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第二話 適正審査

パーティを追放された後、僕は冒険者ギルドに向かっていた。

追放されたことを報告するためだ。



これからどうすればいいんだろう.......



そんな不安と仲間だと思っていた人たちに裏切られた絶望の中、僕は重い足取りで歩いていた。


木製のドアを開き、カウンターに向かう。



すると、穏やかな声で問いかけられた。


???「今日はどうされましたか?」


彼女はヘレナ。

冒険者ギルドの受付嬢だ。

手入れの行き届いた艶のある土色の長い髪に大きく丸いヘーゼル色の瞳を持つ可愛らしい美少女だ。

柔らかな笑顔と落ち着いた性格から冒険者の間でも人気が高い。


エイト「その........実はパーティを追放されちゃって。」



すると彼女は眉ひとつ動かさず答えた。



ヘレナ「でしたら冒険者カードを返却し、3日以内に冒険者登録試験を受験して頂くことになります。」



エイト「え........?」



反射的に僕は彼女に問いかける。

だって、そんなの聞いたことがない。

3日なんて........早すぎる

僕にはもう、冒険者を続ける資格がないのかもしれない。



ヘレナ「ご存知ありませんでしたか?」



エイト「は、はい......初めて聞きました......」



ヘレナ「そうですか。普通は説明する機会がありませんものね。」



堪らず僕は彼女に問いかける。



ヘレナ「あの.......何があったんですか?」



すると彼女は穏やかに返した。



ヘレナ「過去、追放された冒険者が自分の実力を誤認し、実力以上の難易度のダンジョンや依頼に挑戦して死亡するケースが多発したのです。」



彼女の言葉に耳が痛くなる。

だって.......僕だって支援魔術師だ。

攻撃手段は何一つない。

あるとすればアルトリウスに憧れて始めた剣くらいだろうけど、でもそれだって支援魔術がなければDランク相当にも及ばない。

今冒険者登録をしたところで.......



そんな思いを抑えて僕は口を開いた。



エイト「そう、ですか......死んだ人がいるなら仕方ないですね.......」



ヘレナ「再登録しますか?」



僕は支援魔術しか使えない。

もしかしたら、試験で落とされて2度と冒険者になれなくなってしまうかもしれない。

でも.......だからと言って僕は諦めたくない。

8年前に僕の命を救ったあの人のように、僕は誰かを助けられる強さが欲しい!



僕は力強く頷いた。



エイト「よろしくお願いします!!」



そう返事すると、ヘレナさんは手際良く書類をまとめて僕に言った。



ヘレナ「では鑑定局に連絡致しますのでギルド長室でお待ちください。」



鑑定局。

プエルグラトゥス王国国王直属の機関だ。

魔術大国アルカナ王国から提供された高度な鑑定技術や魔法技術を管理する機関。

その鑑定精度は大陸随一と言われ、時には国外の王族や皇族から依頼されて国外に派遣されることもある。



そんなこんなで待っていると、不意にドアが開く音がした。

ドアの方を見ると、ヘレナさんと老齢なお爺さん.......それと若い女の人がいた。



ヘレナ「お待たせしてしまい申し訳ありません。

こちらはエイトさんの鑑定を引き受けてくれた、鑑定士のエドマンさんと助手のアリアさんです。」



ヘレナさんがそう言うと、アリアと呼ばれた女性は明るく僕に話しかけた。



アリア「よろしくお願いします!!」



エドマン「話は聞いておる。お主がエイトじゃな?」



エドマンさんは杖をつき、ソファに座りながらそう言った。



エイト「は、はい。」



僕が返事をするとエドマンさんは水晶を取り出した。

鑑定結果を表示する魔道具だ。



エドマン「では早速鑑定を始める。

この水晶に手を置いてくれ。」



そう言ってエドマンさんは水晶を僕に差し出した。



エイト「わ、わかりました。」



僕が水晶に触れると、水晶が光って僕は思わず目を瞑った。

光が弱くなり目を開けると、アリアさんは僕の鑑定結果に驚いていた。




アリア「な....何これ.......支援魔術適正SSS ........?

エドマンさん!!

これ絶対おかしいです!

もう一回鑑定してみましょうよ!!」



狼狽しながらアリアさんはエドマンさんを急かしていたが、エドマンさんは落ち着いていた。



エドマン「はっはっは、すごい才能じゃのう。」



アリアさんは何を焦っているのだろう。

僕はこの時不思議でならなかった。

だが、その理由がわかるのに時間はかからなかった。



アリア「何を落ち着いてるんですか!!

SSSですよ!?

世界初ですよ!?

今まで最高はSS止まりだったじゃないですか!!」



世界初.......?

僕が?

その言葉に僕は驚きを隠せなかった。

だって..........僕が?

剣を振ってもゴブリンにすら負ける僕が?

近所の子供にカツアゲされていつもアルトリウスに助けられてた僕が?

見限られてパーティを追放されたこの僕が?



エドマン「まぁ気にするな。

慣れておるだけじゃ。」



アリアさんはまだ納得していないのか、ぶつぶつ何かを呟いていた。



エドマンさんは少し驚いた様子で僕に言った。




エドマン「しかしお主程才ある者を追放するとはそのパーティも惜しいことをしたのぅ、、、

まぁ別に支援魔術師がパーティから追放されたのはお主が初めてではない。

支援魔術の真の価値を理解できる者は少ないのじゃ。」



アリア「支援魔術師って、戦果が数字で表されないんですよね。

でも、パーティ内では実は重要な存在なんですよ。


支援魔術師がいるのといないのとでは倒せるモンスターの強さは雲泥の差!

きっとすぐエイトさんの重要性に気づきますって!」



アリアさんはそう言っていたずらっぽく笑った。

だけど、僕はそれを聞いて思わず立ち上がった。



エイト「え、、、大変じゃないですか!

僕、今すぐ”赤い獅子”に戻ってこのことを伝えないと!」



僕がギルド長室を出ようとした時、エドマンさんが僕を制止した。


エドマン「安心せい。

まだお主の元パーティメンバーが危険な目に遭うと決まった訳ではない。」



続いてヘレナさんが僕に言った。



ヘレナ「お話中申し訳ありません。

つい先程受付嬢から、”赤い獅子”のモンスター討伐依頼の完了を確認したとの事です。

3人ほどダメージを受けたメンバーがいますが皆さん軽傷で、1人は無傷だそうです。

..........珍しいですね。

“赤い獅子”から負傷者が出るなんて。」



その言葉に僕は安堵した。

だが、エドマンさんは驚愕を隠しきれないほど驚いていた。



エドマン「......エイト、お主に聞きたいことがある。」



咳払いしてエドマンさんは僕に尋ねた。



エドマン「お主のパーティの中に.......赤い目をした冒険者がいるのではないか?

ただの赤じゃない。

深緋色の虹彩に藍色の瞳孔の、非常に珍しい色の目じゃ。」



深緋色の虹彩に藍色の瞳孔。

それを聞いて僕が思い浮かぶ人物は、1人しかいなかった。



エイト「い、います。

1人だけ。」



僕の言葉を聞いたエドマンさんは目を見開き、大きく深呼吸をした。

そして何かを確信したように呟いた。



エドマン「..........そうか.......」



エドマンさんの様子が気になった僕は躊躇いながらも聞いた。



エイト「あの......何かあるんですか?」



エドマン「いいや、なんでもない。

まぁ初回のSランク任務で重症者が出なかっただけで上出来な方じゃ。

Sランク任務は死者が出る可能性もあるほど危険な任務が多いからの。

安心せい、お主の元パーティは安泰じゃよ。」



エイト「そ、そうですか......

ありがとうございます!

エドマンさん、アリアさん!」



お礼を言うとふたりは笑って返事をしてくれた。


アリア「頑張ってください!」


エドマン「支援魔術師は支援魔術が使えれば良い。

あとは20分程度の簡単な筆記試験だけじゃろう。

お主なら大丈夫じゃ。」



エイト「ありがとうございます!」





エドマンさんの様子が少し気になったものの、エドマンさんの言葉に安心した僕は、あとから到着した試験官に連れられてギルド長室を後にした。

筆記試験は滞りなく進んだ。

支援魔術の実技試験ではなぜか試験官が驚いたような顔をしていたが、兎にも角にも僕はもう一度冒険者として活動できることになった。



冒険者カードを受け取る。

カードにはFランクと書かれていた。



やっと僕の新生活が始まるんだ!


この時僕は期待に胸を膨らませていた。


だがーーーー


パーティを追われた支援魔術師に待ち受ける現実は僕が思っていたよりも遥かに厳しかった。


誰も読んでないと思いますけど失礼します!!

素人の駄文を見せてしまい申し訳ありません、読んでる人がいたらどうか見捨てないでください(切実)



と言うわけで次回はいよいよヒロイン登場回!!

最初のヒロインということで気合い入れる予定なのでどうか次回もよろしくお願いします!

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