね..............................





瞳はまるで水面のように歪みだし、うるっと水が溜まる。


プルプル震え、口をキュッと閉じるが段々顔が赤くなって...................





アーサー(1歳)「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」





泣いた。


その声は森全体.........いや、その手前にあった魔王城すらも振動させるほどデカかった。


赤子の声量じゃねぇ。






ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド..............................




突如、震度6強くらいの地震と共に凄まじい轟音がアーサーに迫る。


その奥には..............................すごい形相でアーサーに突進するアレキサンダーの姿があった。





アレキサンダー「アァァァァァァァァァァァァァァァァサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」





うるせぇ。


ちなみにコイツはアーサー(1歳児)失踪時、なぜか魔王城を捜してた。


なんでだよ!!!!!!


アレキサンダーの姿を見た途端、涙が止まり、目がパァァァっと輝いた。


先程の号泣はなんだったのか。


今はただ手足をバタつかせてキャッキャと喜んでいる。




アーサー(1歳)「しゃんだーじいじ!!」




“アレキサンダー”の“サンダー”だけ抜き出したの!?


ま、まぁ赤ちゃんだもんね........“アレキサンダー”はちょっと言いにくいよね............




アレキサンダー「アーサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」




アレキサンダーは涙をジョバジョバ滝のように流しながらアーサーを抱き上げながら頬擦りする。


18から成長も老化も止まり、髭がなくツルッツルなのでアーサー(1歳児)も普通に喜んでいる。


........................................いや、その距離であんな絶叫聞いても鼓膜が破れるどころか耳を塞ぎすらしないとは...........やっぱスゲェなアーサー(1歳児)。


アーサー(1歳児)にとってアレキサンダーはかなり遠いご先祖なのに..........見た目は完全に歳の離れた兄弟なんだよなぁ..............




アーサーが帰った瞬間がどうなったかは言うまでもないので省略しよう。




アーサー帰還から数時間後、やっと筋肉だるま達から解放されたアーサーはクラリスが眠るベッドへと小走りでテテテ.........と突進した。



そしてジャンプしてベッドの中にダイブ。




四つん這いでテクテク進み、クラリスの顔を見て満面の笑みを浮かべた。





アーサー(1歳)「くらりしゅ!!“えりくしゃー”あげりゅっ!」





どう見ても天使。


どこからどう見てもこの世のものとは思えないほど可愛らしい天使である。


だがしかし、クラリスは生まれて初めて世界最高クラスの美貌を見た。


絶世の美貌を持ち、自身に花(※エリクサー)を手渡すアーサーは、クラリスから見れば白馬に乗った王子様のように見えたのだろう。


まぁ...........................うん、皇子ではある。


ただ、白馬じゃなくて戦闘用の騎馬に乗るタイプの皇子だけど........................


これ以降、クラリスはアーサーに懐いた。


もう本当にべったりだった。

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