第一話 追放
初めまして、作者です。
この作品は「追放された冒険者の逆転劇」をテーマにした物語です。
一見ただの追放系テンプレにしか見えないこの作品、実はちょっと捻ってます!
主人公は本当にエイトなのか、本当にこの話はただの追放系なのか。
ぜひとも楽しんでいただければ幸いです!!
雲一つない空はカリビアンブルーの絵の具を溶かしたような爽やかな青だった。
穏やかな風が剣を携えた冒険者たちの頬を優しく撫でる。
街行く人々の笑顔と笑い声が、石造りの街並みに彩りを添える。
なんの変哲もない平和な日常。
ここは中心都市グラディオス。
中立国家プエルグラトゥス王国の王都である。
初代国王が元冒険者だった影響からか、世界各国の冒険者がここに集う。
これは数あるパーティの一つ、“赤い獅子”に所属する、一人の少年の話。
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僕はエイト。
冒険者パーティ”赤い獅子“の支援魔術師だ。
仲間の後ろに隠れて支援魔術をかけ、戦闘が終わったら死体解体や魔石の回収などの雑用を終わらせて帰路に着く。
今日も今日とて平和な一日。
ーーーーそのはずだった。
“赤い獅子”の拠点に着いて廊下を歩いていたその時、その場の空気を切り裂くような鋭い声に呼び止められた。
???「エイト、話がある。
ついてこい。」
彼の名はアルトリウス。
冒険者パーティ“赤い獅子”のリーダーである。
濡羽色の髪に赤い瞳を持つ、誰もが振り返る美貌を誇るイケメン剣士。
女性にも良くモテるがなぜか全く浮ついた噂がない。
僕はなぜか彼に毛嫌いされているようで、話しかけても無視されることが大半。
僕を見る目には苛立ちの色が浮かんでいた。
ましてや自分から話しかけるなど絶対に無いだろう。
そんな彼が僕を呼び止めた。
その事実に背中が寒くなり、重苦しい重圧が僕にのしかかった。
嫌な予感がする。
リビングに案内されながら僕はそう思った。
アルトリウス「エイト。お前を冒険者パーティ“赤い獅子”から追放する。
荷物をまとめてすぐに出て行け。」
僕を鋭く睨む彼の口から出た言葉に、僕は衝撃を受けた。
まるで世界が暗転したような衝撃。
確かに僕はアルトリウスに嫌われてはいた。
だが、彼は冷静な人物だ。
感情で判断するような人じゃない。
でもなんで?
僕が悪かったのか?
確かに僕は支援魔術しか使えなくて、みんなのようには戦えない。
でも僕は、僕にできる限り精一杯このパーティに尽くしてきた。
最近はアルトリウスみたいになりたくて剣だって習い始めた。
アルトリウスほど才能はないけど、でも、諦めたくなかった。
だって彼は僕の永遠の憧れだから。
剣術の適正が低くて上達するのに時間かかったけど、
支援魔術さえ使えれば実戦に持ち込めるレベルになって、明日にでも戦えるところまで来たのに。
それなのに........なんで.....
様々な疑問が雪崩のように流れ込み、僕の中で渦巻いている。
まるで獲物を睨む猛獣のような鋭い眼光に気圧される。
でも、それでも聞かずにはいられなかった。
エイト「ま、待ってくれ!
そんないきなり言われても納得できない!
理由を.....理由を教えてくれ!!
なんで君はそこまで僕を嫌うんだ?
僕は君に何かしたのか!?
教えてくれ!!
悪いところがあったら直すよ!!
だって僕たちは.........これまで一緒に戦ってきた仲間だろう?」
追放される理由だけが知りたかったはずなのに、気づいたら僕は嫌われている理由まで聞いていた。
だが、口を開いた瞬間僕は自分の感情を抑えることができなかった。
そんな僕の問いに答えたのは........アルトリウスではなかった。
???「ハァ?アンタマジで言ってんの?」
全身魔女っ子衣装の彼女はリリィ。
このパーティの攻撃魔術師だ。
燃えるように赤い髪に赤い瞳を持つ美少女だ。
小柄で可愛らしい印象故に男性からの人気は高いが高圧的で気が強く、僕は彼女が苦手だった。
リリィ「“なんで”って、そんなの決まってんじゃない!!
あんたがお荷物だからよ!!」
........お荷物?
僕が?
???「その通りです。身の程を弁えなさい。」
純白のシスター服を見に纏う彼女の名前はエリス。
このパーティの回復魔術師だ。
まるで絹糸のように美しい銀色の髪と宝石のように輝く美しい青い瞳。
こちらも類まれな美少女故に男性人気が高い。
エリス「私達は今度Sランクに上がるのです。
無論依頼の難易度や迷宮攻略の難易度も桁違いに上がります。
ここから先、支援魔術師のあなたではもう足手纏いになるだけなのです。」
冷たい声で紡がれた言葉はあまりにも残酷でありながら、反論しようのない正論だった。
???「早く出てけよ、お荷物野郎!!
支援魔術しか使えねぇ癖に。
お前がいたせいで毎回報酬の取り分が無駄に減るんだよ!!」
大声で怒鳴り散らした彼は剣士のケイン。
アルトリウスと比べると見劣りするが、彼も顔立ちは整ってる。
エイト「........本当に、もう手遅れなのか.......?」
諦めきれず、僕はもう一度アルトリウスに問いかける。
お願いだ.........嘘だと言ってくれ。
本当は追放など望んでいないと........
僕は仲間だと.........そう言ってくれ........
しかし、氷のように冷たく刃のように鋭い声は、そんな僕の思いを無慈悲に切り捨てた。
アルトリウス「聞いての通りだ。
ここにいる全員がお前の追放を望んでいる。
もはやお前に選択肢はない。
出て行け。」
それを聞いた瞬間、僕の中で何かが崩れる音がした。
あぁ........もう、全部終わったんだ。
僕は、アルトリウスに見限られたんだ。
でも僕は、それでもアルトリウスを嫌いにはなれなかった。
それが余計に辛い。
涙を飲み込み、僕は口を開いた。
エイト「分かった........。
どうか、無理はしないでくれアルトリウス。
後.......みんなも。
今まで..........本当にありがとう。」
僕はそう言って、“赤い獅子”の拠点を後にした。
でも視界の隅で、僕は初めてアルトリウスの笑顔を見た気がした。
その日、僕は全てを失ったと思っていた。
でも、この時僕はまだ知らなかった。
僕の本当の冒険者人生は、ここから始まるんだってことを。
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これは後に世界最強に至る冒険者の物語。
類稀なる才能、
共に歩む仲間、
数多の試練、
そして、それを乗り越え深まる仲間との絆。
これは一人の少年が、英雄となるまでの物語である!!
ご覧いただきありがとうございます!!
こんな素人の駄文に付き合っていただき感謝感激です!!
次回からはいよいよエイトの物語が始まります!
よろしくお願いします!




